『トーキー・トーキー』の公演が終わり、朝まで飲み明かした!!


あれだけ稽古にもがき苦しんで、ようやく辿り着いた本番だっただけに、千秋楽の公演後絶対に泣いてしまうと思ってた。


心は泣く準備が出来ていた。


にも関わらず、涙は流れず。


「泣いている暇は無い。応援してくれたお客さんを送りに行かねばっ!!」

反射的に僕の心がそう思ったんだろうけど、涙も出ない自分に対して逆に悲しくなった。


あれだけ気持ちを注いでいたのに。







本番後の朝帰りのくせに、大して眠れず、夕方出掛けるために車に乗り込んだ。


何気なくカーオディオのCDを再生した。



普段聞いているポップスが流れ出すものと思っていた。


スピーカーから聞こえて来たのは「時の岸辺」の前奏。

『トーキー・トーキー』のメインソングだ!

稽古期間中、いつも移動時に練習してたから…。





前奏を耳にした途端、ホロッと涙腺が緩みだす。
感極まって歌えなかった。




何だかホッとした!

俺、ちゃんと作品を愛してたんだ!!