セ ッ ク スと食事ってのはよく似てる。
快楽で罪悪感を誤魔化すあたりはそっくりだ。
ひとつまみの恋が、ひとつまみの塩が、どんな下手物も美味しくしてくれる。
俺たちは恋をすれば誰とでもやるし、ちょっと味付けすればなんでも喰う。
この一手間がけだものとの境なんだけどな。
だからあれだ。
口はま ん こと同じだ。
普段は閉ざして上手く隠しちゃいるが、美味しそうなものを見つけてみろ。
ま ん こは愛液で濡れ、口の中は涎まみれだ。
口説き文句なんて、口から糞を吐く行為だ。
そんな口で、俺の名を呼ぶんじゃねえ。
しかしこの、一手間ってのが、どうにも俺をナイーブにさせやがる。
猿みたいな汚らわしい生き物との違いはここだ。
彼奴らから見たら俺たちはさぞ滑稽だろう。
交尾するには聖書より分厚いマニュアルが必要なんだ。
飯を喰うには屍骸をどうやっていたぶるか、じっくり吟味する。
性癖ってのは性欲じゃない。
欲望を取り繕う様式美なんだ。
俺はうんざりしたんだ。
ナイーブを臆面なく書き殴る自分に。
インクの匂いもしない文は、ゆきずりのセ ッ ク スみたいなもんだ。
ザ ー メ ン臭い布団にくるまって眠る。
同じ夢なんて見やしない。
セ ッ ク スを知らない子どものままごとと同じ。
俺は恥ずかしくなったんだ。
欲望を持て余していることに。
誰にも話していない昨日視た夢がそうさせるんだ。
反抗期の時みたいに肥大した自意識がそうさせるんだ。
そんな時は、消えてなくなりたいと思うもんさ。
なんつうか、魂の容れ物が汚らわしく思えるんだ。
何日も洗っていない洋服を着ている様に。
この俺は俺じゃない。
行間に生きるのはやめろ。
そいつを殺して、楽しいことだけやって生きるんだ。