DualLife本田直之

いまや海外でも翻訳される自著『レバレッジ・シリーズ』アロハシャツ、サングラス、ダイバーズウォッチ、サーフボードのコレクション。派手な色よりモノトーンを好む。波をチェックするための双眼鏡も必須だ元日から連続して日経新聞紙上を飾るなど、「サバイバビリティ」という言葉は時代のキーワードとなっているようだ。本田も無論、サバイバビリティを精練しているビジネスパーソンの一人ということになる。「最近、トライアスロンのトレーニングをはじめたんですが、たぶん経営者としての本能なんでしょうね。こうした危機の時代になると『有事に備えよ!』という野生の勘が働くのか、真剣なトレーニングに取り組む経営者が、まわりにもすごく多いんです。体が弱るとメンタルも弱り、サバイバルに不可欠な意思決定力もなくなりますから、理にかなっています。僕は今年、15年ぶりにトライアスロン大会に出場する予定ですが、先日いきなり100キロのバイクのレースに出ました。それは、まっとうなトレーニング法ではないかもしれないけれど、極限を味わったことで経験値が変わった。以前はバイクで40キロ走るというだけでもプレッシャーでしたが、充分クリアできる自信がつきました。こんなノリで、これまで本1冊読むのに3時間かかっていたところを、30分にしてみる。歩く速度を変えてみる。こうして「ちょっとスローなんじゃないかな」という習慣を、思い切り少ない時間でやったらどうなるか考え、実際に試してみるのもいいですね。追い込めば追い込むほど、劇的な変化を遂げますから。また、逆説的なようですが、先が読めない変化の時代には、ある種のゆるさも同時に必要だと思います。「キャリアサーフィン」という言葉がありますが、まさに至言。あたかも波のように予定外のことが連続して起こるのが個人サバイバル時代ですから、ライフスタイルやキャリアについてあまりガチガチに決めつけてしまっても、生き残るのは無理でしょうね。厳しく追い込みながら、どこかでゆとりをもつ。シングル思考ではなくマルチ思考を持つことが、ますます大切になってきます」