すっごい久しぶりで、この連載の存在を忘れていました(汗)
なので、一気に最初から読み返して、続きを書いて・・・・
なんだかあっと言う間に終わってしまった。
これ書いた時も、ちょっともやもやしてたんですよね。
でも、なんか今は結構気持ちもすっきりして落ち着いてきてるので・・・
なんとなくいい感じに終わらせることができたかなと思っています。
今度また、ドロドロのお話にも挑戦してみたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


 


体の隅々まで翔くんに愛され、最後にはその意識を手放していた。



優しいキスに、ぼんやりと意識を取り戻す。

「・・・・しょおくん・・・・・?」
「ごめん・・・・止まらなくて・・・・・無理させた」

翔くんの、ちょっとごつごつした優しい手が俺の頬を撫でた。

「しょおくん・・・・俺・・・・」
「俺、お前のことはもう諦めないから」
「え・・・・」
「智くんが教えてくれたんだ・・・・。本当に好きなら、諦めちゃいけないって・・・・だから、俺は諦めない。たとえ智くんがお前のことを好きでも・・・・」

その時、ベッドの下に落ちていた俺のスマホがラインの着信を告げた。

「―――智くん?」
「・・・・うん」

文面を見て、迷ってる俺の後ろから翔くんの手が伸びてくる。

「あ!」
「・・・・今から会いたい・・・・ね。行くの?」
「行かない・・・・・行けないよ・・・・」

体中、翔くんに愛された痕が残ってる。
こんな状態で・・・・・

「行けばいいじゃん」
「え?」
「俺は構わねえよ。むしろ、見せつけてやりたいね」
「しょおくん・・・・」
「・・・・そんな顔すんな。智くんとケンカしたいわけじゃない・・・・・でも、これだけは覚えておいてほしい。お前の恋人は・・・・この俺だから」

そう言って、軽く俺の唇に指で触れ微笑む翔くんは、少し切なげに見えた・・・・・。




「智?具合悪い?」

潤を待っている間にうとうとしていたらしい。
今日はきっと、翔くんと会ってると思ったんだ。
潤は相葉ちゃんと撮影って聞いてたけど・・・・

「んぁ、だいじょぶ・・・・来てくれたんだ」

俺の顔を心配そうにのぞき込んでいた潤の腕を引っ張り、バランスを崩した潤の体をそのまま抱きしめる。
柔らかな温もりに、少し安心したけれど・・・・

―――翔くんの、匂い・・・・

「・・・・・さっき、翔くんからライン来たよ」
「え」
「・・・・諦めないって」
「・・・・」
「ふふ、おかしいよね。翔くんは潤の恋人なんだから、諦める必要なんて始めからないのに」
「智・・・・」
「だから、返しといた。俺も、諦めないって」
「・・・・・」
「でも、俺、翔くんも好きだから」
「え?」
「翔くんから潤を奪おうとか・・・・そんなことは考えてないんだよ」

潤が戸惑ったように俺の顔を見つめる。
俺はソファーに起き上ると、潤を隣に座らせその手を握った。

「・・・いつも、困らせてごめん。でも、今まで潤に言ってきたことは本当だよ」

不安そうな瞳が揺れ、俺を映している。

「でもね・・・・嵐の関係を壊すつもりも、ないんだ。そんなことしたら、きっと俺は一生後悔する。そんなことには絶対なりたくない。だからね・・・・もう、あんなことはしない」
「どういうこと・・・・?」
「昨日、潤を抱いて・・・・幸せだったけど、あのあとすごく辛かった。翔くんの辛い顔が頭に浮かんで・・・・俺、自分が楽になりたいからって、翔くんに辛い思いさせちゃうんだって思ったら・・・・潤を抱く前よりも、辛くなった」
「智・・・・・」
「潤が、すごく好きだよ。こうやって一緒にいたら触れたいって思うし・・・・ちゅーもしたい。でも、それは潤のことも傷つけることになっちゃうんだなって思ったら・・・・我慢するしかないよな」

潤の瞳から、涙が零れ落ちた。

「泣くなよ」
「だって・・・・智、何も悪くないのに・・・・俺、智に何もしてあげられない・・・・」
「そんなことないよ。潤が俺のためにずっとそばにいてくれて・・・・俺、本当に幸せだよ?」

ぽろぽろと綺麗な涙を流す潤の体を、きゅっと抱きしめる。
震える肩がいとおしい。

「潤が、大事なんだ。もう辛い思い、させたくない・・・・。でもね、俺ってわがままだからさ。ときどき独り占めしたくなっちゃうんだよ。そんときは・・・・ちょっとだけでいいから、俺に会いに来て。翔くんのところに帰っていいから・・・・ときどき、俺にもちゅーさせて」
「・・・・・うん」

優しい潤。
きっと俺が翔くんと別れてくれなくちゃ生きていけないって言ったら、別れてくれる。
でもそれじゃあ、潤は幸せにはなれない。
潤の幸せが、俺の幸せだから・・・・。

「もし・・・・潤よりももっと好きな人が出来たら、そのときは―――潤に、一番に報告するよ」

そんな人は、現れないだろうと思う。
誰といたって、結局俺の中の一番は潤だから。

「だから、それまでは・・・・俺のわがままに、ちょっとだけ付き合って」
「うん・・・・・うん・・・・・」

それから俺は、ずっと潤を抱きしめてた。
潤がときどき困ったように俺を見つめるけど、離してやらなかった。
ずっと朝まで、潤の温もりを抱きしめて―――

いつの間にか潤が寝てしまった頃、再び翔くんからラインが。

『潤、まだいるの?』

ふふ、心配なんだろうなあ。

「いるよ」

そう答えを返して。
潤のかわいい寝顔をスマホで写し、ラインで送る。
すぐに返信が来る。

『迎えに行く』
「まだ寝かしてあげて」
『いくら智くんでも、潤は渡せない』
「大丈夫、わかってるから」
『?』
『どういうこと?諦めないって・・・・』
「でも翔くんも好きって言ったでしょ?」
『それ、意味がわかんない』
「好きな人を悲しませたくはないから。ときどき、会いたくなったら潤に会わせて」
『会うだけ?』
「ちゅーぐらいはいい?」
『ダメ』

即答する翔くんに、思わず笑いが漏れる。

「じゃ、会うだけでいい。俺、ずっと嵐でいたいから」
「ごめんね、翔くん」
「ありがとう」

続けざまに送信して、しばらく間があり―――

『どういたしまして』

一言、返ってきた言葉にほっとする。

『こちらこそありがとう』

律義な翔くんらしい言葉。
きっと、今も潤のことが心配で仕方ないはずなのに・・・・・

ずっと潤が好きだった。
でも、嵐が何よりも大事だから。
俺の気持ちは・・・・最初から決まってたんだ。
ただ、ちょっと悪あがきしたかっただけ。
ちょっとだけ・・・・
潤を独り占めしたくなっただけ。

きっと今頃車に乗ってるかな。
翔くんが来たら、潤を起こしてやろう。
そんで、別れ際にちゅーしちゃおう。
翔くんの焦る顔が目に浮かぶ。
ただ返してあげるんじゃ悔しいから。
そのくらいのいたずらは、きっと潤も許してくれる。
なんだかんだ言って、潤は俺のこともすごい好きだから。

だから、それまでは―――
この腕の中で穏やかに眠る潤を見つめていたい。
ほんの少しの間だけ。
俺が独り占め・・・・・



                         fin.




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