2/8(木)ウクレレ・レディ
本はよく読んでいるが小説は読まない。
生命の誕生とか、国の成り立ちとか、食のほんとか、かなり偏っている。

今読んでいる本はこれだ。
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これが意外と面白い。
作者は毎日新聞の記者で4年間インドに滞在して見たり聞いたりしたことを書いているが非常に読みやすい。

インドでまず思い浮かぶのはカレー、「0」を発見した国、暑い、人口が多い、カースト、IT産業の発達、宗教とどれをとっても奥が深くてここでは書ききれない。
この本を読んで一番びっくりしたのはインド政府のカースト制度の取り組み方だった。

1950年に廃止されたカースト制度は今でも厳然と機能している。

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自身もハリジャンであるアンベドカル博士の元でハリジャンが生き抜くための具体的方策として公務員、就職、学校入学、等で一定の予約席を確保した。
連邦政府・鉄道員・国立銀行・保険会社など、この指定制度は150余りの公共や各企業に網の目のように張り巡らされている。

指定カーストの占有率を維持するため、ハリジャンが公務員試験に合格しやすいように訓練センターを各地に設置。ハリジャンの大学生には手厚い奨学金を与えている。
ここで問題なのは一般の人が正規に試験を受けてもこの制度のおかげでハリジャンが成績が悪くても受かってしまうということ。

様々な手厚い制度に怒ったのはヒンドゥー教徒。
かねてから待遇に不満を持っていた州政府職員とヒンドゥー教徒とイスラム両教徒たちの過激派学生が激しい反対運動を展開し死者240人を超す大暴動に発展した。

それでもこれらの制度の恩恵に預かれるのはほんの一部の人たち。女性や子供たちは悲惨だ。
一日200円ぐらいで生活をし家は路上で寝泊まりし、食べ物は残飯あさり、と読んでいてあまりの悲惨さに唖然とする。

国のカースト廃止法とは無関係に、カーストが維持される原因は、生存権で の職業別・階級制度のジャーティ(生れ、家柄種族などを意味するインド語で,カーストの意味にも用いられる。カーストという語は,ポルトガル人がジャーティ集団を自国語で「血統」「家柄」を意味するカスタという語で呼んだことに起因する)で、親たちがそれに見合う結婚を決めてし まう風習が守られている。

ここで問題なのは最下層のハリジャンたちがヒンドゥー教徒のあまりの差別にイスラム教徒や仏教に村ごと改宗していることだ。

インドの宗教構成比
ヒンドゥー教徒 82.41%
イスラム教徒  11.67%
シーク教徒    2.32%
キリスト教徒   1.99%
仏教徒       0.77%

特に、女性の権利は、田舎にいくほどイスラム教よりは、少し異なる位が現状ですし、古い信仰は、貧困・不平等で強固さを保ってゆく矛盾を糊塗しているようです。

インドでは無数の民族、言語、宗教と一民族の日本では想像もつかない混とんとしている社会なので、ある意味では神秘の国と感じるかもしれません。

女性は行かない方がいいな~