長男と同じくらいの背格好の男の子がママチャリに乗っているのが見えました。よく見ると、ジュニアシートも何にもついてない後部座席に、次男くらいの背丈の弟を乗せてます。
お兄ちゃんは真っ赤な顔をして、ふらふらしながら自転車をこいでいて、弟は、そんなお兄ちゃんの背中にしっかりしがみついていました。
二人のその必死な表情を見ただけで、ちょっと胸にぐっとくるものがありました。
それを見た、長男が、
「あいつ、知ってる。同じ学校だよ。問題児でね、いつも先生に怒られてばかりいるんだよね。なんか見た目もこわいし、不良みたいだから、いやだなと思ってたんだよね」と。
「でもさあ、ああやって、後ろに弟乗せてあげるなんて、優しいお兄ちゃんなんだね。長男はできる?」
「できるわけないじゃん」
「そうだよね。あのママチャリも、あの男の子が乗るには大きすぎるし、後ろに子どものせてこぐのは、大人でも大変だよね。しかもここは坂だよ。」
「人って見かけによらないんだなあ」
「ほんとだよね、普段見ているお友だちは、一つの方向から見た一面に過ぎないからね」
と、いうような話をしました。
長男は苦労知らずで育ってきたので、苦労をして、性格がひねくれたりする子の気持ちはきっと自然には分からないでしょう。
だから学ばなければならない。
目に見える行動だけでなくて、その裏側にある思いや、気持ちを、想像できる人であって欲しいと思います。