優秀作品
「 極 」
(天 位) 極論を言えばどこかに角が立つ (重藤浩恵)
(地 位) 淋しくて極彩色に塗り潰す (北川拓治)
(人 位) 私の北極星を見失う (大石洋子)
「ふらり」
(天 位) 居酒屋へふらり人間とり戻す (牧野ねえね)
(地 位） ご指名のないのがふらりやってくる (江尻容子)
(人 位) ふらりふらりまだ独り身がいいらしい (牧野ねえね)
「失 う」
(天 位) どんと来い失うものは何もない (日野孝多)
(地 位) 人間がいつか地球を失うぞ (大島忠成)
(人 位) おもちゃ箱失ってからの別れ道 (高畦れもん)
「泳 ぐ」
(天 位) しばらくは泳がせておく反抗期 (鳥越 舞)
(地 位) 父の背は鯨泳げる程広い (北川拓治)
(人 位) 泳ぐ気のないパラソルのビキニ (山崎寿々女)
「怖 い」
(天 位) スーパーで自己診断の薬買う (浅野美代子)
(地 位) 神様が人間怖いと言っている (北川拓治)
(人 位) 妻以外この世に怖いものはない (北川拓治)
「 舌 」
(天 位) まだ舌は妻の甘さを覚えてる (牧野ねえね)
(地 位) オレオレの舌が縺れる塀の中 (大島忠成)
(人 位) 空振りが増え少年の舌足らず (遠藤哲平)