きゃーーーーー!!
嬉しいお知らせがありましたね!
まずすごい倍率だとは思いますが、潤くんの舞台、絶対観に行きたい!!
まだ申し込みも済んでないけど、どうか当たりますように!!
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『俺が好きなのは―――今、目の前にいる、4人だよ』
潤の言葉に、俺らは一瞬ピタリと動きを止めた。
いや、好きだと言ってくれるのは嬉しい。
だけど、潤はいつも俺たち4人のことを好きだと言ってくれている。
あの時、母さんたちに報告した『好きな人』と言うのは、そういう『好き』ということなのか・・・・?
俺らの微妙な表情に気づいたのか、潤がちょっと首を傾げた。
「あれ?伝わらない?」
「いや・・・ていうか、潤が俺らのことを好きでいてくれるのは知ってるって言うか、わかってるって言うか・・・」
どう言ったらいいかわからない。
そんな俺を、カズが呆れたように見る。
「しっかりしてよ、智。長男でしょ」
「んなこと言われても・・・・てっきり、知らない女の子の名前とか言われるのかと思ってたから」
「智は・・・・てか、みんなそう思ってたの?俺が誰か女の子の名前言うって」
潤の言葉に、みんなが頷く。
「・・・その方がよかった?」
『いや、よくないけど』
即答した俺たちに、潤がふっと笑う。
「よくないの?」
「いや、だって、俺らずっと考えてたんだよ!潤の好きな人って誰だろうって。俺ら4人、誰も何も気づいてなくて、潤にそんな好きな人がいるなら絶対気付くはずなのにって思ってたんだよ」
俺の言葉に、他の3人も頷く。
潤は、そんな俺らの顔をじっと見ていたけれど―――
「―――だって俺、4人よりも好きな人なんて、いないもん」
「潤、けどそれは、兄弟としてって意味で―――」
「ちがうよ」
『え?』
4人の声が重なる。
潤の目が、微かに潤んでいた。
「違うんだ・・・・。俺、本当に・・・・4人が好きなんだ」
「潤?それってどういう意味で・・・・」
潤は、ふっと短く息を吐き、再び椅子に座った。
「―――前に、俺、智に聞いたでしょ?俺がどんな人間でもここにいていいかって」
「うん」
「俺ね・・・・気付いちゃったんだ。あの時―――久保田の盗撮騒ぎの時」
プールで潤を盗撮していた体育教師の久保田。
その久保田が、それまでにも潤の体を触っていたことを知って俺らは激怒した。
あの時、潤はとてもショックを受けていた。
それは、その前に小栗から告白されていたという出来事もあり、余計に動揺していたんだと俺は思っていたけれど―――
「俺ね・・・・たぶん、ゲイなんだ」
意を決したようにそう言った潤に、俺たちはすぐに言葉を発することができなかった。
「・・・前から、女の子から告白されたときに感じてたんだ。俺、女の子を恋愛対象として見れないって。小学生の頃までは、まだ自分が子供だからだと思ってた。でも・・・中学生になって、何度か男の子から告白されて」
「何度か?」
雅紀が、顔を上げたが。
「雅紀、今はちょっと待て」
翔くんにそう言われ、雅紀はまた黙った。
「俺・・・男の子から告白されたときの方がどきどきしてることに気づいたんだ。付き合う気なんてなくても、好きって言ってもらえることが嬉しかった。断る罪悪感はあったけど・・・それでも、好意を持ってもらえることが嬉しかったんだ。だから、もしかしたら男の子に対して思わせぶりな態度取ってたかもしれないって思った。旬に対しても―――」
「―――は?旬?潤くんそれどういう―――」
「カズ、お前もとりあえず聞けって」
カズをたしなめる翔くんが、ちらりと俺を見る。
―――あれ、翔くんも知ってる・・・?
「あ、ごめん、そのことはまた今度ね。とにかく―――自分が、男の子に対してそういう態度取ってたかもしれないって思って。だから、美術の岡田とか体育の久保田にも付け入られたのかもしれないって思って・・・」
「潤、それはちげえよ。あいつらはただの変態だから、そんな風に思う必要ない」
そう俺が言うと、潤は泣きそうな顔で俺を見て笑った。
「ん・・・。でも、自分がゲイかもって思ったら、今までの自分の気持ちが全部腑に落ちたって言うか・・・。それで、俺がゲイだって知ったらみんながどう思うだろうって思ったら、すごい不安になって」
―――だから、『俺がどんな人間でも』って言ったのか・・・。
「みんなに、嫌われたらどうしようって・・・・」
潤の目から、涙がポロリと零れ落ちた。
「何言ってんだよ、潤」
俺は潤の頭を撫でた。
カズが立ち上がり、タオルを持って潤のそばに行く。
「泣かないで、潤くん。俺らが潤くんを嫌いになるなんて、ありえないから」
そう言いながら、優しく潤の涙をふく。
「そうそう。どんな潤だって、俺らは潤が好きだよ」
と、翔くん。
そして、雅紀も
「俺らの方が、潤を好きだから!」
と、その言葉に、潤が一瞬きょとんとする。
「雅紀、ちょっと黙ってようか」
翔くんに肩を叩かれ、雅紀が「え~」と口をとがらせ椅子に座り直す。
その様子を見て、潤がちょっと笑う。
「ありがと・・・。今は、わかるよ。俺が引きこもってる時、みんながすごい心配してくれてたのもわかってる。でも、不安だったんだ。気持ち悪いって思われるんじゃないかって。あの岡田とか久保田に対してみんなが思ってたみたいに・・・・」
「そんなわけ、ないじゃん。潤くんのこと気持ち悪いなんて思うはずない」
カズの言葉に、潤は嬉しそうにうなずいた。
「ん・・・・。あの、引きこもってる間、なにが一番辛かったかって言ったら、みんなといつもみたいにふざけたりできなかったことなんだ。おかしいでしょ?自分で引きこもったのに・・・・」
「潤・・・・」
「それで・・・・気付いたの。俺、みんなの弟して、兄弟としてみんなが好きだけど―――でも、そうじゃなくて・・・その、俺、もしかして4人に恋してるのかなって・・・」
『!!!!』
潤の頬が染まり、その瞳は潤み―――
俺たち4人がどうして固まってるか、絶対わかってない不安げな表情で、俺たちを見つめたのだった・・・・。
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