まさかこの年で親と住んでいるとは思いませんでした。


10代の私は親と少しでも早く離れたい、縁を切ってもいいとさえ思っていました。


なぜ同居することになったのか?


まずはなぜ地元(四国地方)から母に引っ越してもらうことになったのか。


私が長男妊娠中で、「あんた仕事するんでしょ。絶対私がいた方がいい」との母の申し出に「そうかも」と思ったのが全ての始まりです。


このときは、賃貸マンションに住み始めたばかりで狭いし、何より夫が百歩譲って近居とのことだったので、車で10分の距離に住んでもらいました。
私も同じ気持ちで同居はあり得ないと思っていました。


母としては、元夫(私の父)も実母(私の祖母)も亡くなり、共に過ごしたい人生のパートナーもいない、次女(私の妹)も結婚前提に関東で同棲生活をしていたので、何か理由をつけて娘たちの近くに行きたいと思っていたのかなぁと。


ほんとに私の生活を心配してくれていた気持ちはあるのかもしれませんが。


3年くらい近居が続きました。


その間に妹が同棲を解消して母の借家で一緒に暮らすようになっていました。


私は復職し、夜勤をするのにも母に保育園まで迎えに行ってもらいごはんもお風呂も全てお任せ、夜も泊まって次の日の昼に私が帰ってくるまで預かってくれていました。
月に3回以上そうしてくれていました。


これは本当に助かりました。


産後復帰した職場は、正社員は夜勤必須。できないならパートでがくっと年収が落ちます。


母のおかげで肩身が狭いと思うこともなく仕事をすることができました。


病院の託児所で夜みてもらうのも、何かあるかもと思うと心配でした。その点身内なら普段から慣れています。


私以上に夫は助かったと思います。


看護職の夫が経験する、夜勤の間のあれこれも、どうにもならない残業も(交代間際に産まれたり急変したりすると、担当者は帰れません)、ほとんど母がカバーしてくれました。


感謝です。


家賃もったいないよね、一戸建てに住みたいねと話が持ち上がり、自然と母、妹との同居が決まりました。


最初は夫は反対していました。
でも、母なしでの生活は考えられなかったし、一緒に住めば母の生活費を節約できる、老後の不安も減るので、私が夫を説得しました。


家を建てる話はもしかしたら母から、どう考えているの?と聞かれたことが考えるきっかけだったかもしれません。


結果、同居しはじめて5年以上になりますが、同居して良かったと思います。


今いちばん良かったと思うのは、母の乳がんがあったことについてです。


母が一人で住んでいたら、もしかしたら精密検査を受けなかったかもしれません。


初期の発見で、専門医にすぐにみてもらえて標準治療を受けられたことは私は良かったと思っています。


その後、母は元気ですが、なんとなく気持ちが落ち込んでいるように感じることがありました。


それも離れていては気づけなかったと思います。


母は今月誕生日で、63歳になりました。


先日息子も夫も泊まりで出掛ける日があり、妹と相談して母に温泉旅行をプレゼントしました。


赤ちゃん二人連れで、慌ただしすぎてプレゼントになったかどうか……


でも、楽しんで笑ってくれている姿をたくさん見ました。


昔できなかった、子ども時代に築く親子関係を、私たちは今やり直しているのかもしれないなと思いました。


同居を決めたとき、その後一緒に暮らす間、そして今、少しずつ同居に対する気持ちが向上しているように感じます。