なぜ中学受験は人生の役に立つのか | 0歳からの早期教育@西洋占星術&九星気学/25年中学受験

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あらゆる早期教育、教育法を試して子どもにぴったりの接し方や、育て方を日々考えています。勉強中の西洋占星術&九星気学の視点からもより良い教育、子育てを考えてます。

こちらの本を読みました。

斎藤孝さんは有名ですが、西村さんは存じ上げず、調べてみたら有名なプロ家庭教師の方なのですね。

西村さんが主催されているこちらの名門指導会のサイトに、塾ごとの特徴と親のサポートの仕方があります。これから通塾を考えている方は塾選びの参考になるかもしれません。

こちらの本の著者なのですね。タイトルは聞いたことがあります。


長男には今のところ通っている塾が合っていて、授業中はお友だちと競うように手を挙げ、発言し、楽しく授業を受けているようですが、この先さらに進度が進んで付いていくことが厳しくなった場合、確かに塾は再考しないといけない場合も出てくるのかもしれませんね。

下克上受験のヒットにより、「塾ナシで難関校に合格」する夢を世の小学生の親に抱かせたかもしれませんが、現実問題、西村氏のおっしゃる事によると特に難関校を狙う子においては、「通塾は当たり前で、通塾に加えて家庭教師をつけるか否か」について検討する時代になっているようです。

何故かというと、20年前の難問が、今の標準問題になっている現状があるそうです。
今は大学受験も様々な試験方法が選べる時代、実質的に試験の難易度が下がっているこの状況において、中学受験だけが難化の一途を辿っている。

それは一重に中学受験塾の研究によるところが大きいようで、その年の難問は必ずよく年のテキストに組み込まれ、受験生は勉強することになるため、その繰り返しにより問題は細分化され、結果難しくなっていくそうです。

難易度というものは需要と供給の問題で変えざるを得ないでしょうし、それだけ中学受験をさせる家庭が増え、また難化する問題に対応できる子供が出ているということなんでしょうね。


ちなみにこの本を読むと、西村氏に家庭教師をしてもらいたいと誰もが感じると思います。仕事ですからそう思えるように対談を進めているはずですが、お値段を見ると西村氏ではない他の講師の方でも1時間8600円に加えて交通費は別。

塾だけでも受験生ともなれば相当な家計の圧迫なのに、加えて家庭教師を頼むことが許される経済力がなければ、普通の子は難関には受からないと言っているような論調にも感じ取れてしまい、つくづく中学受験は親の代理戦争、と揶揄されてしまうのも納得だな、と思ったのでした。


ただ、実感としては確かにすでに三年の時点でさえ、トップクラスの子達はメインの塾以外にもサブで他の所で算数の講義を取っている気がします。

スケジュールの問題もあるし、宿題も二倍になり、何よりよく子供の気力と体力が持つな、と思いますが、難関校狙いで行くなら現実問題、やってやり過ぎるということもないのでしょうね。。


 本の中でさまざまな話をしているのですが、私が印象的だったのは、二人とも中学受験を非常に肯定されていることです。

仕事柄、そうだろうとは思うのですが、一寸の隙もないほどに受験を前向きに捉えており、中学受験をすることがいかに仕事において役立つのか滔々と語っておられます。

本のタイトル上、そうなるのも致し方ないのですが、お二人が対談の中で取り上げるいわゆる「頭のよくない人間」にしっかり自分が当てはまっていて、何とも言えない読後感がありましたよ。

文中、「ほとんどの人がそうですよ」と話されていますが、その中には自分たちは入っていないんですよね。よくあります、おじさんたちのこういう会話(笑)

橋下さんが大阪府知事だった頃、確か学生との意見交換会で、経済的に厳しく私立高校には行けない女子が、自分のような家庭の子でも私立に行けるように配慮して欲しいという趣旨のことを発言していたのですが、橋下氏の回答はもちろん、私立ではなくても公立でもいい学校はありますというものでした。

でも現実として、こちらの本で語られていることは中学受験をした人間としない人間では人生これ程までに違って来ますという話で、それならばやっぱり経済的なことが理由で中受ができない人がいる事実は不公平と言わざるを得ず、公立でも、、と当時橋下氏が言ったことは詭弁ではないかと感じます。

本の中ではそうしたことについては、一切触れられずに中受で培われる頭の良さについて語られているので、若干の温度差を感じてしまいました。

ただ、さすがにプロのお二人だけあり、内容はとても納得できることばかりでした。
特に小学生を教えるにあたり、マインドセットが必要という部分。

これはまさに、私が長男と勉強を始めた時から意識していたことでした。

これがスムーズに行くかどうかで、その日の勉強が上手くいくかが変わりました。特に長男はへそ曲がりで、今日も「俺は指図されるのは大っキライなんだー!」と喚いていましたから。なので、指図していると思われないように上手く状況を持っていかねばならないのです。

そして、頭のいい人が字も美しいというのは私もそう思います。美しいというより形が整っていて、その中身も体系化されている。夫が資格の勉強のため本人曰く、書きなぐったというノートはすごく読みやすくきれいで、まとまっているのです。思考がまとまらない私とは違って、やはり頭の中の整理された状態がノートにも現れるということなのでしょうか。

先天的なものもなくはないでしょうが、おそらく勉強量に比例する部分もあると思います。数をこなすことで、字もそうだし、ポイントを掴む力に長けてくるのでしょうね。

以下、内容です。


【一章 】頭がいい」とはどういうことか

頭のいい子は自分の枠組みの中で物事が考えられる。キーワードは枠組み、納得感、体験。

呼吸の浅い子はミスが多い。

きれいなリビングではなく、子供が散らかしたり自由に動き回れるリビングである方が子供は伸びる。

教育と学習を混同しない。学習には自由な発想が大切だが、教育は規範の伝達なので厳しくあるべき。

親の感動が子供に伝わる

母親が感情に巻き込まれないために、箇条書きをすすめている。
⇨自己肯定感が低い子供にも、長所を具体的に箇条書きにしてあげることで効果がある。

体験の意味を子供に伝える。
体験の意味が掘り下げられないまま、ただそれをやりましたではつまらない。そこから引き出した意味があるから次に繋がる

促成栽培した野菜や果物が美味しくないように、極端な右脳教育を受けた子に明るい未来はない。
右脳教育にしろ、速読の訓練にしろ、混乱したケースについては報道されない。
うまくいくケースもあるが、いかなかった時のダメージは大きい。

早期教育と習い事は違う。身体を使ったり芸を身につける習い事はみっちりやらせても問題はない。


第2章 】読み書き算盤は一生ものの武器になる


書く力は学力と連動している。
速く正確に書けるかで大学のレベルが決まっている気がする。


一年生から二年生は鉛筆がきちんと持てて字を速く正確に書けるが最重要課題。
勉強の能率にも関係する。

速音読のすすめ。
速く正確に読み、かつ感情の抑揚をつける。
⇨俳優堺雅人の台詞のような読み方

お母さんは子供の勉強に付き合うのではなく、質問してあげるのが仕事。

算数の文章題では、何を書けばわかりそうな気がする?と聞いて思考を整理するのを手伝う
母親の決め台詞を作ることで、子供が自分の頭で道筋を作り、それは勉強以外でも応用される

小学生を教えるためには学力だけではダメで、勉強以外の雰囲気、マインドセットが必要。

教える側の表情の作り方から考える。
一回臍を曲げると上手くいかないのが子供。

【第3章 】家庭教師のテクニックに学ぶ教える技術

昔は自由自在を何度も繰り返し御三家に受かったなどと言う親がいたが、今はほとんどいない。


早く結果を出すためには範囲を絞り勉強するのもあり。結果が出やすいところから手をつけ自信を持たせる。

難問を解く時のゴチャゴチャになった問題に耐えて目標を実現するメンタル力は仕事でも必要。
上り調子の子供の口癖は「先生、ちょっと待って」ヒントすら嫌がる子もいる。
頑固ではなく自分の力に期待している。


クイズ王は頭の良さと関係ない。
クイズはドンピシャの答えを探すだけで、考える力は身につかない。良問はもっとファジー。

立体図形は性差があるが、だからといって大きな差ではなく、女子も勉強により十分埋められる。
以前は高学年になると男子が伸びてくると言われていたが、最近は小学校から大学まで女子の方が成績がいい。

勉強は忍耐強く机に向かうものだから、女子向きと言えなくもない。昔は女子に対する勉強の要求が低かったからではないか。
求められているかどうかで、人間の能力は違ってくる

しかし女子の教育に力を入れればいれるほど、少子化晩婚化が進むという矛盾。


夫婦の仲の良さが学力に影響する

勝ち抜いてきた理系の父親が理詰めで子供を追い詰め、文系大学の母親が必死で庇うパターンが多い⇨父親が勉強にタッチするのは危険。妻のサポートに徹するべき。激昂しない父親なら大丈夫

公文式の弊害
長くやり過ぎると、算数とは計算するものと思い込むようになる。機械的な反復作業を算数と考えるようになると、ある段階から伸び悩む。
公文式は二年程度を目処にするべき。

逆算思考と腰折思考

これのためにこれがわかる必要があると考えられない子は諦めやすい子。それは大人になっても続く。
ネガティヴ思考は思考の癖。思考のど素人で、ポジティブ思考を技として身につけることのなかった人。

受験生は可哀想か
⇨学力をつけずに社会に出す方がもっとかわいそう。苦手なものから逃げずに取り組む。やるべきことをやる習慣。計画をたてて勉強を進める力。そうした訓練は人間に必要。

楽をさせたいからといって子供から受験の機会を避ければ、ストレス耐性を磨く機会を奪われる。

勉強が人間性に悪影響があるなら、東大、京大の人間は犯罪者が多いはずだが、そうはならない。勉強はスポーツや芸術に負けず劣らず人間陶冶に役立つ。