やりやがったよ、この人。
ええ、やってやりましたとも(何の話)
連載をストップしているというのに、また新しいお話始めやがりましたよ(日本語下手)
だって連載書けないんだもん。
でも妄想は浮かんでくるんだもん。
それでやっぱり、智潤なんだもん。
ツアーも落選したし、もう今年は他に楽しみないし。
いや、実はこの数日間いろいろな妄想が浮かんでは消えての繰り返しでして。
翔潤だったり、雅潤だったりニノ潤だったり・・・・。
ほんとにいろいろ考えてたんですけども。
はたと気付いてみると、どのCPのお話も、智潤前程というか、智潤が別れてからの恋・・・・みたいな話ばっかりだったんですよ。
なので、結果暗い話ばっかりなの。
結果、潤ちゃんが泣いちゃうの。
で、そんなお話今書きたくないなあって思いまして。
暗い話じゃなくて、すごく明るくて、笑える話がいいなあと思って考えたのが今回のお話です。
このお話を終える頃にはストップしている連載のお話の続きもかけるようになっていればいいな・・・・ということで。
お気軽に、楽しんでいただければ嬉しいです。


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆

 



「人間を、不幸にしろ」

鋭い視線が、黒い羽根の生えた男を見つめていた。
そして、地の底から響くようなその声に男は―――

「え~~~。や~だぁ」

舌足らずなその声に、視線の主はがっくりと肩を落とす。

「お前なぁ!この試験に落ちたら落第決定なんだぞ!?わかってんのかっ!?」
「だってぇ・・・・」
「まあまあ翔さん、潤くんもがんばってはいるんですよ」
「カズ!お前が潤を甘やかすから!」

翔さんの言葉に、俺はむっとする。

「あ、人のせいにしないでくださいよ。翔さんだって潤くんには甘いくせに!」
「お前は潤のお目付け役だろ!?」
「翔さんは潤くんのお兄さんじゃないですか!」
「うるさいなぁ、2人とも」
「「潤(くん)!!」」

俺たち2人に睨まれ、潤くんがむーっと頬を膨らませる。

「・・・・とにかく、潤、人間界へ行け」
「え~~~」
「1人で行けとは言わねえよ。カズも一緒だ」
「ええ!?俺も!?」
「あたりまえだろ、お目付け役のお前が一緒に行かないでどうすんだよ」
「しょおくんはぁ?」
「え・・・・」

潤くんが小首を傾げ、じっと翔さんを見つめる。
あ、翔さんが弱いやつ・・・・・

「俺、しょおくんと一緒が良い」
「俺は・・・・こっちで、仕事もあるし!」
「ダメなの・・・・・?」
「だ・・・・ダメだ!」

あ、断った。
これは結構マジっぽい。

「・・・・わかった」
「え?」

あれ?潤くん、素直・・・・

「俺、どこに行けばいいの?」
「あ・・・・・ええと、大野智ってやつと、相葉雅紀ってやつのとこ・・・・」
「え、2人?」
「同居してるんだよ。シェアハウスとか言うやつが今流行ってるらしくって。不幸にするのはどっちでもいい。両方でもいいし」
「適当なんですね」
「俺が決めたわけじゃねえよ。上の方が、もう潤はあとがねえから、とにかく誰でもいいから不幸にさせろっていうから」
「なるほど。で、俺は何すればいいの?ただ潤くんを見てるだけ?」
「まぁ、そうだな。手伝ってもいいし。邪魔しなけりゃいいよ」
「・・・超適当っすね」
「大事なのは結果なんだってさ。潤、お前持ってく服とかいろいろあんだろ?支度してこいよ」
「あ、うん」
「あ、じゃあ俺も―――」
「カズ、お前はまだいろ」
「え―――」

うわぁ、嫌な予感しかしないんですけど。



「潤に手ぇ出すなよ?」
「・・・・出しませんよ」
「その変な間はなんだ」
「特に意味はありません」
「潤は、ダメだからな」
「理由は?」
「それは―――」
「翔さんのものだからですか?」

俺の言葉に、翔さんの顔色が変わる。
伊達に長く潤くんのお目付け役やってるわけじゃないからね。
2人の関係が、兄弟以上のものだって気付かないわけないじゃないですか。
まぁ、ここは悪魔界。
そんなものが罰せられるようなケチな世界じゃない。
同性愛、近親相姦、何でもござれだ。
唯一のタブーがあるとすればそれは―――

「・・・・とにかく、潤を落第させるわけにはいかない。わかってるな?」
「もちろん。それだけは絶対、させませんよ。この命に代えても、ね」
「俺は、ついていけない。お前だけが頼りだ。―――潤を、頼む」

翔さんが、俺の手をがっちりと握った・・・・・。




「大ちゃん、もう帰ろうよ~」
「なんだよ~、相葉ちゃん、今日は付き合ってくれるって言ったじゃんかぁ~~~」
「言ったけどさぁ、飲み過ぎだって!」
「これが飲まずにいられるかぁ!」

大ちゃんがグラスにつがれたビールを一気飲みする。
あ~、もう・・・・
俺は小さく溜息をつき、ビールを一口飲んだ。
今日は、大ちゃんを連れて銀座のバーに飲みに来ていた。
いつもはこんな高いとこ来たりしない。
でも今日は特別。
大ちゃんこと大野智は俺のルームメイトで大学の先輩。
2こ上の大ちゃんは気さくで優しくて、偉ぶったところのないいい人で初対面の時から気があってすぐに仲良くなった。
大学を卒業してイラストレーターの仕事に着いた大ちゃんは、当初仕事があまりなくお金がなかったため、ちょうど千葉から東京の大学へ通うのが大変で1人暮らししようと思っていた俺とルームシェアすることになったのだ。
今や大野智は売れっ子イラストレーターで、俺もバイクのデザインを手がける会社に就職したけれど、今の部屋がかなり気に入っているためそのまま2人で住んでいる。
いつもは2人で飲みにいくにしても近所の居酒屋ぐらいしか行かない。
それがどうして銀座にいるかというと。
1年前、大ちゃんはある女性と知り合い、付き合い始めた。
5歳下の彼女は背が高く顔は小さく色白で、ぱっちりした瞳と赤い唇が魅力的なきれいな子だった。
絵が趣味だという彼女とはたまたま行った飲み屋で知り合い、大ちゃんが一目惚れしたんだという。
すぐに俺にも紹介してくれ、大ちゃんが夢中になっているのが見ていてもわかった。
だけど、彼女の目的は大ちゃんじゃなくて、大ちゃんの肩書―――
そう、人気イラストレーターの大ちゃんの口添えで、絵を描く仕事を手に入れようとしていただけだったんだ―――。
まんまとその仕事を手に入れた彼女は、仕事先で知り合ったアートディレクターの男にさっさと乗り換え、用済みになった大ちゃんは失恋―――
彼女との結婚まで考え、自分がデザインした指輪をプレゼントしようと用意していた大ちゃんの心は打ち砕かれた―――

『プロポーズ、うまくいったら銀座でお祝いしよう!』

大ちゃんと、そんな話をしていた。
だから、今日はこうして銀座にやってきたんだ。
大ちゃんを元気づけたくって―――

「ね、もう帰ろうよ、大ちゃん。俺、明日も仕事だしさ」
「仕事なんて休んじゃえ!」
「んな、めちゃくちゃな・・・・ね、大ちゃ―――」
「あ、いたぁ!」

突然、俺たちが飲んでいたテーブルの横に、誰かが立った。
ぎょっとして見上げると、つややかな黒髪に色白の小さな顔、大きな瞳と赤い唇の、きれいな男が―――

「・・・・・りさ!!」
「へ・・・・・?」

止める間もなかった。
大ちゃんは勢いよく立ちあがったと思うと、その男にがばっと抱きつき―――

「―――っ!!??」

自分よりも背の高いその男の頭を引き寄せ、その赤い唇にキスをしたのだった―――。





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