また、99.9の公式グッズが発表されましたね!
今度は手帳とお饅頭(名刺付)
また、早めに予約しないとなくなってしまう感じかなぁ。
それからヤマザキパンとのコラボも!
ランチパック、ぜひゲットしなければ!
公式ツイッター含め、毎日楽しみが絶えません♪


手帳と饅頭
ランチパック1
ランチパック2




 

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「お、松本ぉ、また櫻井先生に会いに来たのかよ」

冷やかすような声をかけてきたのは、ちょっと年配の国語の教師だ。
その声に、松本はにっこりと笑う。

「はい。先生、あとで国語教えてください」
「おー、いいぞ!」

にやにやと頬を緩める教師。

―――まったくこいつは・・・・

最近、ちょっと松本のことがわかってきた。
こいつは自分が年上にうけるつぼを知ってるんだ。
だからこうして職員室に入り浸っていても怒られるようなことは絶対にないし、逆に教師たちにかわいがられているのだ。
そして、最近は視聴覚室ではなく職員室の隅のスペースに机と椅子を置かせてもらい、勉強を教えるようになっていた。
2人きりになるのはまずい、というニノの意見を聞き、俺から提案したのだけれど、松本は何も疑問を口にするでもなく『わかった』と言った。
もしかしたら、松本も同じことを考えていたのだろうか・・・・。

「松本くん、わたしが英語を教えてあげましょうか?苦手だって言ってたでしょ?」

新任の女性教師が松本ににこやかに話しかけた。
若さはもちろん、小柄で可愛らしくいつもニコニコしているので生徒にはとても人気がある教師だった。

「うん、今度教えて。先生の英語の発音、超きれいだから聞きやすい」
「ほんと?松本くんのそんな風に言ってもらえるなんて嬉しいな」
「ほんとのことだもん。絶対約束ね」
「もちろんよ」

松本のすごいところは、年配の頭の固い教師と若く柔軟な教師に対しての態度が微妙に変わるところ。
言葉遣いがそれで、年配の教師に対しては敬語を崩すことなく使い、若い教師に対してはまるで親しい友達と話すように親しげに話しかける。
どちらにしても相手が気を悪くすることはなく、その笑顔にすっかり気を許してしまうのだ。

「・・・お前、うまいよな」
「ん?何が?」
「いや・・・・どこの世界でもやっていけそうだなと思って」
「んふふ、何それ」
「将来、なりたいものとかあるの?」

俺の言葉に、松本はきょとんとした表情で目を瞬かせた。

「なりたいもの・・・・まだ、わかんない。せんせーは?なんで教師になろうと思ったの?」
「俺?俺は・・・・まぁ、ありきたりだけど高校の時に世話になった先生の影響、かなぁ」
「そうなんだ?」
「結構破天荒な先生だったんだけど、すげえ面白い先生でさ、いい加減そうに見えるのに、俺たちに見えないところで生徒のためにいろんな努力をしてくれてたの。それ、卒業するまで全然知らなくて・・・・副坦に話し聞いた時、俺泣いたもん。で、すげえ人だなって。あんな人になりたいって思ったの。まだ、全然追いつかねえけどな」
「・・・・櫻井せんせーはすごい人だよ」
「え?」

松本が、俺を見つめてにっこりとほほ笑んだ。

「俺にとってはね」




たとえ、それが『教師』としての俺に言った言葉だったとしても。
あの笑顔で言われたら、破壊力抜群で。
もう、松本のことで頭がいっぱいになってしまう。
これはやばい。
本格的にやばい。
授業中でも、知らずにあいつに視線が行ってしまう。
そんなとき、目が合うとあいつはちょっと恥ずかしそうにはにかむんだ。
そういう表情がまた可愛くて、授業にも集中できなくなってしまう・・・・・

「櫻井せんせー!松本のこと好き過ぎ!今授業中だよ!」

1人の生徒が冷やかした。
どっと教室が湧く。
ただ1人、笑っていなかったのは相葉雅紀だ。
じっと俺を睨みつけ、シャーペンを握っていた手に力を込める。
それはただ、怒っているというよりももっと違う何か・・・・憎しみのようなものを感じる視線だった。

相葉雅紀は、明るく優しく、いわゆるクラスのムードメーカー的存在だった。
松本とは親友同士だったけれど、他のクラスメイトや同じバスケ部の連中とも仲が良く、大勢の輪の中心にいつもいるような生徒だった。
いつも笑顔のお調子者。
だけど、今俺を睨みつけている相葉はそんないつもの相葉とはまるで別人のようだった・・・・・。



「櫻井先生、話があります」
「・・・・わかった」

学校を出た俺を待っていたのは相葉だった。
今日、松本は俺のところへ来なかった。
それはもうテスト前で、生徒は授業が終わると早々に寮へと返されるからだった。
俺たち教師はテストの作成に追われ、帰る頃には外は真っ暗になっていた。

俺は相葉を寮とは反対側の場所にある、ファミレスへ連れて行った。
寮の傍のファミレスは学校の生徒が多くて見られる心配があるが、こちらは学校からも少し離れていて、寮の反対側にあるので利用する生徒はほとんどいなかった。


「―――潤ちゃんには、もう近づかないでください!」

席に着くなり、相葉はそう言って俺に頭を下げた。

「ちょ・・・・落ち着けよ、まずは何か注文して―――」
「あ・・・・はい、すいません」

相葉がちょっと赤くなり、メニューを広げた。
素直なんだよな。
すごくいい子なんだ・・・・・。

「・・・・で、松本に近づくなって?」
「潤ちゃんが・・・・傷つくのが、いやなんです」
「どうして傷つくって・・・・」
「だって、先生は先生じゃないですか」
「そりゃあ・・・・」
「どんなに潤ちゃんが先生のことを好きになったって、先生が潤ちゃんと付き合えるわけないでしょ?俺、バカだけどそれくらいわかるよ。先生は、生徒と付き合うことなんてできない。そんなことがばれたら先生をやめさせられちゃうから。潤ちゃんのことすごくかわいがってたって・・・結局自分の方が大事なんだよ。先生なんて、みんな同じだもん」

相葉の目には、涙が光っていた。
その姿に、俺の方が戸惑う。

「相葉・・・・?なんで急にそんなこと言うんだ?松本が・・・・どうかしたのか?」

俺の言葉に、相葉は首をぶんぶんと振った。

「潤ちゃんのことは、俺が守るから!どんなに潤ちゃんが傷ついても、絶対に俺が潤ちゃんを守る!だから・・・・まだ、今なら間に合うから・・・・だから、お願いします。潤ちゃんのことを―――諦めてください」

そう言って相葉は、テーブルに頭が着くほど―――
いや、実際にテーブルに頭を打ち付け、ごん!と鈍い音が鳴るほど。
深く深く、頭を下げたのだった・・・・・。




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