スタジオの近くで、一台のタクシーがハザードを焚いて路上駐車していた。




そのとき22時。





室内灯は点いたまま。


タクシードライバーは左に少し体を傾けながら、頭はハゲていた。





2時間のスタジオ練習を終えて帰ろうとすると、そのタクシーはまだ同じ場所に停車していた。





ハザードが左ウインカーに切り替わっていた。



でも場所はそのまま。





ドライバーの傾き加減もほぼそのまま。



室内灯はハゲていた。





ドライバーの頭も点いたままだった。






気になって近づくと、ハゲて点いたままの室内灯に照らされたドライバーが、“ピクッ”と動いたので、僕は安心してその場を離れました。