アンケート1位の、ニノ潤のお話です。
お医者さんのニノと、患者の潤ちゃん。

あ、ご報告遅れましたが、アリーナツアー、外れました。
去年から続き、落選ばかり・・・・
でも、今年はまだワクワクとドームツアー(多分)が残ってますもんね。
もしそれが外れても・・・・
人気があるんだから仕方ないと、潔く諦められるようにしたい・・・・です。
DVD買うし。
グッズも買うし。
ドラマもあるし。
潤ちゃんに会えなくても・・・・
映像で見られるだけでも、幸せなんです。




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「松本さーん、回診の時間ですよ~」

看護師が扉を開けると、ベッドに起き上っていた松本潤がこちらを見た。
その松本潤の体にもたれかかるようにしてベッドに腰掛けているのは、松本と同じ年頃の女子高生で―――

「やだぁ、いいとこだったのにぃ」
「ふ・・・・今日はもう終わり。帰れよ」
「えー!ウソでしょ?ミユ、まだ帰りたくなーい!」

女子高生が甘えた声を出し松本の首に腕を回す。
まったく・・・・見ちゃいられない。
そう思ってため息をついた時。

松本が、女子高生の腕をぐっと掴み自分の体から離した。

「もうくんな」

それは、とても冷たい声だった。
茶色がかった大きな瞳も今は細められ、鋭く女生徒を睨みつけていた。

「・・・・・!」

女生徒は何も言えず、ベッドに投げ出されていたバッグを掴むと、病室を飛び出していったのだった。

「・・・お待たせ、先生」

いつものように、松本はにっこりとほほ笑んだ・・・・・。



松本潤。
高校3年生だという彼は3日前にこの病院に入院した。
日本人離れした整った容姿。
父親が会社の経営者だという彼は個室に入り、やたらと面会に来る人間が多かった。
さっきの女子高生のような若い子がほとんどだったが・・・・

「ごめんね、うるさくして」

さっきまでの迫力が嘘のように無邪気な笑顔。
この笑顔がかわいくて、看護師や俺以外の医師も松本潤には何も言えない。

「いや、いいけど。モテモテで大変だね」
「別に・・・・あいつらにもてても、嬉しくない」
「へぇ、なんで?」
「うるさいもん。俺、先生のが好み」
「――――あ、そう」

一瞬、固まってしまった。
言うことが、突然すぎる。
思わずドキッとしてしまったじゃないか。
そういう突発的な出来事には強い方なんだけど・・・・
まさか、そんなこと言われるとは思ってなかったから。
俺は慌てて診察を済ませるとその部屋を後にしたのだった。



「え・・・・松本くんがいない?」
「そうなんです。夕食を持って行ったら部屋にいなくて・・・・今、看護師たちが探してます」

婦長が困り顔で溜息をついた。
松本潤は肺炎を悪化させて入院していた。
高熱と胸痛が治まらず、咳もひどく呼吸困難を起こしていたのだ。
入院してからは薬と点滴の投与で回復してきてはいたけれど、まだ熱は高いままだった。

「―――僕も探しますよ」
「あら、二宮先生が?今日はもうお仕事終わりじゃ―――」
「だからですよ。特に急ぐ用事もないし」
「そうなんですか?彼女とデートでもなさるのかと」
「ふはは、そんな相手いませんよ」
「本当ですか?先生なら引手数多でしょうに」
「ふふ・・・・冗談でしょ」

俺は意味深な笑みを浮かべる婦長を後にエレベーターへと向かった。
別に理由があるわけじゃない。
この病院は6階建てで、屋上は高いフェンスに囲まれ患者も自由に利用することができる。
と言ってもベンチが数台あるだけで何もなく、タオルなどの洗濯ものが大量に干されているのであまり利用する患者はいなかった。
それでもまずは一番上から探してみようと思って屋上まで上がってみた。
すでに洗濯物はかたずけられ夜の闇に包まれた屋上は静かで、人の姿など―――

「・・・・松本くん?」

3人がけの木のベンチに、その姿はあった。
こちらに背を向けているが、その後ろ姿は間違いなく松本潤だった。
俺の声に、松本は首をそらせ、体をのけ反らせるようにしてこちらを見た。

「あ、二宮せんせーだ」
「・・・何してんの、こんなとこで。みんな心配して探してるよ」
「ここのごはん、まずいんだもん」
「まぁ・・・・それは否定しないけど」

病院食というのは、どうにも味気ないものだ。

「・・・せんせー、お仕事終わり?」
「うん。もう帰るところ」
「なのに、探しに来てくれたの?」
「まあね。暇だし」
「ふふ・・・・そういうときって、俺のことが心配だからとかいういもんじゃないの?」
「心配だってしてるけど」
「嘘ばっかり」
「嘘じゃないよ。なんでそんなこと言うの」
「・・・・・もう、戻るよ。みんなにそう言っといて。せんせー、早く帰んなよ」

俺に背を向け、そう言い放つ松本の声には何の感情もこもっていないようだった。
俺は、ゆっくりと歩き出すと、松本の隣に座った。

「・・・・付き合うよ。どうせ暇だし」
「心配しなくても、ここから飛び降りようとかしないし」
「そんな心配してないよ。ここのフェンス、そう簡単には登れなくなってるでしょ」
「そうだね。残念」
「・・・・何かあった?」

俺は、松本の横顔を覗き見た。
綺麗な、まるでギリシャ彫刻のように整ったその横顔に、見惚れずにはいられない。
白い肌に長い睫毛。
本当に、きれいな・・・・・

「せんせー、彼女いる?独身でしょ?」
「独身だよ。彼女もいない」
「もてそうなのに」
「婦長と同じこと言うね」
「んふふ。だって本当だもん。でも、よかった」
「何が?」
「俺、二宮せんせー好きだから」
「・・・からかわないでよ」
「本当だよ」

そう言って、松本は俺の方を見て妖しい笑みを浮かべ―――

気付けば、目の前に松本の長い睫毛。

唇に、柔らかい感触。

一瞬だけ触れて、すぐに離れ―――

にこりと笑った。

「大好き」




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