幼稚園が終わってから、二人で観に行きましたが、公開間もないというのにほぼ貸切状態。
でも、本当に良かったんです。
動物好きな子にはもちろん、動物には興味がない子にも、ぜひ観て欲しい!
回し者ではありません。
以下、ネタバレです。
今回の映画は、ダーウィンが来た!の開始以来の総集編という作りになっているようです。
主にサバンナで強く逞しく生き抜く動物に長期密着して、その成長を追っています。
最初の主人公は百獣の王と呼ばれる雄ライオン、ウィリアム。
取材班は、ウィリアムが生まれてすぐから取材を始めます。
ライオンは、雌が狩りをします。雄は縄張りの見張りが担当で、狩りをすることはおろか、手伝うこともせず、雌が獲物を捕らえると真っ先にその肉を食べるそうです。
ライオンの話とは言えモヤっと。。
だから、雄であるウィリアムもその兄弟たちも狩りの仕方を母に教わることもないまま、月日が過ぎ去っていきます。その間、同じ時期に生まれた姉たちは狩りの練習を始めます。
最初は木登りも上手くできなかったウィリアムですが、姉たちが母に代わり狩りをするようになった頃、危なっかしいながらも木に登れるようになります。そして、姉たちが捉えた肉にくらいつくウィリアムとその兄弟を、ある日、父が襲うのです。
ライオンは成人となった雄を自分の縄張りを脅かす敵と見做すのだそうです。
追われたウィリアムとその兄弟は、三匹でサバンナを放浪することになります。
ウィリアムら兄弟はそもそも狩りの仕方も教わっていないため、歩けども歩けども、満足に餌にありつくこともできません。それどころか、水を飲むことさえも、自分の縄張りがなければままならない状況。
狩りをしようとしても、狩りをしたことのないウィリアムに捕まるほど相手も鈍臭くはなく、仕方なくどこかの動物が食べ残した肉に群がる日々。
ある日、土の中に隠れた動物を見つけたウィリアムたちは、何とか捉えようとしますが、上手く捉えられずに逃げられてしまいます。
縄張り争いをしても、負けてしまう日々に、兄弟たちともいつのまにかはぐれてしまうウィリアム。
そんな時、雄を病気で亡くした雌ライオンと子供の群れに巡り合います。
雌ライオンは狩りをした餌を分けてくれ、二匹はいい雰囲気に見えます。
しかしある日、一匹の雄がウィリアムの前に現れます。この雄は、何と雌が引き合わせていたのです。どちらが群れの王として相応しいのか、ウィリアムを試していたのです。雌と縄張りを獲得するための負けられない戦いが始まり、死闘の末、勝利します。
ウィリアムはようやく自分の縄張り、群れを勝ち取り、百獣の王となるのでした。
雄ライオンを亡くし、子どものライオンを六匹も連れた雌ライオン、ナイラも取材班は追っていきます。
縄張りを持たないナイラも又、子どもを連れて放浪生活を余儀なくされ、しかも子どもたちが小さいために狩りにも帯同せねばならず、せっかくトムソンガゼルなどを捕まえるチャンスも、子どもたちが飛び出したり、騒いだりすることで上手く捕まえることができません。
水にもありつけず、夜露を舐めたり、ほかの動物の食べ残しで飢えを凌ぎます。
しかし、子どもが飛び出すことを逆手に取り、子どもとナイラで敵を挟み撃ちにする作戦を思いつき、ようやく食事にありつくのでした。
同じくアフリカの森林で暮らす、ニシローランドゴリラの6歳の雄、ドドには片腕がありません。
3歳の頃、母と共に外部の雄ゴリラに襲われ、母は殺され、ドドは片腕を失ったといいます。
研究者はドドは野生では生き延びることはできないと考えました。ゴリラは木に登らなければ餌を取ることかできないからです。
しかし、3年たった今も、ドドは元気よく生きていました。
お父さんが、木登りをしてドドのためにたくさんの植物の葉や木の実を落としてくれていたのです。
ニシローランドゴリラは、とても高いところまで木に登ります。片腕を失って三年ほどは、ドドにはそれができず、常に下に落ちる木の実を探していましたが、ある時ドドも脇を上手く使って片腕で木登りをし、葉や木の実をもぐようになりました。
片腕がなくても、ドドは立派にサバンナで生きていけるようになったのです。
映画を見て、当たり前ですが動物にも人間と同じ感情があることを感じました。
父に群れを追われたウィリアムは、とても戸惑った表情をしていましたし、腕のない我が子が群れの移動から遅れをとっている時、お父さんゴリラはチラチラと心配そうに子どもを見ていました。
サバンナで野生で暮らすとは、何と厳しい世界でしょうか。日々を食うか食われるかの瀬戸際で生き抜く動物たちに比べれば、人間の苦労なんて、と思います。
次男は特に自分と同い年のゴリラであるドドに感情移入したようです。
腕がなくても、人と同じように木に登り、餌を食べれば昼寝もする。
腕がないことを言いわけにせず、生きるためにチャレンジをするドドに心を打たれたのかもしれません。
百獣の王と呼ばれるライオンさえも、初めから強いわけではない。
みんな失敗しながら、学びながら強くなっていくその姿に、人間と同じなのだなあと、感動しましたね。
特に男の子って、弱いじゃないですか。身体もそうですし、メンタルも弱い子が多いですよね。
ライオンのお父さんは、大きくなれば、子どもを攻撃してまで群れから追い出すのに、人間は、いつまでたっても子どもを離さず、守ろうとする親が多いですね。
でもそれは、やっぱり、自然の摂理に反するのだろうなと、改めて思いました。
立派な百獣の王となったウィリアムに、男子の親として色々な思いを感じました。