年が明けて寒い日が続く。
コロナの事もあるので、職場でも外出の自粛を求められている。
仕事が終わると真っすぐ帰宅するのだが、寒さもあって早めに入浴して寝てしまう。
完全にひとりの時間を休息に充ている状況だ。
そのせいなのか、通話や暇つぶしを問わず、電話に触れる時間が少なくなった。
仕事以外でコンタクトの必然がある人間は数人だし、おまけに最近は少し疎遠になっている。
気がつけば、SNSも通話も去年のクリスマスから全く履歴がなかった。
まあ、それで困っていなかったのだから、俺の人間関係も推して知るべしなのだろう。
実は、こんな事に気づくきっかけになった出来事がある。
今日、新年はじめましての着信があったのだが、電話のお相手は以前に勤めた会社の同僚だった。
話したのは十年ぶりくらいかもしれない。
あまり良い内容ではなく、残念ながら俺に協力できる事はなかった。
彼の懇意にする人間関係にランクがあるとするなら、俺は中の下くらいではないだろうか?
そんな俺のところに話が回ってくる自体、問題がランク上位でも解決しなかったと想像できる。
俺は力になれそうにない事を詫び、彼も迷惑をかけたと話して通話は終わった。
そして、通話が終わって画面を見つめながら物思いに耽った。
話は戻るが、俺が同じような状況の場合、どれだけの人に頼るのだろうとスマホの中身を探った。
電話帳には300ちょっとの登録がある。
お正月を挟んだにも関わらず、通話の履歴は3週間以上なし。
300の登録があっても、実質は幽霊と変わらないのかもしれない。
ついでに言えば、300もある登録側から見るなら、俺の方こそ幽霊であろう。
ちょっと、人との付き合い方を改めようかと考えながら夜は更ける。