結婚式も終わり、家路に着き、思うのは、さくのことばかりでした。
わたしはいけないことをしただろうか、と、考えていました。
結婚した人と身体を重ねるのは初めてではなかったものの、
さくのそれからは、確かな愛を感じました。
だからこそ、次に会ってしまうのが恐ろしかったのです。
ひとたび好きになってしまえば……わたしが傷つく結末は目に見えています。
彼は一月も経てば、愛する奥様のいるもとへと旅立つのですから。
そう思っていながらも、さくはわたしに会いに来ました。
結婚式から10日ほどすぎた頃です。
夕方にさくは来て、ふたりでわたしの好きなレストランのパスタを食べました。
……そのあと、さくはわたしを助手席に乗せたままドライブをしました。
ホテル街の前を行ったり来たり、悩んでいるようで、何だか少し面白かったです。
そうしてようやく決断したさくの手を握ったとき、彼はかなり手汗をかいていました…(笑)
ホテルに着いていちゃいちゃして、明け方(夜の3時か4時ぐらい)にホテルを出ました。
さくは仕事だし、わたしも仕事。わたしは家に帰って2,3時間は寝られるけど、さくは
2時間ほど車を走らせなければ職場に着かない……。
今日は寝れないなー、と笑うさくに、どうしてそこまで、と言い掛けて、やめました。
そういえばさくはきっとわたしの望んでいる言葉を言ってくれる、けど、
それはわたしだけを好いての言葉ではない。
さくは奥さんのもとへ帰るんだから。さくは奥さんと別れる気など、本当はないんだから。
それは、たくさん愛されていると実感している今でも尚、思う事です。
さくがどれだけ奥さんとの用事よりわたしのことを優先してくれていても、
結局は最終的に奥さんと一緒にいる。
わたしはどんなに頑張ってもそれを覆すことは出来ない。
さくは……ひとを裏切れない人だから、奥さんも裏切れないのだろう。
それなら、わたしは?
わたしなら、裏切っても、平気なの?
傷つくためにあなたを愛したわけではないのに。