紅葉を期待して、週末ドライブに出掛けてみた。

 

実はこのブログは下書きのまま更新し忘れており、先週のお話だったりする。

 

今は少し状況も変わっているんだろう。

 

紅葉は最寄の場所をふらついてみようかとも思ったが、せっかく車を用意するので遠出をしてみた。

 

出来れば故郷にも寄るつもりで、思い切って出雲大社まで車を走らせた。

 

今回は途中の米子まで知り合いも一緒の旅である。

 

待ち合わせの京都駅までは新幹線で移動をした。

 

コロナの緊急事態宣言が終わって、京都駅も賑わっており、俺も旅に出発する気持ちが弾んだ。

 

こんな風にして出掛けるのはどれくらいぶりだろう?

 

しかも、途中までと言え、今回は一人旅ではないのも珍しい。

 

車を走らせると懐かしい京都の街並みが目の前を過っていく。

 

しばらくして、懐かしい景色も終わって高速に入った。

 

米子までは中国道を走って米子道に分岐するらしい。

 

大昔、関西に赴任していた頃、たまに家族で蒜山高原までドライブした際に通った事はある。

 

途中、渋滞もあったけど米子までの道のりは苦にはならなかった。

 

しかし、肝心の紅葉はその前の週に見た居住地の郊外と大差はない。

 

木によっては赤く染まったり、黄色になったものも散見されるが、全体としては緑が強い。

 

この週末も寒かったが、木々の生命力は強いようだ。

 

ちょっと残念な気持ちになったが、知り合いの方は十分に楽しんでいる様子だった。

 

残念ついでといえば、久しぶりに助手席に人が乗った事もあって、つい昔のクセが出てしまった。

 

米子に入って車内で盛り上がってしまい、会話に夢中で強めのブレーキを踏んでしまった。

 

その際、助手席の人が前に出ないように、俺は左手を相手の胸の前に出してしまった。

 

幸い相手も大して歳の変わらないおっさんだし、問題はないのだが、何故か気まずかった。

 

家族がいた時には当然の事だったが、独りになって運転する間に忘れてしまった筈の気遣いだ。

 

田舎にいた時、毎日のように運転をして、とっくに抜けてしまった習慣だと思ったが違ったようだった。

 

ちょっと無言の間に、助手席の知り合いとお互いの境遇に思いを巡らせた。

 

知り合いは米子のネットカフェとコンビニの間の駐車場で車を降りた。

 

ここで時間を潰して奥さんが迎えに来るのを待つらしい。

 

もしかしたら気をつかわせたのかもしれない。

 

そんな風に考えると、この先の一人旅に余計な切なさが加わった。

 

どうも車内で一人で景色を見つめていると、余計な事を考えてしまう。

 

宿のある松江は少しだけ先だが、これまでの道のりよりも長く感じた。

 

それでも波の立つ宍道湖の湖面を横目に松江に着いた。

 

なんとなく、出発前と違って微妙な心境になったが、松江城のまわりを歩いて旅に出掛けた気分を取り戻した。

 

いろんな事があったが、今は今を楽しむべきだ。

 

いらない思いは大社で祓ってしまう事にした。

 

松江の夜は少し静かでよい夜だった。


 

続きはまた少し先で。