まず、いずみとさくの出会いというか、初めて顔を合わせたのが、2011年の2月。

わたしにとっての前の職場で、さくとは出会いました。ちょうど、災害派遣の直前だったのです。

そのときわたしは覚えるべき仕事の量や、人間関係、震災、あれよこれよという間に昇任、など、てんやわんやでございました。そこで、さくは料理を作る…いわゆるまかないの人でした。

さくの料理の腕は、定評があり、わたしもさくの料理を食べるのがわくわくでした。

特にさくの料理の中でカレーがわたしは一番好きで、彼のカレー(シャレじゃありません…)は、今まで食べた中で、一番、ダントツに美味しいのです。

そんなさくはいつもわたしのことを気にかけてくれていたようです。わたしはというと、「いい人だなー」と思うぐらいで、それ以上でもそれ以下でもありませんのでした。

それ以前にさくはわたしの事実上の上司であった訳で、あまりに複雑な人間模様ですっかり人間不信に陥っていたわたしは、その職場の上司らを皆嫌っていましたし、同じように自分も嫌われているのだとすっかり思い込んでいました。

わたしは極端に人に嫌われてしまうのを恐れていたため、嫌われてしまう前に自分から人を嫌ってしまえば、自分が傷つくことはない、というむちゃくちゃな持論を持っていましたから。

だけどそんな中でのわたしの唯一の救いは、その当時つきあっていた彼氏でした。

弱りきっていたわたしは猪のごとく猛烈なアプローチに、あっさりOKサインを出しました。

そうして、みるみるうちに私は彼にはまっていきました。

彼は女癖が悪く、本当にどうしようもない男でした。けれどわたしはそれ以上にどうしようもない女でした。

わたしとその彼は職場恋愛でして、それは禁止とされていることでした。

そして彼はわたしに仕事をやめるように諭しました。わたしはふたつ返事でした。わたしの頭の中には、彼と一緒に家庭を築くビジョンしか見えていなかったのです。

けれど、彼はあまりにあっけなくわたしを手放しました。それが同年の11月のことです。

……話が元彼の話にそれてしまいましたが、さくもいる職場を退職し、(かなり給料もいいし、安定しているところでしたが。やはりわたしはバカなのでした)そこから車で二時間ほどの距離にある、地元に身を潜めていました。

そして、ここからが本番なのです。