『ピエロの赤い鼻』
監督:ジャン・ベッケル
出演:ジャック・ヴィユレ / アンドレ・デュソリエ / ティエリー・レルミット / ブノワ・マジメル

【感想】
監督は『穴』で有名なジャック・ベッケルの息子、ジャン・ベッケルです。
ミシェル・カンの世界的ベストセラー小説を映画化した珠玉のヒューマン・ドラマ。
出演は「奇人たちの晩餐会」、「くりくりのいた夏」でおなじみのコンビ?
ジャック・ヴィユレ とアンドレ・デュソリエ。この二人が出ている映画は
なにか楽しい事がおこりそうでわくわくします。
その中でもこの映画は一番といっていいほど私は好きな映画です。
・Myのヒットポイント
ストーリー自体や展開はあまりおもしろいものではないと思います。
ストーリーを通して見えてくるそれぞれの人物がもつ人間の弱さ、愚かさ、あさはかさ、
それゆえに起こる出来事を、人生の一つのエピソードとし、それを受けて人がどのように
かわっていくのか、多くを語らず、人を非難せず、簡潔に軽く明るくまとめ見守っている所に
監督のあたたかさを感じます。
この中でのヒーローは名も語られないドイツ兵になるのですが、
ほとんどドイツ兵の情報は語られていませんし、助けられた4人が彼に対して
どう思っているかも語られていません。
ですが、このドイツ兵と穴に入れられた4人のやりとりは、短い会話だと思いますが、
5人の人間の人の良さを垣間みる、短いながらも信頼に満ちた美しい
コミュニケーションだったと思います。これを感じさせる
人間味あふれる出演者と監督の演出はすばらしいと思います。
以前「ピエロ」を職としていたドイツ兵。
物語の展開から、人を楽しませるために、希望を与えるためにピエロを職にし、
それを誇りにしていたと想像できます。
戦争という状況下で、人に希望を与えるために、また「ピエロ」になり
死んで行ったドイツ兵は信念を貫いた悔いのない人生だったと思います。
最後のエンドロールの曲(シャルルトレネ:「喜びの歌」)
で理由はわからないけど、なぜだか泣け、
「ああ、映画をみてよかったな…」ってかみしめてしめてしまうおすすめの映画です。
シャルルトレネ:喜びの歌
http://www.youtube.com/watch?v=dGyj0eHsC8E
【あらすじ】
小学校教師のジャック(ジャック・ヴィユレ)は、毎週日曜になるとピエロの格好で公民館の舞台に立ち、人々を笑わせていた。息子のリュシアン(ダミアン・ジュイユロ)はそんな父親を嫌がるが、ジャックがピエロを演じるのには深いわけがあった…
最後に、ジャック・ヴィユレは2005年1月28日亡くなられたので、もう彼らの素晴らしい演技は
みることができませんが、この作品はいつまでも私に希望を与えてくれています。