今回のお話は2015年2月にUPしたお話です。
内容はデジコンでメンバーが心拍数を計る装置を装着していたところからの妄想。
これは会場に観に行けたんですよねえ。
ほんと、いつも嵐のコンサートは激戦でした。
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「今日は、最高いくつだっけ?」
「え~・・・・183・・・・」
「それ普通なの?それともどっか具合悪いの?」
俺の言葉に、潤くんが苦笑する。
「具合は悪くないって。緊張してるだけだよ」
「ほんとに?最近さ、収録中でもよくしゃがみ込んだりしてるじゃん。大丈夫なの?」
「だ~いじょおぶだって。ニノ、心配しすぎ!」
ふはは、と無邪気に笑う潤くんに、だけど俺の不安は消えない。
大体、コンサート中に心拍数を測るとか、どうしてそんな話になったんだろう?
もしかしたらどっか悪いところでもあって、ドクターストップかかってたりする?
コンサート中の心拍数測って、ある数値以上になったら中止にしなきゃいけないとか言われてる?
今まで潤くんの演出に注文つけたことなんてないけど、連日のように高い数値を叩きだす潤くんの心拍数に、どうしても心配になる。
「・・・潤くん」
俺はDVDでコンサートの様子を見つめる潤くんの後ろから、その体を抱きしめた。
「んふふ、なんだよ、どうした?」
コンサートに合わせて絞り込まれた体は適度な筋肉を残し、ほっそりとして腰にくびれを作っていた。
「・・・倒れちゃわないでね」
「大丈夫だって」
「もし、コンサート中に倒れたら・・・・」
「・・・・倒れたら?」
「俺が、一番に駆けつけて、お姫様抱っこしたげるね」
「ふはは!なんだそれ」
「笑い事じゃないよ!もし倒れても、他のやつに潤くん運ばせたりするのは嫌だからね!」
「・・・・・カズ」
「・・・・なに?」
「俺、コンサート中には絶対倒れないよ。それに・・・・」
「それに?」
「・・・カズ以外の人の前でも、倒れないようにする」
潤くんがDVDの停止ボタンを押し、くるりと体の向きを変え、俺の顔を覗きこんだ。
「逆に、カズが倒れたら俺がお姫様だっこしてあげる」
「それは、やだなぁ。俺、お姫様じゃないし」
「俺だって」
「潤くんは、俺にとってお姫様なの」
「ふふ・・・・じゃ、カズが王子様だ」
「背ぇ、低いけどね」
「でもかっこいいよ」
そう言って、俺の頬に軽くキスをしてくれる。
そんなんじゃ、全然足りないよ。
でも・・・・
ツアー中は、我慢しないとね。
俺の大事なお姫様が、倒れてしまわないように・・・・