どうか被害が出ませんように。
我が家のベランダのプランターも、みんな降ろしました。
台風が来ると、よくテレビで映し出される尾鷲港。
以前暮らした街です。
懐かしい。
２３年前、新婚半年の私達夫婦は、14歳の少年を伴って
その街に赴任しました。
結婚して間もない、まだ子供を産む前のことです。
ある日、私達は知り合いの息子さんである14歳の少年と出会いました。
知り合った翌日
その子のお父さんと夫はゴルフに行ったので、
私と彼は二人で名古屋観光をすることになりました。
彼はとても利発で優しく、
楽しく鯱を眺めたりしたわけです。
それから時々彼は、我が家に夕飯を食べに来るようになりました。
礼儀正しくて優しい彼が、私は大好きでした。
彼は学校に行っていませんでした。
時々、困り果てたお母さんが、泣きながら電話をかけてきました。
その度に、彼を呼びよせ、
会社が終えたあと、彼のために夕飯を作り、
一緒に食事をしました。
そんなある日、突然主人が地方に転勤に。
泣く泣く会社を辞めて、ついていくことにしました。
その時、一番に浮かんだのは彼のことです。
このまま残して行ったら、彼はどうなってしまうのだろう。
置いてはいけない。
「Ｙ君（彼）を一緒に連れていきたいんだけど・・・」
と夫に相談しました。
「君がそうしたいんだたらそうしよう」
夫は快諾してくれました。
主人の親は大反対。
今考えると無謀すぎますよね。
反対するのも無理はないと、今なら思えます。
それでも、その反対を押し切って、
３人で風光明媚なその町に引っ越しました。
そんなこんなで始まった、見知らぬ土地での生活。
朝、夫が会社に行くと、
家事をしたことのない彼にまず、雑巾の絞り方からから教えました。
一緒に掃除をして、家を整えると、
彼は机に向かうようになりました。
漁師町だったので、スナックが沢山ありました。
会社の人に誘われてスナックに行っていた夫から、
「君たちも来ない？」と誘いの電話がありました。
私たちは、港のそばにあるそのお店に向かいました。
途中でそのスナックリーブルのひろ子ママが、迎えにきてくれました。
あの時のひろ子ママの笑顔は、忘れられません。
カウンターだけの小さなスナックには、
常連さんが何人かいらしていて、
私たちに笑顔を向けてくれました。
私は彼に言いました。
「Ｙは中学生だから、飲んじゃだめだし、カウンターの中でお手伝いしなさい♪」
ママもすぐに招き入れてくれました。
２８歳の夫に２６歳の私。
１４歳の息子がいるわけないのに、
初対面の私たちに好奇の目を向けることなく、
皆さんは、とても温かでした。
Ｙ君がカウンターの中でお皿を洗ったり、カラオケの操作をしたりするたびに
ありがとうの笑顔を向けてくれました。
ひろ子ママは、お店の中だけでなく、
河原のバーベキューにも誘ってくれました。
地元でとれた新鮮なお魚や山の幸を
川や山を眺めながらいただきました。
パンツ一丁で川に飛び込む夫とＹ君を眺めては、
みんなで大笑いしました。
会社の方を大勢お招きして家を開放し、宴会もしました。
社員さんは、獲れたてのお魚を持参してくださり、
その場でさばいて下さって、お刺身にしたり、庭でバーベキューもしました。
アルバイトのおばさまたちは、山の幸をふんだんに使った
美味しいお惣菜を持参してくれました。
笑顔の花が沢山咲きました。
時々彼は、夫に叱られると家出をしました。
その度に心配する私に、夫は
「腹が減ったら戻ってくる。ほっとけ」といいました。
案の定、暗くなってお腹が空くと、
窓から出て行った彼は、玄関から帰ってきました(笑)
私たちは、何事もなかったように温かい食事を囲みました。
大自然の中で、
温かい人々と触れ合いながらの
ともに家事をする、ごくありふれた普通の暮らし。
なんな中で彼の表情は和らいでいきました。
私たち夫婦もたくさんのことを学びました。
その後彼は、大学生となり、
社会人となり、
お父さんになしました。
台風の日はいつも、港街で出会った沢山の人々の笑顔を思うのです。
あの街で身ごもった大３娘は、現在沖縄でゼミ合宿中。
勉強に遊びに張り切っているようです。
この子がその後、
悩んでいる友人に寄り添ったり、
不登校の子を家に連れてきて一緒に暮らしたりするようになるとは、
あの頃は想像も出来なかったなあ～。
【親を楽しむサロン】
二子玉川高島屋S.C 玉川テラス （第３金曜日） 10時半～12時半
http://www.tamagawa-sc.com/terrace/
９月１８日（金） 子どもの「やる気」は言葉がけ次第
１０月１６日（金） 男の子の育て方、女の子の育て方
１１月２０日（金） こうすれば家事は楽しい～洗濯編～
上北沢 親子カフェ イルソーレ （第１木曜日） 10時半～12時
http://www.oyakocafe-ilsole.com/
１０月８日（木） イヤイヤ期を軽やかに乗り越えるために
１１月５日（木） 家事を楽しむ夫が素敵
１２月３日（(木) 「自分でやりたい」を「出来た！」につなげる方法
＊内容は変更になることがあります。
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