川柳塾11月号百川集 | 川柳と俳句 遠藤哲平ワールド

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五七五 わいわいスターズ マジック ゴルフ……

        遠藤 哲平選  上

(塾生以外の方に2回に分けてお届けします)

 

アメリカ大統領選挙が終わりました。トランプという稀有の役者が盛り上げてくれてそれはそれは面白い劇でした。世の中には私らの想像もつかぬ人間がいるということを知りました。その余韻の冷めやらぬ中皆様の作品を独断と偏見で塗り固めてしまいました。独りよがりの哲平選をお読みください。

 

アリバイが無い日が続くもう三日       柴田夕起子

コロナのおかげでもう三日も家に閉じこもったまま。「柴田さん、昨日パチンコ屋に行った?」なんてあらぬ疑いを掛けられてもアリバイが証明できない。いつもなら句会があったり友達とランチしているのに。コロナのバカ。コロナとは言ってないがコロナを表現している。上手い。

逢いたいが私とわかるでしょうか       井上早苗

 卒業以来の同窓会。赤い夕陽が校舎を染めた、ころからウン十年。乙女心を密かに燃やした彼は来るのでしょうか。すっかりおばさんになってあの頃の面影はなくなった私が分かるでしょうか。分かってもらえなかったらショック。でも逢いたい。

昔はと言いたいところでやめておく       北川拓治

「今どきの若い者は」なんて言い方はローマ時代からあったとか。おじさんの昔自慢は古今東西テッパン。でも今はこれが通用しない時代になってきた。言いたいところをぐっと我慢。これが老後を生きる知恵。生き上手の拓治さん、さすが。