そうなんですよ。
このお話も途中だったんですよね。
ちょっとお話書く気力が出てきたので、連載途中のお話を、片っ端から片付けていきたいな、と思っています！
みなさまも久しぶりで忘れているかと思いますが・・・・
また感想とかもいただけたら嬉しいです！
「・・・・・何でニノと大野さんまでいるの」
ガタゴトと揺れる電車の中。
ボックス席の向かい側には白いTシャツに短パンという、まるで兄弟かと思うような似たスタイルの2人が座っていた。
「だって、翔さんが海に行くっていうから。夏休み、特に予定もなかったし付き合ってあげようかと」
ニノの言葉に大野さんも頷く。
「翔ちゃん1人じゃかわいそうだしな」
「ですよね」
「いやいやいやおかしいだろ！俺別に付き合って欲しいとか言ってねえし！かわいそうじゃねえし！」
まったく！
そもそも、俺がぐずぐずしてたのが悪いとは言え。
何で松本に会いに行くのに、この2人まで・・・・
夏休みに入り、俺はなんとか松本と2人で会えないかとその機会を考えていたのだ。
そして意を決し松本に電話したら―――
『今、雅紀と海に来てるんだけど』
という松本の声。
その電話の向こうから、波の音が聞こえていた。
そういえば、相葉の家族と海に行くかもって言ってたな・・・・
夏の海。
学校からは遠く離れてる。
このタイミングを逃す手はない！
というわけで、その場所を聞き出し、俺はすぐさま松本に会いに行くべく、出発したのだったが・・・・・
「だいたい翔さん、準備に時間かかり過ぎだし。一体何一泊まるつもりなの、その荷物」
ニノが呆れたように網棚に載せた俺のボストンバッグを見上げて言った。
「いや・・・・泊まりになると思ったから、着替えとかいろいろ必要だと」
「や～らし～～～翔ちゃんってば」
「大野さん！」
大野さんがわざとらしく口を抑え、俺を見る。
「そんなんじゃないよ。大体、あんたたちこそそんなんで足りるの？日帰り？」
小さなウエストポーチを腰に巻いた大野さんと、よれよれのデイバッグを抱えてるニノ。
そんなんじゃパンツくらいしか・・・・
「パンツだけありゃ十分でしょ」
「ですよね」
「・・・・・・」
「え、櫻井先生来るの？ここに？」
海から上がってきた雅紀が、浮き輪片手に俺のいるテントまで戻ってきて座った。
すっかり日焼けした雅紀はなかなかワイルドでかっこいい。
「泊まるとこあんのかなあ」
「ホテルとったって言ってた。ちょうどキャンセルの出たとこがあったらしくて、すぐに向かうって言ってた」
「ふーん・・・・・」
雅紀が、ちょっとおもしろくなさそうに口を尖らせる。
「やなの？まぁ」
「そうじゃないけどさ・・・・潤ちゃん、どうすんの？」
「何が？」
「櫻井先生と・・・・付き合うの・・・・？」
「・・・・まぁは、反対なの？」
「だって・・・・・」
雅紀が俺を心配してくれる気持ちは、ちゃんとわかってるつもり。
昔から傍にいてくれた雅紀。
学校で辛かった時、雅紀がいてくれたから、俺は耐えられたんだ。
雅紀がいてくれたから、笑うことができたんだ。
感謝してるんだ、すごく。
「・・・・・俺も、櫻井先生のことは好きだよ」
「まぁ・・・」
「いい先生だと思うよ。潤ちゃんのことも、ちゃんと考えてくれてるし。でも・・・・それでも俺、潤ちゃんが心配なんだ。また潤ちゃんが傷ついたらって・・・・」
「・・・・まぁが傍にいてくれるなら、俺は大丈夫だよ」
「え？」
「ダメ？あ、まぁに彼女とかできたら、無理だと思うけどさ」
「だ、ダメじゃない！ダメじゃないよ！もし彼女が出来たって、潤ちゃんに何かあったら俺、絶対潤ちゃん助けに行くし！」
雅紀の真剣な顔に、思わず笑う。
優しい雅紀。
だから、好きなんだ・・・・
「・・・・あ」
「ん？」
「あれ・・・・櫻井先生？と・・・・・」
雅紀の視線を追うと、砂浜の先に、櫻井先生。
と・・・・
「あれ、大野せんせーと二宮せんせー・・・・？」
なぜか、3人がこちらに手を振りながら歩いてきたのだった・・・・・
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