梅の花をよんだ句「梅一輪一輪ほどの暖かさ」は芭蕉の弟子、服部嵐雪の句です。調べますと梅の種類は「寒梅」。冬の寒い中でチラホラと一輪ずつ咲く花の姿が浮かんでくるようです。

 画像は奈良のバスツアーで二月堂の「お水取り」を楽しむ旅行の途中で立ち寄った梅林とお寺に咲く梅を撮影。時期は「お水取り」の3月11日。だいぶ以前のことで詳しいことは忘れましたが、梅の花の香がただよう良いお天気の日でした。

 お寺に行く途中、ガイドさんが案内してくれた道は道中をショートカットする急な上り坂、途中で息があがった記憶しかありません。帰りは行きと違うなだらかな下り道。年老いた参加者が多いのに「もっと気を遣ったら良いのに」と心の中で毒づいていた記憶だけは残っています。

 

 お寺へ行く途中で見える梅林。

 

 梅の花思い思いの方を観て 荒川清司

 

 正直は亡き母の諭し梅の花 小林鱒一

 

 かざす挙に日のはらはらと梅の花 吉野のぶ子

 

 一途なる白さなりけり梅の花 田村和彦

 

 太古より恋はうたはれ梅の花 樋口みのぶ

 

 関西では「お水取りが過ぎると暖かくなる」と言われる奈良東大寺二月堂の「修二会(しゅうにえ)。通称「お水取り」。東大寺には「大仏さん」の見学に幾度も妻と二人で出かけましたが、二月堂は初めて。クライマックスは写真の「お松明」。写真のように二月堂の欄干にそって童子が60Kgもの松明を抱え勢いよく走り、途中、松明を揺らして火の粉をまき散らします。私は後方にいたので縁起の良い火の粉は浴びませんでしたが、凛とした空気の中で行事は目を奪うものがありました。