洗濯物を干し終えて、掃除を始めようかと思っていると、腕まくりをしながら昂大が、
「お風呂とか掃除する?」
「ん?マジでするの?」
「する。」
「ユックリしてたらいいのに。」
「一緒になんでもしたいし、約束は守る男なんだよ。」
断りづらかったので、
「じゃ、お風呂は任せよかな。」
「ウン。」
「働き者やなぁ…。」
お風呂場へ行って、一通り説明し、ワタシはキッチンの掃除に専念した。
掃除が終わると、ワタシは晩御飯の準備を始めた。今日はシチュー。
「終わったよー。めっちゃいい匂い。」
「お疲れ様でした!アリガト」
ワタシは準備していたコーヒーを出す。昂大は、そのままキッチンのテーブルに座った。
「ありがと。」
「じゃ洗面所…。」
「洗面所も終わったよ。」
「スゴイな。ありがとう。」
ワタシもコーヒーを持って、テーブルに座った。
「今まで気づかなかったんだけど、髭って…。スゴク落ちにくい。ってか、めっちゃ落ちてるんだね…。」
「フフフ。新しい発見したん?」
「自分家の洗面所見るの怖くなったよ。」
「掃除し続けてたら、とれるしとれやすくなるねんよ。」
「そうなんだ。今度から掃除しよう。それより、スゴクいい匂い。」
「今日はシチューとサラダ。後、たぶんそれだけでは足りひんやろから、焼き飯をチンして食べてくれる?」
「千尋ちゃんは、シチューとかいつ食べるの?」
「明日のお昼かな。」
「晩ご飯なのか、お昼なのか朝なのか。わからなくなっちゃうね。」
「明日はイベ日やから、ガッツリ食べるねんよ。」
「そうだった!明日、僕楽しみにしてたんだ!」
「ウン。明日は無礼講みたいな感じになるから、タクシーでおいで。」
「父さんも来るのかな?」
「たぶん、マスター、招待してるんちゃうかな?」
「そっか。」
「イヤ?」
「イヤじゃないよ。」
「そか。ヨカッタ。」
「千尋ちゃんは出番が終わったら、カウンターに戻らないとダメ?」
「戻らないとダメ。」
「ヤッパリか…。」
「皆のお酒の注文、さばかないと。」
「一緒に飲めたりするのは、いつかなー?」
「お店ではムリやよ。」
「じゃ、お家で飲めばいいのか!今、気がついた!」
「昂大は、何が好き?お酒。」
「ビールかな。」
「ワタシは、なんでも好きやねんけど、実は甘党で…。」
「梅酒だよね。」
「なんで知ってるん?」
「自分でつけてるでしょ。」
「アァ…取説。」
「自分好みにつけてあって、調子がいいと、山ほど飲んで、酔っぱらうって。」
「そこまで……。」
「酔っぱらった千尋ちゃんが見てみたい。」
「メンドクサイだけやと思うで。」
「家飲みだから、どうってことないし、どんな風なのか、僕の前で見せてくれる所まで信用されたいし。」
「昂大は、ビールの好みとかあるの?」
「んー。ドライかな?ビールならなんでもって感じで、好みで飲んだことなかった。」
「ワタシは、恵比寿とモルツ、苦いめのビールが好きやねん。ドライは、喉ごしが命やろうけど、ワタシは、喉がイタイだけで、美味しいと思わへんねんよ。」
「そうなんだ。」
「お値段は、少し高い。でも、ビールならこの2つしか飲まない。今度、昂大も飲んでみて。」
「了解。一緒に飲もうね。」
「ウン。」
色々これから一緒にすることが増えそうで、それを楽しみにしている自分がいた。