「ツインレイって、チョロいんだ」
いつかは嬉しい衝撃を受け、足先でステップを踏んでいた。
片付けられない大人や社会で生きにくさを感じて苦しんでいた大人が、
自分でもそれが何故なのかわからず長い長い暗闇でもがいていたある日、その己の現象に
「発達障害」
という名前がついたことで
一気に心が楽になったという話がある。
発達障害という「名前」は、固く閉じかけていた彼らのアイデンティティに繋がった。
未知の事象にタイトルがつくのは、道が見えなかった人々には大きな光となる。
安心する。
そして他に仲間がいることに勇気づけられる。
いつかの目の前に飛び込んできた単語、「ツインレイ」は、まさにそんな感じで
未知なことばかりで受け入れられないでいたあいつについての苦しみにタイトルが付き、その名詞を確認したとき、それまでの苦しみが一気に楽しいものに変換された。
「それってさ、お手上げになっていたこの恋だけど、ネットに落ちてるたくさんのルールブックで公式に堂々とカンニングできるじゃん!」
ツインレイ参考書もツインレイテキストも、スマホを持てば大量に無料で閲覧できた。
そこには、答えも、原因も、行く末のパターンまでも書いてある。3150(サイコー)かよ。
いつかは、目の前にある過去最大最強に苦しいこの恋愛が、急にチョロくなったように感じた。
サイレント期間?
統合?
ひとつひとつ試練をクリア?
「ツインレイの歴史書」には、過去のツインプレイングゲーム全クリ賢者たちが全部攻略法を教えてくれている。
ツインレイ道のパイセンたちよ、ありがとう。
恋愛に教科書なんてないのに、ツインレイならある…いつかは、「ツインレイ」という言葉に出会ったことにより頭がすごい速さで回転し始めた。
それまで、苦しくて苦しくて苦しくてたまらなかったことが「名詞」化したことで、彼女の中にはとんでもないエネルギーが宇宙から大量に注ぎ込まれた。
そしてHP12くらいまで落ちもはや瀕死状態だったいつかだったが、その瞬間HPは一気にフル回復した。
そして、それどころかいつかはこの日から怒涛のLv上げの日々を迎えるようになる。
『第一話』ツインレイチョロい。