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AV界のレジェンド・村西とおる監督にインタビューしたのは3月の末。
村西監督の半生を描いた『全裸監督』を読んで衝撃を受けたからだった。
いや、この本の帯がすごい。
『人生、死んでしまいたいときには、下を見ろ!
おれがいる。』
『前科7犯。借金50億。米国司法当局から懲役370年求刑。奇跡の男か、稀代の大ボラ吹きか。
“AV界の帝王“と呼ばれた裸の男の半生。』
「これはこれは大先生、大変におまんたせしました〜」
年下で初対面の俺の目の前に、エロの巨匠がいる。
巨匠はとても紳士で優しそうで実際そうなのだけれど、
どこかに闇を覗いた男特有の凄みがある。
男には2種類ある。
手加減せずに人を殴れる奴と、
殴ってるときについ手加減してしまう奴。
(今読んでいる矢作俊彦風でお届けしております)
そうだ、最近はもう1種類いた。
一度も殴ったことのない奴。
これが増えてるらしい。
手加減せずに殴れる奴は目つきが違う。
巨匠の目の底には狂喜のおき火がまだチロチロと燃えているのだ。
そんな巨匠が家族の話をする時にだけ、
ふわっと表情をゆるめる。
借金50億に追われていた時も、
「死のうなんて一度も思わなかった」のは、
「妻と子供をなんとかして食わせないといけなかった」からだ。
巨匠が教えてくれたことがある。
エロとは性への執着だけれども、
同時に生への執着でもあるのだと。
生命力は性命力だ。
エロは足りているか?