ジェイン・オースティンの傑作恋愛小説『高慢と偏見』を下敷きに
現代日本の恋愛＆結婚事情をサスペンス仕立てに描いた傑作。
婚期を逃したモテ男が、探偵小説さながら関係者を巡る前半の
行く先々の“女性地獄”が怖い（笑）。
モテる男は、自分から言い寄って、女性を落としているわけではなく
女のほうから寄ってきて、勝手にモテてるだけなので
女性の気持ちなんか分からないし、分かろうともしない。
決して恋愛巧者なわけではなく、人間通でもないのである。
家庭作り願望がからっきしない人間とあって
なぜにそんなに赤の他人とわざわざ暮らしたいという根源的欲望があるのか
そこからして恐怖で、読んでて怖いったらなし！（笑）
宗教と結婚なんてものをこしらえたから
いつまでもがんじがらめな生を人間は送ることになっているのであって
この２つがなかったら、もっと開放的で楽しい生を人類は送れたんだぞ！
変化球ばりばりのイヤミス（笑）。
『高慢と偏見』が下敷きというプロットを無視して
出奔先で出会った高橋とぜひとも結ばれて
イケメンの西澤を屈辱のどん底に叩き落として欲しかったなあ。
映画はぜひともこっちを希望！（笑）
自分を一番と思ってくれる誰か
そんな卑しい癒しを求めないと
人は生きられないようなチンケな存在ではないと信じたい。
