スペイン語+英語(・洋書、映画と東京散策) por YYT-女を愛せない男

2月1日にスウェーデン映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」をヒューマントラストシネマ有楽町で見て、この作品がR-18指定が当然のかなり猟奇的な映画ながら(実際にはR-15指定)、サイコ・サスペンス・ミステリーとしては「羊たちの沈黙」を遥かに凌ぐ稀に見る傑作だと感じ(ラストの救いが素晴らしい!)、この「ミレニアム」シリーズに興味を持ち、スウェーデンの発の世界的ベストセラーである原作を物凄く読みたくなりました。

で、第二作の「The Girl Who Played With Fire(邦題:ミレニアム2 火と戯れる女)」(英訳版)→「Los hombres que no amaban las mujeres(直訳:女を愛せない男/邦題:ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女)」(スペイン語翻訳版)→「The Girl Who Kicked the Hornets' Nest(直訳:スズメバチの巣を蹴った女/邦題:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士)」(英訳版)、の順に原作を読みました。
#第二作の英語が非常に平易だったので、もしかしてスペイン語でも読めるのではと思い、2,000円台の廉価版がでている第一作をスペイン語翻訳版で読もうと思いました。(そして、それは正解だった)

この「ミレニアム」シリーズへの評価ですが、2月1日に映画を見て以来、このシリーズに触れていたこの2ヶ月は至福の期間だったなと感じています。

この「ミレニアム」シリーズの全体を貫くテーマは、第一作のスペイン語翻訳版のタイトルである「女を愛せない男」です。(スウェーデン語のオリジナルのタイトルはもっときつい「女を憎悪する男」です) つまり、女性を「Whore(娼婦)」としか見ることができない可哀相な男たちの系譜をさぐった物語で、第三作のクライマックスの法廷ドラマで、それまで暴力の限りを尽くして来た男たちに鉄槌がくだります。(女性たちはこのクライマックスを読んで胸がすくんじゃないかな) それほど見事な法廷劇でした。

さて、このシリーズ三作は、三作品ともすべて味わいがまったく違います。第一作は約40年前の美少女失踪事件を追った「羊たちの沈黙」のようなサイコ・サスペンス・ミステリー、第二作はヒロインが危機また危機に陥るジェットコースターのような素晴らしい警察小説、そして第三作はジョン・グリシャムも真っ青の見事な法廷ドラマでした。それぞれすべて見事な出来映えですが、あえて私の好きな順番をつけると、第一作(映画・台詞:スウェーデン語)>第二作(原作・英訳版)>第三作(原作・英訳版)>第一作(原作・スペイン語翻訳版)、です。
#映画(第一作)は美少女失踪事件に焦点を絞り、原作をよく刈り込んでいる!

このシリーズが素晴らしい理由は、とにかく登場人物たちの掘り下げかたが半端じゃないからだと思います。
#実際にスウェーデンに存在している人たちかと勘違いしてしまった。

最後に、第二作と第三作は、二作でひとつの作品です。第三作はかならず第二作を読んでから読んでください。(第一作は独立した作品です)