これから何回か、社会起業が「ブランドをつくる」「ビジネスモデルをつくる」話をしたい。アメリカの社会起業を調べていて、「今の時代、社会起業の方が、ブランドやビジネスモデルをつくりやすい」と気づいたからだ。営利より非営利の脳の方が、営利としても成功するなんて驚きだ。
ラッグマーク財団 は1994年に設立され、ネパール、パキスタン、インドで、児童労働(15才以下)でつくったのでないじゅうたんを探し、認定マークを与えて、欧米で販売、ワシントンDCにある。
現地の人権擁護団体と連携し、児童労働でないカーペットメーカーを探し、輸入商と小売店(現在300店以上)に冒頭のマークを与え、そのかわりに1,75%のロイヤリティをもらう。小売店には、マーケティングなどのこまかいコンサルをやり、売上げを増やし、インパクトを拡大する。
「6才の子供が、14時間労働で両親を思い泣けば、厳しくぶたれ、ときには木から吊るされ、タバコを押し付けられて焼かれる」- Kailash Satyarthi, Rugmark Founder
1999年に、Nina Smithが、エグゼクティブ・ディレクターになって躍進した(その前の6年でビジネスモデルを発酵させた)。現在、アメリカのマーケットで1%のシェアをもち、15%のシェアを狙う。すでに2000人の児童労働を救済し、4つの学校で1000人の教育を行った。今年、スコール財団(eBayの創業者がつくった財団)から、3年で44万ドルのグラントを受け、組織を拡大し、2007年までに5%のシェアを獲得する。
HPには、「It’s good business」「It’s a forward-thinking business strategy」「socially conscious consumers」が並んでおり、なるほど。
こんな事業モデルを支えてるのはどんなボードメンバーか調べたが、人権擁護派の弁護士、環境ベンチャーキャピタルの経営者、投資銀行家、コミュニティ活動家、社会貢献コンサルタント、非営利のコンサルタント(能力構築、戦略立案、経営陣開発)、エール大学ロースクールで人権を教えてる先生などで、女性が多く、女系事業ですね。
これ、成熟した資本主義国に登場した新しいブランドビジネスで、社会起業は、ブランドをつくり易い。環境コンシャス、健康コンシャス同様、公正・倫理コンシャスな消費者を狙い、営利でも成り立つが、それをヒュマニタリアンな非営利事業でやるなんて。。。時代です。
アメリカの4000~5000万人は、value-based purchasing decisionsを行い、アメリカ人の84%以上が、pay more for products made without child laborなのだ。こんな消費者を相手にし、意外に手堅い商売である。児童労働は、カーペットだけではないが、広げずカーペットに絞ったのもよく、ここでブランドを確立すれば、すぐにでも横に広がる。
この財団を取り上げたのは、なぜ、こういうのが日本にないんだ、と思ったからである。アメリカにつぎ、世界二位の消費市場なのに、このたぐいのビジネスモデルがないのは、へんだ。誰か、始めてみては、成功し、時の人になれますよ。
