ちょっと事情がありまして、予約投稿です!
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「まったく!智くんはいつも抜け駆けするんだから」
しょおくんがぶつぶつ言いながらポテチを口に運んでいた。
「ホントだよ!俺らみんな潤ちゃんを心配してたのは一緒なのにさ、ずるいんだから!」
相葉くんも勢いよくコーラを飲みながらそう言って智を睨みつけた。
「潤くんも、笑ってないでちょっとは怒ってよ」
ニノがため息をつきながら俺を見る。
そう言われても、俺はなんだか嬉しくてしょうがなかった。
ここに俺の居場所がある。
それが嬉しかった。
俺を甘やかしながらもちゃんと思ってることを言ってくれる人たち。
ここにいていいんだと、思わせてくれる人たちだ。
「俺、ここが好きだよ」
俺の言葉に、4人がちょっと驚いた様子で俺を見た。
そりゃそうだ。
唐突にそんなこと言ったらみんな驚く。
けど、俺は続けた。
「ここって、この場所のことじゃないよ?この生徒会室はみんなが集まる場所だけど・・・でもずっといられるわけじゃないし、智が卒業して、来年はしょおくんと相葉くんも卒業する。で、また新しい生徒会ができる。でも・・・・みんながいなくなっても、俺はみんなと一緒にいられる・・・でしょ?」
4人が顔を見合わせる。
「そりゃ、当たり前じゃん!潤ちゃんが離れて行こうとしても俺らがついてくから!」
「そうそう、簡単に離れられると思うなよ?」
「潤くんは、俺らの宝物だから」
3人の言葉にほっとして―――
ふと智を見ると、なぜか一人仏頂面で。
「智?智は、いやなの?」
「そうじゃなくて。俺はすっごくすっごく潤のこと好きなのに!」
「・・・俺も、4人が大好きだよ」
その言葉に、智が盛大なため息をついた。
「やっぱり、4人なんだよな」
智が下を向くと、他の3人がにやにやしながらその顔を覗き込んだ。
「智くん、そこはもうあきらめた方がいいと思うよ?」
しょおくんの言葉に、それでも智はいやいやという感じで首を横に振る。
「潤は俺が最初に見つけたのに!俺が一目惚れして、俺の宝物にしたかったのに!なんでいつの間にかみんなのものになっちゃってんだよ!」
「諦め悪いなあ、大ちゃん」
「まあ、いいじゃないの。大野さんのものにならなくっても潤くんは俺らのものになってくれたわけだから」
「ニノ、言い方・・・・。俺は別に誰のものでも・・・・」
「ただの『モノ』じゃないよ!潤は、俺たちの宝物なの!」
力いっぱいそう言い切ってちょっと自慢気に腕を組んで頷く智を見て・・・・
俺は、なんとも言えない幸せな気持ちになっていた。
『宝物』
そう言ってくれる人たちが4人もいて。
きっとこれ以上の関係なんてないって不思議な確信があった。
「・・・・ありがと。俺にとっても4人は宝物だよ。ずっと一緒にいたい」
4人が笑顔で俺を見つめる。
そう、この笑顔があれば。
何があっても大丈夫。
誰かのものになるなんてありえないと思ってたけど・・・・
この4人になら、『所有』されてもいいかなって、そう思えるよ・・・・・。