なんだかいろんなことがありますね・・・
でも潤ちゃんを信じていれば、きっと間違いないとわたしは信じてます。
潤ちゃんの言葉が何よりのお守りです。
「あ・・・・・かわいい」
俺が薄紫色のドレスを着て衣装部屋から出ると、カズが小声でそう呟いた。
その言葉に、思わず恥ずかしくなる。
「こ、この色、すごく綺麗だったから・・・・」
「うん、俺もそう思ってたよ。潤くんには紫が似合うと思ってたんだ。思った通り、すごく似合ってる」
「そ、そう・・・・かな・・・・」
「・・・・・本当に可愛い。写真、撮っておこうかな」
「え・・・・写真?」
この姿、写真に残っちゃうの・・・・?
「大丈夫。この家の人間以外には絶対見せないから」
「う、うん・・・・」
カズがスマホを手に取り、俺に向けて撮影を始める。
俺はどうしたらいいのかわからずそのまま立ちすくんでいると・・・・・
「・・・潤くん、ベッドに座って」
「え?」
「そのベッドに座ってるとこ、撮りたいから。ね?」
「う、うん・・・・」
俺は言われるがままに、ベッドに腰を掛けた。
真っ白なシーツがかけられたベッドの座り心地は柔らかく、なんだかふわふわとした俺の心みたいだった。
ベッドに座った俺をしばらく撮影していたカズは、ふと手を止めてスマホをベッド脇にあった小さな丸テーブルに置いた。
「・・・撮影、終わり」
そう言って、カズは俺の隣に座った。
微かな振動と、あと数センチで触れるという近い距離になんとなく緊張する。
なんだろ・・・・
カズの持つ雰囲気は不思議だった。
同い年で、見た目もどちらかと言えば童顔なのに、どこか大人びてる感じ・・・・
「・・・潤くん」
不意に、カズが俺の顔を覗きこむ。
「な・・・何?」
「教えてあげるよ・・・・どうして潤くんがここへ来たのか」
「え・・・・」
「知りたいんでしょ?」
じっと俺を見つめるカズ。
俺は、黙って頷いた。
「・・・・じゃあ、目を閉じて」
至近距離で俺を見つめるカズの顔は、微かに微笑んでいて・・・・
何を考えているのか、全く分からなかった。
「ほら、早く」
急かされるように言われ、俺は咄嗟に目を閉じた。
そして。
唇に、柔らかい感触。
キスされたのだとわかったのは、驚いて目を開けた瞬間、目の前にカズの閉じられた瞳が見えてからだった・・・・
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