今から2年ほど前の、2022年のこと。

私はその1年ほど前の2021年6月、とある事情によりそれまで勤めてきた会社を去りました。

地元の定時制高校を卒業し、それからアルバイトを転々としていた私は、23歳でとある会社に就きました。

その会社は、全国に百貨店を展開する、棒スーパーマーケットチェーンでした。

何も資格を持たない、まじめが取り柄だけの私に、先輩方をはじめ周りのスタッフはとても親切に丁寧に仕事を教えてくれました。

それから7年ほど経ちだいぶ仕事にも慣れてきて、後輩たちにも仕事を教えられるようになってきた頃のこと、ある同僚(以下この同僚はFとする)が、私にお金の無心をしてくるようになった。

Fとは仕事上同じ時間にかかわることもあり、仕事の空いた時間などで世間話などをしたり帰る時間が合えば途中まで自宅に送ったりする間柄だったのですが、とある月末に彼から給料前で手持ちがない、給料が入ったら返すから5百円でいい、貸してくれと言われました。

私は返してくれると言ってるし、それに切羽詰まってるんだから仕方ないかなと貸すことにした。

ところが約束の給料日になっても彼は返してくれず、彼はそんな踏み倒すような奴じゃないと信じたかった私は彼自身から返してくれるのを待ちました。

しかし、その翌月もまた同じように彼は私に金の無心をしてきて、どうにも待てなくなった私はその際に彼にお金を返してほしいと催促をしてみました。

すると彼は、実は給料は生活費や自分のケータイ台のほか、離れて暮らす親が使うケータイ代の支払いに飛んでしまったと生活が苦しい事を訴えてきた。

そのため、お人よしで世間知らずだった私は彼に同情し、お金を返してもらわないうちにまた貸してしまいました。

気づけばそんな貸し借りは3年ほど続き、その額も膨れて行きました。

ですがある時を境に、彼からお金の無心が急になくなりました。

私は、彼を疑う自分の気持ちに嫌気がさしていたことと、そんな私の気も知らず無心してくる彼に不満もあったため、これでもう関わらないならそれでいいと関わらなくなっていきました。

そうしてその会社に勤めてから16年たった3年前、私はとある事情により会社を辞めました。

そしてその翌年の5月に地元で展開するスーパーに勤めることとなりました。

しかし、始めこそ周りのスタッフや上司は私に親切に教えてくれていたのですが、私が入社して2、3週間した頃、そこで働く先輩スタッフとたまたま同じタイミングで店の外で会いました。

先輩は、私はとても真面目だし前の職場で必死になって技術を磨いてきたということが日々の仕事ぶりを見てると分かるけど、この会社は我々スタッフには研修などの技術向上の機会はないし、何より周りのスタッフには気をつけてと私に伝え、自分は来週にも辞めるのだと周りを気にしながら私に告げた。

その翌週のある日、その先輩は無断欠勤をし、そのまま会社を辞めていきました。

私は先輩の言葉の意味がよくわからずにいたのですが、入社して半年ほど経った11月頃のこと、その日は上司であるチーフはお休みで、作業場はサブチーフが取り仕切っていたのですが、12時過ぎたくらいに私はそのサブチーフに呼ばれました。

私はなぜ呼ばれたのか分からないままサブチーフのもとに行ったのですが、開口一番にサブチーフから作業の遅さやそのため如何にチームに迷惑をかけているかなど30分ほどかけてこんこんと言われ続けました。

その内容が以下の通り。

「あのさ、私さん?あなた経験者でしょ?俺も店長から話を聞いてるんだけど、あなた前の店で一通りやってきたって言うから、俺とかチーフもそのつもりで仕事振ってんの。だけどさー、予定時間より1時間近く遅いし、あなたにいろいろやってもらわなきゃ困るんだよ。それにさ、あなただけが特別仕事が多いわけじゃなくて、みんな同じように仕事振って、それでもみんな予定通り仕事終わらせてんの。時間かけてやってないでさ、ちゃっちゃと仕事してよ。」

私はなぜこんなことを貴重な時間を30分もかけて使って、そしてチーフでもないこの人に言われなきゃならないのか分からず、ずっと不思議で話が全く入って来なかった。

そうしたことがたびたびあった、翌12月のこと。私たちスタッフはその日のスケジュールを終え、作業場の掃除をしていた時、バックヤードを整理していたサブチーフが突然そこらにある台車やらを蹴り始めた。

その音は作業場まで聞こえ、みんな何が起きたのかとびっくりしていたのだが、チーフはどうやら事情を知っているらしく、バックヤードで台車を蹴っているサブチーフに蹴るのをやめるように言った。

するとサブチーフはすごい剣幕で私に詰め寄ってきた。以下その時のサブチーフの発言。

「おい、昨日発送用の発泡スチロールをここに片付けたのはアンタ(私)だよな?てめぇがちゃんとやらねえせいで今朝、俺が怒られたんだぞ!ふざけんじゃねぇよ!ちゃんとやれよ、ボゲナスが!」

確かに、前日発送用の発泡スチロールをバックヤードに片付けておくように言われたのは私ですが、その発泡スチロールの量が予定より多く、高くなりすぎて崩壊の危険があったため、私は積む量を少なくして少し広げて置いていたのでした。

ただ、その場に私と一緒にいたチーフは、実は今朝私たちが出勤する前にバックヤードから台車を持ってくる際に少し難儀したらしく、発泡スチロールを少し寄せてたら良かったとの旨をサブチーフに言ったらしく、別にそれは不満とかお叱りとかではなく、ただの軽いジョークのつもりだったらしい。

しかしその言葉になぜ自分がこんなことを言われないといけないのかと憤りを感じたサブチーフは今になって不満が爆発したということらしかった。

ただ、彼の私への言い方や詰め寄りかたが問題だったらしく、チーフは彼の私への恫喝とパワハラということで店長に報告をしたと後から聞きました。

ですが、このことをはじめ、サブチーフの私へのパワハラはますます加速し、ついには私に口をきかないようになり、だんだんと険悪な感じになっていきました。

ここで私と彼のスペックを書きます。

私は40歳のただのスタッフで独身街道まっしぐら民、彼は私より年下の33歳でアルバイトから上がってきた正社員。未婚。

チーフ、58歳の既婚者。自宅は職場から遠く、車で片道1時間半くらい。私の作業に決して早くやれとか言わず、分からないと言えば丁寧に教えてくれ、黙って私の作業を見守る人。決して感情的にならない上司。

そしてサブチーフとの職場での関係が険悪になっていった、年明けの3月、社内の人事異動によりチーフが異動することとなり、新しいチーフが来ることとなった。

新しいチーフは、はじめこそ私があいさつをすると俺くん、おはよう!と声をかけてくれていたのですが、それが1ヶ月半ほどすると、だんだんと声をかけてくれることもなぜかなくなっていきました。

そしてスケジュール通りに作業が進んでないとなれば、私の午後からの作業を他のすでに作業が終わっているスタッフに振り、私から作業をなくしていきました。

なるべく残業を減らし、時間内にみんな帰るような段取りを考えたらそれが妥当な判断というのは分かりますが、仕事を奪われた気がして私は虚しく感じました。

そしてチーフがいない日には、サブチーフから相変わらず今からでは間に合わない無茶な量の仕事を押し付けられ、他のスタッフもそれぞれの持ち場の清掃を終えて帰るなか、サブチーフは自分も帰るからあと30分以内に作業を終えて自分の持ち場の掃除をして帰れと、私一人残して帰ってしまいました。

また、時期的には少し前に戻る話なのですが、相変わらず作業が遅かった私は、午前中には作業が終わらず、昼過ぎまでかかってようやく終わった時、サブチーフからアンタは自分のせいで昼時間が遅くなったんだ。どう責任取るの?と言われ、私は休憩時間を15分にして午後は予定通り1時から作業を開始しますと伝えたところ、サブチーフはそうしろと言ってタバコを吸いに行きました。

そして午前中の自分の作業場の片付けをしてお昼に行くとき、ちょうど先輩スタッフたちがお昼から帰ってきて、なぜ私がまだ作業場にいるのかと聞いてきました。私はことの顛末を先輩スタッフに説明すると、それは作業が予定より遅くなってしまった私さんが悪いかもしれないけど、でもそれ問題にならないか?ちゃんとサブチーフに謝って1時間しっかり休憩取れるようにしてもらったほうがいいと言われて私はサブチーフの元にいき、作業が遅れてしまったことを頭を下げて謝りました。

しかしサブチーフは弁当を食べながら言いました。

「だってさ、アンタが15分でお昼とって作業に戻るって言ったんだろ?だからあと10分で昼とって1時には作業に戻ってください。」

結局私はサブチーフの指示通り10分で持参した弁当を食べ、1時には作業場に戻ったが、この時食べた弁当の味など固いか柔らかいかなど含め、何の味もしなかった。


そんな嫌がらせにも取れるサブチーフや新チーフとの関係、それとこの頃にはまわりのスタッフからも私の作業の遅さに不満を持つ人も出てきて、私はもう精神的に限界でした。

そして2023年の5月、私はサブチーフと話をすることすら精神的につらくなり、情けないことではありますが親から会社に電話をしてもらい、親がその日責任者代行をしていたサブチーフに私が体調不良により休む旨を伝えて電話を切りました。

その電話の際、サブチーフからは私への体調の心配やすぐ復帰できるのかなどの心配の声はなく、ただ明日その診断書を持ってくるように伝えてくださいとのことだけだったという。

そしてその日の午後に親は直接店長に電話を入れ、私が本気で会社を辞めたがっているとの意思を伝えました。

店長は、今日作業場に私がおらず、聞けば休んだと聞いて大変心配したと言っていたらしく、翌日少し落ち着いた私は、店長に直接話がしたくて電話しました。

店長はすぐに電話に出てくださり、何度もすまない、申し訳なかったと涙声まじりに伝えてきた。

そして私が入社してからのこれまでのことを1時間以上かけて話すと、あのバカども...と電話越しにもその怒りっぷりがわかるほど震えた声で憤っていました。

そして翌日の、スタッフが皆いなくなる午後7時頃に退職の手続きを一緒にしようと提案してくださり、私は了承しました。


それから私は今、駅近くの総合病院に通っています。

あとからの診断で分かったことなのですが、私は発達障害らしく、注意障害というものらしいのです。

先生の判断によると、私は生まれつき注意力が欠けていて、そのため一つの作業をしながら別の作業ができなかったり、特にコミュニケーションの心情の変化などが人より乏しく、つまり極度の緊張状態では冷静でとっさの判断ができず、自分を傷つける人には無意識に警戒、関わりたくないなど意識の排除をするといったものでした。

そして私はいま、在宅ワークのできるソフト開発やシステムエンジニアの資格を取ろうと職業訓練に毎日頑張ってます。そして近く、家族が立ち上げる事業を支えられるよう屋内クレーンやアーク、ガス溶接の資格も取って、事業を拡大させて二度と私のような苦しみを作らない社会規範となる会社を築き上げていきたいと思います。