棚ぼたの休日を利用して、山口県を国道沿いにドライブをした。

 

名所を目指したが、途中にも味のある施設があって楽しめる旅になった。

 

俺の目的地は秋吉台だったが、明確な目的があっての事ではなく、なんとなくの気分で決めたものだ。

 

国道2号線を外れるとすれ違う車も少なくて、一層の旅気分を味わう事が出来る。

 

俺の頭の中ではカルスト台地の高原が広がっていたが、道路標識を辿っても普通の山の景色しか見えてこない。

 

以前に来たのは十数年前の事なので、こんな感じだったかなと戸惑っていたが、山を上がり切ったところで記憶にある景色に出会えた。

 

駐車場に車を入れて、秋吉台の展望台へ向かって歩くと、この場所だとわかる眺めが広がる。

 

まだ、子供が小さい頃にドライブ旅行で訪れて以来の景色だ。

 

その時は秋芳洞と秋吉台を見てまわった。

 

今回は秋芳洞には寄らなかったが、平日のせいかコロナのせいか人影は少ない。

 

もっとも、スーツ姿の俺は浮きまくりだから、その方が助かるというものだ。

 

雲の多い空模様だが、何処か寂しくて枯れた草の色には合っているように思えた。

 

以前に訪れた時の俺と、現在の俺の姿を表しているかのようだ。

 

流れる雲と枯草からのぞくカルストの地形を眺めて、少しまわりを歩いてみたが直ぐに飽きてしまった。

 

何か目的があった訳でもないのだが、こんな事をしに来た訳でもない。

 

土産屋も以前に比べてカフェが隣接してオシャレになったようだが、生憎と俺には用がない。


せっかく来たので、お店で見覚えのある小さな鍾乳石の亀を買って帰った。

 

来た道を戻る気にはならず、そのまま萩に抜ける方角に車を走らすと更に眺めがよくなる。

 

以前に感動したのは、こちらの景色だったようだ。

 

山を下るまで素晴らしい景色が続く。

 

車を停めて写真を撮る人もいるが、寿命間近の俺のスマホには荷が重い。

 

でも、俺はこうして走るだけ、目的地よりも道中を楽しむ事が好きなんだと気づいた。

 

誰かと一緒に楽しめるような事ではないだろうが、俺の嗜好には合っているようだ。

 

 また続きは改めて。