仮釈放が近いことを知らせるパロール用紙。 | 刑務所体験記&更生道

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刑務所を出所して半年、刑務所内の現実、出所後の苦難と更生の道を辿るドキュメントブログです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が住む九州の田舎町は春の訪れを感じるようになってきた。

 

春は何度訪れてもいいものだと感じる。

 

私が受刑中、仮釈放が近くなったことを知ったのは春先のことだった。

 

何気ない日に工場担当のオヤジから渡されたパロール用紙、パロールの意味を受刑者なら皆知っている。

 

パロール用紙が渡されたということは、刑務所側が仮釈放申請をしてくれるということ。

 

渡された頃には、すっかりムショ暮らしになれ、娑婆に出る感覚すら忘れてた。

 

パロールを渡す担当のオヤジは仮釈放云々とは言わない、端的に書き込んで渡せとだけ伝える。

 

意味を知っているがゆえに心が少し踊った。

 

その時、やはり自分は仮釈放を望んでいるのだと改めて感じた。

 

パロール用紙は、罪名、刑期、身元引受人、出所後の居住地、懲罰回数、減点回数、反省しているか、被害者に対し今どう思っているか、出所後の仕事はあるか等、細かく書かねばならない。

 

もちろん虚偽申請などすれば仮釈放申請はされない。

 

パロールに書き込みながら自分の犯した罪と改めて向き合うことにもなる。

 

パロール用紙を書き終わると基本的に3ヶ月以内には仮面接、その後3ヶ月以内に本面接というのがセオリー、要するに早ければ半年以内に出所できるということ。

 

ただ私自身は、パロールを書き込み終えても仮釈放云々の実感というか、娑婆がイメージできなかった。

 

もちろん嬉しくはあったが、実感としてあまり仮釈放を感じれずにいた。

 

それだけムショ暮らしになれ切ってたのかもしれない。

 

感じ方も人それぞれだろうが、娑婆を意識することが怖くもあった。

 

何度も言うが、ムショってのはある意味安全で慣れてしまえば安心できる場所でもある。

 

仕事の心配、食事、住む場所の心配は一切不要、支払いに追われる、交通事故に遭うなんてこともないから。

 

パロールをいただいて7年以上の年月が流れた。

 

娑婆の時の流れのはやさを痛感する。

 

あの時見た桜は今も鮮明に覚えてる。

 

今年も桜を見て当時を思い出すのだろう。

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