橋下知事が就任の初日に「財政非常事態宣言」を発し、府幹部と府議会、記者会見で「倒産会社の社員と同じ」「今日からルールを全く変える」「赤字資産の売却、民営化」「赤字を支出カットにより収支をゼロにする」「5兆円の借金削減策を考えよ」と宣言しました。


こういうことは評論家がいうことで行政の責任者はいいません。言うなら「徐々に」とつけるでしょう。そこが異常です。


これを聞くと、そんなことできるわけない、守旧派の猛烈な抵抗にあって失敗すると普通は考えますが、橋下知事はまだ30才代と若くエネルギーに満ちてるので突進してやるに違いない、そうなると大阪府では80年代のイギリスと似たことが起こり社会は大混乱する、しかし大阪再生の早道だと思いました。


イギリスのサッチャー元首相は79年に首相に就任し、国有企業の民営化、労組の力をそぐ政策、所得税と法人税の減税と消費税の引き上げ、医療・教育予算のカットなどを一気に進めましたが、その副作用として医療は崩壊し、公教育は荒廃、失業者が増えました。


こうした社会の混乱は大きな政府を小さくするときに必ず起こることです。あとで振り返ると83年から84年が社会混乱の底だったとわかりました。


混乱の底を経験すると「裏道が健全でないと生活できな、ビジネスは成り立たない」と誰でも実感することになります。そこから困ったら税金に依存する精神がなくなり、自分でなんとかしなくてはと考えるようになり、市民の創造が始まります。


政治家が古いものを破壊し、市民が新しいものを創造するようになるのです。壊す速度が速ければ、創造も速く起こります。破壊と創造がタイムラッグなく進むと混乱も少なくてすみますが、それはほとんどないことで混乱だけが目立つ数年を経験することになりますが仕方のないことです。


こうして小さくなった跡地に社会起業の花が咲きます。これが社会起業が起こる一番初めです。


アメリカでも80年に就任したレーガン元大統領がサッチャーと同じような政策をやり社会が荒れたのは同じです。荒れたあとのことはイギリスと同じことが起こりました。


この混乱は大きな政府から小さな政府に行くとき必ず通る道です。日本では小泉改革で副作用が出てきて驚き、元の道に戻ろうとしてますが、戻る道はもうないので小さな反動現象はすぐに行き詰まり、再び古いものの破壊が続くでしょう。


大阪府でも2年から3年後に混乱の底を経験し、そのとき創造が起こり社会起業家が登場し、企業や市民がそれを支えるようなことになるのかどうか、大阪なら起業家精神がふんだんにあるところですからやりそうな感じがします。


橋下知事は周囲に気配りをするような人材ではなさそうなので、大阪は小さな政府になった日本の最先端の都市になり、そのモデルが日本に広がって行くでしょう。このときが大阪が元気を取り戻したときになります。


2010年代の初めは大阪が日本を先導するイメージが浮かびます。橋下知事はそのプロセスの入り口に立ったんだと思いました。