スピッツの歌の世界 歌詞の解釈 「 若葉 」 | yoshiのブログ

yoshiのブログ

スピッツの歌には、ある物語が隠されている。

出会って、別れて、それでも再会を願っているというありふれた物語。


美しく悲しい 許されない恋の物語

スピッツの歌をこの物語にそって、歌詞の解釈をしています。

テーマ:

スピッツの歌には一つの物語が流れていると仮定して、その物語のあらすじにそって歌詞の解釈をしている。


出会った二人が、別れ、また出会うというありふれた物語だが、今日は、その別れの場面について、つぶやきたいと思う。



(できれば、以前のページを読んでほしい。)






別れの場面を歌った歌はあまり多くない。


でも、そのいくつかの歌詞に共通する言葉から、この物語の美しい別れの意味が見えてくる。



「若葉」





歌詞



スピッツの歌の世界に流れる物語には、いくつかの重要なポイントがある。


①二人の恋は許されない恋であること

②この物語は、前世から思い続けてきた恋であること

③彼の魂は、肉体から離れて彼女の側に行くことができること



彼は、(今までのページに書いてきたように)彼女を手に入れるために、相当な情熱を傾けてきた。



そして、彼女を振り向かせた後は、前世から思い続けてきた彼女と、幸せな時を過ごした。




「優しい光に 照らされながら 当たり前のように歩いてた」

「扉の向こう 目を凝らしても 深い霧で何も見えなかった」






しかし、



二人を「つなぐ糸」はとても細い。





「扉の向こう」にはどんな未来が待っているのか、「何も見えなかった」のである。



そして、彼は、




「ずっと 続くんだと 思い込んでいた」







でも、



彼女は二人が一緒にいることを「怖い」と思っていた。






彼女は、許されない恋に身を置きながら、その罪の深さに慄いていたのである。





しかし、彼には、それが「解かんなかった」




そんな彼にも、ついに、扉の向こうが見える時が来る。


それは、恐ろしい未来だ。

恐ろしい未来 恐ろしい未来 恐ろしい未来



「暖めるための 火を絶やさないように


 大事な物まで 燃やすところだった」








彼は、彼女を守るために、別れを決意する。








二人の幸せな日々は、「指のすき間から こぼれていった」のだ。





彼女を守るために、彼は彼女から去っていく。



「まもるさん」
の歌詞を読んでほしい。

歌詞



「僕にも出来る 僕だけに出来る 君を陰ながら守ります

 どんな役まわりでも いただけるなら 疲れ果てるまで 演じてみるかな」




彼女を守るなんて、側にいなければできないことだが、彼は、本当は彼女の側にはいないのである。しかし、文字通り「陰ながら」かれは彼女を守る。


なぜなら、彼は肉体を離れて、彼女の側に行けるのだ。



しかし、突然彼女のもとを去っていった彼を、彼女は理解できない。


彼女を守りたいという彼の真意も理解できない。


「答えはそこになく」・・・彼女は、本当のことを知らないのだ。
「答えはここにある」・・・本当のことを知っているのは、彼だけだ。



自分から彼女を引き離すためには、彼女を突き放す方法しか思いつかなかったのだ。


「だましのテクだけ小慣れてて 鋭い指摘にも笑っていたけど 心は震えてる 臆病仕立ての」




彼女は追いすがって来ただろう。しかし。彼には 彼女から逃げる方法や騙す方法しか思いつかなかったのだ。