これから音楽番組もたくさんありますね。
それから大晦日のライブも。
楽しみだけど寂しい。
複雑な気持ちのファンの方がたくさん。
もちろんわたしも。

『嵐以外に好きなもの見つけないとね』と前に同僚に言われました。
もちろん優しさから言ってくれた言葉です。

でも、考えられないよね。
だって、『好きなもの』って探して見つかるものじゃないですもんね。
気がついたら好きになってるもの。
そんな存在が嵐。
そして潤ちゃん。

人の気持ちって、理屈じゃないですよね・・・・



乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ

 

 

「ごめん・・・・俺、また倒れちゃったんだ」

翌朝、起きてきた潤はそう言って肩を落とした。

「大丈夫か?お前ほんと、無理し過ぎなんじゃないか?まだ顔色も良くない」

俺の言葉に、潤は首を振った。

「そんなことないよ、大丈夫。違うんだ。昨日は・・・・ちょっと油断したっていうか」
「油断?」
「うん・・・・。俺、彼女の悪意はニノに向けられてるものだと思ってたんだ。だから、ニノをどうやって守ったらいいのか、どうしたら守れるかってそればっかり考えてた。でも・・・・違った」
「狙いは、ニノじゃなかったってこと?」
「たぶん・・・・違う。昨日、ニノの中から彼女を見てたら、彼女の周りにあった黒い靄が・・・・・ニノを通り越して、俺の方に向かって来たんだ」
「え・・・・潤に?」
「そう。うまく説明できないけど、悪意に満ちた靄が、ニノの体を通り抜けて俺の方へ向かってきて・・・・その靄に、包まれたんだ」
「包まれたって・・・・・」
「まるで生き物のように、俺の体を包み込んで・・・・動けなかった。金縛りにあったみたいに・・・・・」

話を聞いているだけで、ぞっとした。

昨日、潤は倒れた後全く俺たちの呼びかけにも反応しなかった。
呼吸はしていたから生きていることはわかったけれど、もしこのまま目覚めなかった・・・・と俺はパニックになりかけた。
ニノが一緒にいなかったら、完全に我を失っていただろう。

「それで・・・・これからどうする?」
「・・・・彼女に、会ってみようと思う」

潤の言葉に、俺は自分の耳を疑った。

「は?何言ってんだよ!ニノを通して見てるだけでも倒れちまったのに、実際に会うなんて―――」
「でも、実際に会ってみないと本当の彼女の狙いが何なのかわからないと思うんだ」
「だけど、もしおまえの身に何かあったら―――」
「大丈夫だよ」
「なんでそんなこと言える?」
「だって、智も一緒にいてくれるでしょ?」
「そりゃいるけど!」
「誰かが見てる前で俺に危害加えるようなこと、彼女だってしないと思うし」
「でも!」
「大丈夫・・・・」

潤はそう言うと、俺の手を握った。

はっとする。

潤の手は、少しも震えていなかった。

にっこりと笑う潤。

「智が傍にいてくれたら、大丈夫。それより・・・俺は、大切な友達や、その人たちの大切な人に何かある方が嫌だよ。智だって・・・・ニノに何かあったら、嫌でしょ?」
「うん・・・・・いやだ」

ニノだけじゃない。
もし翔ちゃんや相葉ちゃんに何かあったら。
そう考えただけで落ち着かない気持ちになる。

「わかった・・・・じゃあ、彼女と会う時は絶対に俺も行くから。黙って1人で行ったりするなよ?」
「うん」

俺は潤の手を強く握り返した。
その手を絶対に離さないように・・・・




「で、彼女をここへ呼ぶことにしたのか」

俺の言葉に、潤は頷いた。

「うん。まずかった?」
「いや、良いけど。お前は本当に大丈夫なのか?彼女に会っても」

最初からずっと、潤は彼女に会うことを拒否していた。
今日は顔色もいいけれど。
彼女の依頼の話を聞いてからというもの、潤の体調がすぐれないことは知っている。

「大丈夫。智も一緒にいてくれるし・・・・とにかく、彼女に直接会ってみないと彼女の狙いが何なのかわからないから」

彼女―――白井蓉子はニノが車で迎えに行き、大野さんと一緒にこの事務所へ連れてくることになっていた。

「ちわー!潤ちゃん、今日あの女の人と会うってほんと?」

扉を開けるなりそう言って入ってきたのは相葉だった。

「あ、相葉ちゃん、コーヒーありがと。うん、良く知ってるね。ニノから連絡来た?」
「そう。もうすぐ着くからコーヒー持ってっといてって言われたの。大ちゃんも来るんでしょ?」

その時だった。
事務所のインターホンの音が鳴り響いた。

―――来た。




「はじめまして。あなたが・・・・・松本潤さん?二宮くんから話は聞いてますようやくお会いできてうれしいわ」
「・・・・はじめまして」

潤は、じっと彼女の顔を見ながら差し出された手を握った。

彼女は応接室のソファーにニノと並んで座り、その向かい側に大野さん、潤、俺が並んで座っていた。

白井蓉子も、じっと潤のことを見つめていた。
しばらく無言で見つめ合う二人。
もちろんそこに甘い雰囲気などはなく、張り詰めた緊張感が部屋に漂っていた。

「それで・・・・先日頼んだ義兄の不倫のことですけど。調べていただけました?」

先に口を開いたのは蓉子だった。

俺はちらりとニノの顔を見てから、口を開いた。

「・・・・とりあえず、昨日1日張りこみました。が、お義兄さん・・・・高岡博さんはきのうは残業で夜8時まで会社で仕事していて、その後はまっすぐ家に帰ってました。その後も12時前には就寝し、出かけることもありませんでしたね」

俺の言葉に、さほどがっかりした様子も見せず蓉子は肩をすくめた。

「そうですか」
「今日もずっと会社で。午前中は会議でずっと缶詰め状態でしたし、昼も同僚と会社のすぐ近くの定食屋で済ませ、その後もずっと車内で業務を続けていました。予定では今日も昨日と同じくらいの時間まで残業だとか」
「聞いたんですか?」
「定食屋で同僚と話していましたよ。もちろん、この後また張り込みに行きますけど」
「よろしくお願いします。それで・・・・どうして今日、ここへ呼ばれたのかしら。松本さんと会わせるため?」

彼女はちょっと戸惑ったように笑い、潤を見た。

「・・・・すみません、ずっとお会いできなかったので、一度ちゃんとご挨拶したくて。僕の方から伺いたかったんですけど」

そう言って潤もにこりと笑った。
今のところ、特に潤に変化はなかった。

「それはご丁寧に・・・・。わたしの自宅は1人暮らし用のマンションで狭いので。それに、近所の人の目もあるのでお会いするならこちらでって二宮くんにお願いしていたのよ。ところで、あなたもこれから義兄のこと調べてくれるのかしら」
「ええ、もちろん。所長の方から話は聞いていますが、僕も直接聞いていいですか?お義兄さんはどんな人ですか?」

蓉子から義兄や姉の話、それから依頼内容を改めて説明してもらい、潤はその話の間じっと蓉子を見つめていた。

潤は、話をしている時その相手をじっつ見つめる癖がある。
俺たちはもう慣れてしまったが、初めて潤と会う人間は、たいていそのじっと見つめられることに戸惑ったり照れたりするものなのだが。
蓉子は、今までの人間とは違っていた。

見つめ返すというよりは、まるで睨みつけるように。
敵意すら見えるような視線を、潤に向けていたのだった・・・・・。

 

 

 


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