※ちょっと長文です

日本はどこに行っても子連れにサービスは厚く、特にありがたかったのはどこでもベビーストローラーがあること。今回の帰省では持って帰ってなかったので、空港からアウトレット、デパート、ドラックストアまでフル活用させてもらいました。

飛行機では本当に搭乗ぎりぎりまで乗れたのでよかったです。

そしてモールやデパートなんかでは授乳室もかなり整備されていてきれいで。ミルク用のお湯の完備や、おむつ替えシートもキレイでふあふあ。子連れがこぞって行くのがよくわかりました。

アメリカでは貸し出しなどないので、特にシカゴの乗り換えのとき長く歩いたのでしんどかったです。

でも、正直設備は整っているけど、人の意識は整っていない。今回の一時帰国で強く感じたのはこれでした。

カルチャーショックだったのは、博多阪急で優先エレベーターの前で待っているとき。子連れや妊婦、ハンディキャップ者優先のエレベーターなのに、なんと乗れませんでした。

そのエレベーターが優先の人でいっぱいだったわけではなく、みな普通の大人。ちょうどお昼時だったので、屋上のレストランに行きたい人でいっぱいでした。

みな、一応下りる人に気遣って出るんだけど、私たちのことをチラッと見ては、戻ってそのまま行ってしまいました。

それが数十分続き・・・。仕方ないので夫にストローラーを持ってもらってエスカレーターで上がったのでした。

これ、アメリカだったら絶対ありえないと思う。すぐに気がついては変わってくれると思います。それが優先エレベーターであろうとなかろうと。どんな時でも次の人のために戸を開けて待ってくれるアメリカ人。

子連れなら飛んできて開けてくれたりします。

たぶん乗ってた人たち優先エレベーターだって意識もない人がほとんどでは?そして気が付いてスルーするという状況、本当に冷たいです・・・。

でも、もしかしたら一人下りたところで私たちが乗れないのはわかっておりなかったかもしれない。同調する日本人だから、自分は譲りたくても言い出せない、そういう人もいるのかもしれない。

でも、変わっていかないと、だめだと思う。
妊婦が遠慮してバッチを付けられなかったり、妊婦だから、子どもだから特別扱いされると思うな!とかいうそういう状況や意識。

多数派がなぜか正しいとまかり通ってしまうというか・・・。

あと、これは話をしたら変な人に当たってしまったねと言われたのだけど、帰りのJAL国際便でのこと。

優先搭乗して、とにかく今眠そうなうちに寝かしつけようと頑張ってあやしていたら、CAが物品を持って話しかけてきて、そこで娘覚醒してしまった・・・。

今あやしてるのに!とそこでまた怒りの気持ちが。

それから人が乗り込んでくる間なんとか絵本やおもちゃで気を引いてたのですが、結構な時間がかかり、そしていざ離陸のために移動し始めてからは、急に火がついたように号泣。えびぞりになって泣き喚き、なんとかおっぱいでなだめようとしても完全拒否。

抱っこして揺らしたりなでたり、おもちゃを与えたりあらゆる手段で講じたけど全然だめで、普段でもあまりない号泣でした。

立ってあやせたら簡単だけど、シートベルトサインで立てないし。
そのうち離陸のための耳抜きの授乳もできないから痛いのかさらに泣き始め、もう本当に途方にくれました。

でも、何より娘に申し訳なくて、つらいよね、ごめんね、疲れているよね~。と涙が。ごめんね。ごめんね、とずっと唱えていました。

でも、横並びの真ん中の席の黒人女性がずっと目とジャスチャーで励ましてくれて、

(おっぱいは?)(受付ないの・・・)
(おしゃぶりは?)(吐き出すの・・・涙)
(可愛そうね、あと少しよ!)(ありがとう・・・涙)

みたいなやり取りを表情だけでやり取り。
ほとほと泣き疲れて泣きはらした目で寝たときは、(よかったわね~)と目線で。嬉しかった。

本当にうるさかったし、周りの人には迷惑も重々承知だけど、この欧米の「赤ちゃんは泣くもの、仕方ないわよね。」という温かく見守る雰囲気は本当にありがたいなと思いました。

その後も、あのとき泣いていたベイビーちゃん、元気かい?なんて言ってくれた人もいるしね。

そんなこんなでベルトサインが消えるくらいにはなんとか泣き疲れて寝たのだけど、ベルトサインが消えて一番最初にCAがやったことは

「耳栓使うかたはどうぞ~」と配り歩いたこと。

いや、わかるんです。周りのかたにはたぶん不快に思ってた人もたくさんだし、周りのかたのことを思えばそうなんだけど。

私はこのことですごくショックで傷つきました。
頑張った娘を否定されたような気がして。

でも、日本のサービスとしては当然なのかもしれない。一人の客で多くの人が困ればそちらを優先する。

日本的に言えば、そんな小さな子を連れて旅行するほうが悪い。そんなところかもしれない。

(もちろん娘のことを思い、無理をさせてしまい、娘に対して申し訳ない気持ちはあるし、周りにも申し訳ない気持ちはあります。)

せめて、私に気が付かせないようにやってもらいたかった・・・。そこからは、悲しいし、あんたたちが起こしたからこんなことになった!と言いそうでした。当初は投書する勢いでしたけど・・・。

日本人は細やかだし、丁寧だし、本当に気が利くなぁと思う反面、アメリカにいると当たり前なやさしさに欠如しているところがあったり。

お互いの良いところが組み合わさって新しい国際人としての日本人になっていけたらいいのにと思いました。学校の教育やまずは親から変わっていく必要があると思う。語学も大切だけどそういうことも大切。来るオリンピックに向けてだって必要なことな気がする。

アメリカでは本当に歩いているだけで、かわいい~なんてスペシャルなのと言われ、今日なんてかわいすぎてどうかしちゃう!って私がなぜか抱きしめられたりして(笑)

すごく、娘をほめてもらうことで自尊心もつくし、誇らしいし、頑張ろう、授かってよかったと思います。

でも、日本では知らない人に話しかけられるのがいや、ましてやなれなれしく赤ちゃんを見ないで、触らないでって人もいるらしい。ちょうど帰国の際、そんな記事を読みました。

かわいいから赤ちゃんを見せてって言われて見せたらその場で赤ちゃんの骨を折られたなんて事件もあったりして、お母さんたちが警戒している、そんな背景もあるんだろうけど。分からないでもない。いろんな意味で悲しい現実・・・。話しかけたら、変な人って思われちゃう、そんなこともあるんだろうな。

アメリカで過ごせたことに感謝もしつつ、でも戻るからにはそんな日本の現実も受け止め、多様性の中でどうあるか、と考えられる人になりたいです。
助けてくれて当たり前だ!優先で当然だ!というそういう横柄な態度は決してしないけど、助け合えたらいいな。

まずは、
アメリカのようにやさしい気持ちで困っている人や手が必要な人には助けてあげたい、周りがどんな状況であれと強く思った出来事でした。