久しぶりのきみに会いたかったシリーズの続きです。
ここから最終回にかけて、毎日更新の予定です!
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「俺が卒業したらさあ」
生徒会室で帰り支度をしていたら、智が唐突に言った。
みんなが智の方を見る。
「潤、俺のものになってよ」
「・・・・・・・はい?」
みんなが呆ける中、そう言ったのはニノだった。
「智くん、急に何言ってんの?」
しょおくんも眉間にしわを寄せて智をちらりと睨んだ。
「そうだよ、何、俺のものって」
普段優しい相葉くんまで低い声でそう言った。
「・・・・俺は、誰のものでもないけど」
よくわからないけど、俺はそう言った。
だって、俺は俺で誰のものでもない。
誰かと付き合ったとしたって、誰かのものになるわけじゃない。
「だって卒業したら今までみたいに潤に会えなくなっちゃうし」
「だからって」
「潤が他の誰かのものになっちゃうなんて嫌じゃん」
「誰かのものになんて、ならないよ。なんでそんな風に思うの」
俺の言葉に、今度はしょおくんたちまで俺を見る。
「え?何?」
「潤くん、あのね、そういう物理的な話じゃないんだよ」
立ち上がっていたニノが、自分の椅子に座り直して言った。
「そうだな。智くんが言ってるのは『潤の気持ち』ってことだ」
しょおくんもそう言って椅子に座った。
「でも、それこそ潤ちゃんの気持ちなんて・・・自分のものにしようと思ってできるものじゃないじゃん」
相葉くんが至極もっともなことを言った。
「でも、俺は潤を他の誰にも渡したくない。だからその潤の気持ちを、俺にちょうだい」
そう言って、智はにっこりと笑ったのだった・・・・。