優秀句
「坂」
天 試されているのか坂に椅子が無い(牧野ねえね)
地 饒舌がいつしか消える上り坂(高杉究作)
人 極楽へ近道という寺の坂(北川拓治)
「水」
天 露と化す前は立派な水でした(永見心咲)
地 あの日から妙に濁った井戸の水(蛙鳴)
人 無味無臭人をあやめた日の水も(真神昌子)
「情け」
天 フラスコの底に貯まっている情け(永見心咲)
地 なさけには弱い枕を干している(北川拓治)
人 情けない顔ですこっぴどくフラれ(牧野ねえね)
印象吟
5点句
ガザ地区に椀はあれども飯はなし(染野修一)
4点句
肩書きが邪魔して使えない器(牧野ねえね)
夏の陽に当てると匂い出すハワイ(牧野ねえね)