習字教室は、
結局、
生意気なヤツを文鎮で殴ってやめる事になってしまったのですが、
こいつさえいなければ私はもっと習字が上手になっていたかもしれません。
かえすがえすも許せないヤツです。
もっともヤツにしてみれば、
文鎮で頭を殴られて死にそうになったと思っているでしょうから、
私以上に許せないと思っていることでしょう。
親が血相を変えて怒鳴り込んできたのには驚きましたが、
ひたすら謝っている母も情けないと思いました。
何事にも原因と結果があるのです。
これを因果律と言います。
そんなことはどうでもいいか。
とにかく母が無意味に謝るのは間違っていると思いました。
「どうしてうちの子がそんなことをしたのでしょう?」
ぐらいの突込みがあってよかったんじゃないかと思いました。
私も好きこのんで何の恨みもないヤツを文鎮で殴ったりいたしません。
理由があるから殴ったのです。
あいつは私立武蔵中学という進学で有名な学校に通っていました。🏫
それが自慢で仕方なかったようです。
それはそれでよいのです。
何を自慢しようがその人の自由です。
それを聞いて妬ましかったり、
ひがんだりするかもしれませんが、
ひがむ方も悪いのかもしれません。
しょせん自分とは関係ないのですから放っておいたらよかろうと思います。
こいつが許せなかったのは私の中学をコケにしたからなのです。
「お前の中学と、動物園のサルとどっちが利口かな」🐒
などとほざいておりました。
「サルよりも段位が低いのはだれかね」
と言い返しました。
当時私が二段、
彼が一級だったからです。
「習字なんかできたって自慢になるかよ」
「じゃあ、てめえなんで習いに来てるんだよ。帰れバカヤロウ」
これですめば何事もなかったのですが、
ヤツが、
私が邪魔をするので習字ができないとはげちゃびんの先生に言いました。👴
「おとなしくお習字をしましょうね」
と先生は私に言いました。
先生は墓場に片足を突っ込んでいるような死にかけた人だったので、
何を言われても頭に来ませんでしたが、
自分が困れば人に言いつけるという卑怯なヤツを許してはいけないと思いました。
文鎮で頭を軽く小突くつもりだったのですが、
文鎮は重たいものですから勢いがついて奴の脳天に激突してしまいました
ヤツはひっくり返って気を失ってしまいました。
これはヤツの演技だったと今でも思っていますが、
いくらなんでも気を失うほど強く殴ったはずはありませんでした。
ところが大騒ぎになってしまって、
救急車を呼びました。🚑
えらいことになってしまいました。
私は習字どころではなくなってしまったので家に帰りました。
せっかく塾ではおとなしくしていたのに、
あいつのために人間凶器みたいに思われてしまいました。🔪
それからは習字に行っても誰も近寄ってこなくなったので、
とうとうやめてしまいました。
それからしばらくして道で彼に会いましたが、
元気そうにしていました。
もうケンカを売るつもりはありませんでしたが、
彼は走って逃げてしまいました。💨
やっぱりあれは演技だったんだなと確信いたしました。
新宿御苑の八重桜です。
今が見頃だと思います