何ヶ月か前に、「あのポケットからも」「あのカバンからも」と、“無くしちゃ買い、無くしちゃ買い”を繰り返し、我が家の住民となったリップスティック達を集合させ、チームリップスティック's結成した。



その後は、6名ほどのリップスティック、略してリックを紛失することも、命を全うすることもなく、リック6人衆は平和な日々を過ごし、活躍を続けていた。



ところが数日前、1名のベテランリックを使い終えクルクルと回し、ニュートラルポジションへ戻したつもりが、勢い余ってその先へ。





パキッ!!






No~ッ!!



いとも簡単にベテランリックの首は折れ、帰らぬリックとなってしまった。



その翌日、司令塔としての真価が問われるこの日、私はスタメンに中堅リックを指名した。


素晴らしい!!


なかなかの活躍ぶりに満足した私は彼を労い、彼にお疲れさまのクルクルをしてやった。





すると…





パキッ!!







2日…2日続けてはマズいだろう…。




ショックを隠しきれない私は動揺しつつも、新たな任務の遂行の為、次なるリックを指名した。



これ以上のミスは許されない。

ここは安全パイで行こう!!
慎重になったワタシは、経験の高いベテランリックを選んだ!





彼の体調を確かめる為、彼の身長を計ってやる。

およそ1.5cm。

「ちょうどリックとして脂が乗り、味が出来ている!彼こそリックとしてその命の全てを唇に捧げられる男だっ!!」



彼は先日他界したベテランリックを陰で支え、チームリックの全てを知る男。


私は彼活躍を確信した!




前祝いとして、その1.5cmの自慢のボディを私の唇へと近づけたその時…



ポキッ!!




こ…今度はそっちか…。


ベテランリックの根元が…自慢の1.5cmのおよそ0.2mmの辺りで事件は起こっていた。


無念。





数日の間に3名もの部下を亡くしてしまうとは…。



いよいよ私も司令塔のポジションを退くときが来たのかもしれないな…。