私が大学にいたころの教授回診はいたってのんびりしておりました。
教授の人柄にもよりますが、
あまりものものしい教授回診というのは実際にはあまりなさそうです。
ただ、
教授回診のときに患者がとんでもないことを言うと、
大恥をかくので、
患者には前もって答え方のリハーサルをしておきます。
どうせ教授は患者のことはほとんど何も知りませんから、
その場が適当にしのげればよいのです。
「大谷さん、具合はいかがですか」
「とてもいいです。でも、ときどき40度ぐらいの熱が出ます」
「主治医、どうなってんですか」
「すみません、原因がよく分からなくて。今検査中です」🩻
「主治医としては何を疑っているんだね」
「シーエー(癌)だとは思うんですが、どこから出ているかがよく分かりません」
「メタ(転移)してるのかね」
「はい、全身に」
「ケモ(化学療法)しかなさそうだな」
「ゼク(死亡した後の解剖)しないと分からないと思います」
「ゼクしかないかね」
「はい、そう思います」
じっと話を聞いていた患者が口をはさみました。
「あのー、先生、すみませんがそのゼクとやらをやってくれませんか」
教授以下一同、
目が点になってしまいました。👀→・
これほんとにあった話です。
上野の五月(さつき)フェスティバルです。
お花は良いよね