義母からメールが入った


『今日は仕事ですか?』



(なんだなんだ

義母からの連絡って良からぬことがおおい…)


この日はお休みだったので

のんびり過ごしていた



すぐさま、電話がきて


『大変なことになっちゃった

肺がんかもしれない…』




去年無くなった父がよく言っていたんだけど



『この人は、もう何十回も

ガンになってるんだよ…(笑)』って



最初、どういう意味かわからなかったんだけど


体に不調がみつかると

まずは、ガンかもしれない…って

話が飛躍するらしい



ちょいちょい感じる

義母と話していて


話が飛躍することが多いの



会話の中で

母の頭に引っかかったワードに

フォーカスされると

もうそのワードしか頭に残らなくなってしまい


前後の話がぶっ飛んで

こちらの話に耳を傾けることなく

突っ走って行くの



とにかく

これから大きな病院に行って詳しい検査をしてもらおうと思うから、一緒に来て欲しいという内容だった




電話で話していても

詳細が全くわからず、とりあえず、義母のところへ向かった



健康診断で要検査の項目があったので

かかりつけ医に行ってみたところ


そこでは

詳しい検査はできないので…

ということだったらしいが




念の為って感じだと思って聞いていたんだけど



ちょうど1年前

義父の食道ガンが見つかり

緊急内視鏡、緊急入院になった病院だったし


義母にしてみれば

そのときのショックが相当印象強く残っていて



まぁね

仕方ないとは思うんだけど…



このまま入院ってことにならないかしら…

とか


明日、温泉に行こうと思ってたんだけど

こんなことなら

温泉に行ってから病院に来れば良かった

とか

ブツブツ、ブツブツ…



テンパってしまっていて

悪いことしか思い浮かばないらしい…



無理もないけどね



1年前の義父のこともあるので

私も

全くそういう心配がないわけではない


少なくとも緊急入院ってことに

なりそうな雰囲気はまったくない!


なんだかんだ

言いながら



結局、心配ないってことになったんだけどね~



検査結果がでるまでの間



母から最近の様子を聞かされていたんだけど


生命保険の営業をやっている義母は

若者がよく集まる大都市の営業所で働いているの



人と関わることが多い仕事で



この日も

夕方から仕事の話で人と会う約束になっているらしい



来年、80歳になる義母なんだけど

仕事が好きみたいでね



外に出て動き回るのが好きなタイプの人



前日もさ

『緊急事態宣言が出ちゃうから

その前に飲みに行こうって誘われて

1時間だけ飲みに行ってきたの』

って話していて



そういう話を聞いていて



すごく違和感を感じてしまうの



いやいや

緊急事態宣言が出るほど

感染者が増えているってときに

飲みに行くか…


とか



明日も温泉に行こうとしているって

それってどうなの?

とか



温泉とかって

もうこのコロナ禍になってから全く行ってないんだけど、私



お土産買ってくるけど

何がいいかしら

地ビールとかどう?


っていう義母に



私、最近、アルコールって飲まなくなったんですよね


とか


そうやって

浮かれて話す義母に違和感感じてしまうの



自分はちゃんと感染対策してるから

って自信を持って話しているけど



私からすると

ワキがすかすかで

そんなん、対策ゆるゆるじゃん

って思っちゃうの



ちょっとした空き時間に

カフェにでも行ってお茶する?

とか言うし



いいえ

そういう場所だとマスクしながら話すので

落ち着いて話せないから

おうちに一旦、帰りましょうっていって

静止した



だって

義母って黙ってられない人で

絶対、マスク外しながらおしゃべりやめないって思って…



けどね



人のことはすごく目につくらしく



この前も

食べ終わっているのにマスクつけないで

ずーっと喋ってる人たちがいて

席を変えてもらったのよ

って言うんだけどね



実際

病院終わって

さすがにお腹が空いていたので


ささっと済ませられる

お蕎麦屋さんで腹ごしらえをしたのね



ランチタイムの混雑も過ぎていて

お店の中も

お客さんもまばらだったので



ここなら

ま、いっか

と判断して


お蕎麦が来るのを待っている間も



シーンとしたお店の中で

それほど重要じゃない会話を始める義母



まぁ

そのときはマスクもしていたし


私は母が話す内容に

軽くうなづいたりしながら

極力静かに

お蕎麦が来るのを待っていた



お蕎麦がきて

さて

さっさと食べ終わって

黙食、黙食…って思いながら

蕎麦を食べていると



義母

いろいろと私に質問を投げかけてくるの

お蕎麦をすすりながらね~




いやいや

駄目でしょ!


今は黙食よ黙食!


そう思ったので



『あ、食べ終わってからで…』

と言ってみた



『あっ、そうよね、それ、言われたわ…』

と義母


ようやく、気付いてくれた~



そのあとは

ひたすら黙食、黙食



食べ終わるまでは

静かに、お蕎麦の味を味わいましょう~


結局ね

やっているつもりでも

完全じゃないことが多いんだよね…



おしゃべりしながら食べたい気持ちも

わかるのよ



気をつけていてもね


ついつい

やっちゃってしまうのも

わかるのよね



だから

なるべくそういうリスキーな場面にならないように



極力、控えましょうねって話なんだよね



検査結果も異常なく

安心した義母は



じゃあこれから

○○で待ち合わせしているから

いったん営業所に寄って行くので

駅で降ろしてもらえるかしら~



マイペースな義母…




あの~

私は、ほぼ1日、時間費やしたんですよね~


もう夕方…

私はこれから夕飯の買い出しして

家族のお夕飯の準備ですよぉ~

と思いながらも…



『とりあえず

良かったですね

ホッと、安心、しましたね』


と声をかけて義母を駅まで送って

別れた



義母は電車で

若者の集まる大都市の営業所を経由して

お客さんの待つ

これまた大都市の街に向かっていった…



いやはや

どーにもこーにも



モヤっとするわ