2015年06月05日(金) 17:17UP♪

後編です!!
いやなんか、ちょっと無理やりまとめようとした感ハンパないな。
会話文が多くて・・・・
このお話はこれで終わりですが、近いうちにまた智潤は書きたいです。
最近テレビを見てても、智潤の距離にドキドキすることが多いです。
VSでも、智潤がぴったり密着して座ってるとこに、斗真が潤ちゃんの膝に乗って来て。
智くんのちょっとひきつった顔と、潤ちゃんの『お前、あとで覚えてろよ』みたいな冷ややかな顔が妄想をかきたててくれちゃって。
ショットガンディスクでも智潤でしたね!
寄り添う2人と、ディスクを見過ぎちゃう2人の表情が超可愛かった!
ニノちゃんの突っ込みがほんと的確で・・・きっと裏で、『2人の世界に入ってんじゃないよ!』と怒られていたことでしょう。


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
 
 
『♪~~~~~~~~』
「ぅおっ」

突然聞こえてきた音楽に、変な声を出してしまった。

潤のことが心配で潤の部屋にいることにした俺は、俺の部屋から着替えを持って来てもらい、潤の部屋のバスルームでシャワーを浴びてそろそろ休もうかと思ったところだった。

『♪~~~~~~』
「え、これ、松潤のスマホ?どこ?もう、潤が起きちゃうじゃんかぁ」

慌てて潤のスマホを探す。

「あった!」

テーブルの下に落ちていたスマホを手に取り、反射的にその画面を見てしまう。

「え・・・ニノ?なんだよ、こんな時間に―――」

着拒してやろうかと思ったけど、こんな時間に電話してくるくらいだから何か大事な用だったら困るし。
俺はスマホを持ってバスルームへと駆けこんだ。

「―――もしもし」
『あれ・・・・もしかして大野さん?』
「うん。なんだよ、こんな時間に」
『こんな時間て、こっちはまだ昼間だし、何度ラインしても反応ないからどうしたのかと思って。潤くんは?』
「潤は・・・・ちょっと、具合悪くって」
『え?』
「熱があるんだよ。今、薬飲んで寝てるけど」
『・・・・やっぱり』
「え・・・やっぱりってどういうこと?ニノ、知ってたのか?」
『・・・・張り切り過ぎなんだよ、あの人』
「え・・・・」
『あなたとベガス行くってなってからさ、ずっとプラン考えてたんだから。それこそ暇さえあればネットでベガスのこと調べまくってさ、あなたがどんなところへ連れて行ったら喜ぶかって、すげえ考えてたんだよ。何度も何度も練り直して、1日でどれだけの場所を回れるかって・・・で、直前になってまた見せたいショーがあったとか言って最初からプラン練り直して―――前日はほぼ徹夜。だから心配してたの。あの人、そうやって張り切ってる時に限って熱出したりするじゃん』
「・・・・・」

『リーダーが好きそうな食べ物とか、リーダーが興味ありそうなショーとかさ。そういうの調べてプラン立てたの。喜んでもらえたんなら、よかった』

『だから、今日だけは絶対休みたくなかったんだ。よか・・・・った・・・・』

―――潤・・・・

『大野さん?聞いてます?』
「あ・・・・うん、ごめん。ニノは・・・それ、知ってたんだ?」
『ああ、まぁ・・・・大野さんの食べ物の好みとか、いろいろ聞かれたからね。で、今日がその日だったんでしょ?楽しめたの?まさか熱があるからって中止にしたりしてないでしょ?あの人のことだから、そこは無理してでも決行するでしょ』
「決行・・・したよ。超楽しかったよ。全部俺の好きなもので・・・ショーも楽しかった」
『それはよかった。あの人の努力も報われるってもんだ』
「なんで・・・・そんなに・・・・」
『は?なんで?そんなの、今更聞くわけ?潤くんの気持ち、あんたが一番わかってんじゃないの?』
「潤の気持ちって・・・・」
『今回のプランは、全てあなたのために考えたものだって言ったでしょ?いくら潤くんが気遣いの出来る人でも、そこまで1人のためにだけ、考えられると思う?しかも具合が悪かったのに、そこをおしてまで!』
「それって・・・・でも、あれはもう15年も前の話じゃん。あれから、潤はいろんな人と付き合って―――」
『そうだよ、いろんな男をとっかえひっかえ、あの子はバカだから。誰が相手だって、あんたの代わりなんかいるはずないのに』
「俺の・・・代わり・・・?」
『・・・・あんたは鈍過ぎ。潤くんは、そんなあんたが好きで・・・一生片想いでもいいなんて言ってたけど・・・・でも、あの子も鈍いんだよ。いつだって、かわいくってしょうがないって顔して見てるやつがいるのに』
「え?」
『自分の気持ちにも気付かないほど鈍感な人好きになるなんて、ほんと始末に負えないよ』


―――自分の、気持ち・・・・?

それって俺の気持ちってこと?

ニノとの電話を終えると、俺は部屋に戻りベッドで寝ている潤の傍へ行った。

まだ息が荒く、表情も苦しそうで見ているとこっちまで苦しくなってくるような気がする。

「ん・・・・・ッ、う・・・・・」
「潤・・・・」

額にそっと触れると、まだ熱が高いことが分かる。
俺の手が冷たかったのか、一瞬潤の体がピクリと震え、微かに瞼が開いた。

「リーダ・・・・?何して・・・・」
「熱、心配だから・・・水、飲む?」
「・・・だいじょぶ。自分の部屋で、寝なよ・・・・」
「俺、床でも寝れるから」
「体に、よくない・・・・。明日も、仕事なんだから・・・」
「俺の心配はいいよ。松潤だって、なんで俺のためなんかにそんな無理したの」
「・・・・見たかったから・・・・」
「え?」
「リーダーの喜ぶ顔・・・見たかったから・・・に決まってんじゃん」

胸が、きゅっと音をたてて震えた気がした。

「・・・そんで、ちゃんと見れたから・・・もういい」
「え・・・・もういいって、何が・・・・?」
「リーダーの喜ぶ顔見れて、満足した。だから、もう・・・・」

俺を見上げる潤の目が、潤んでる気がした。
と思った瞬間、潤がくるりと向きを変え俺に背中を向けてしまった。

「え・・・潤?」
「もう、行っていいから。子供じゃねえし、1人で大丈夫だよ」
「でも・・・・」
「なんで、そんな風に優しくすんの」

潤の声が震える。

「俺のこと、同じグループのメンバーとしてしか見てないくせに・・・優しくすんなよ」
「潤・・・・」
「俺らなんか、嵐のメンバーにならなかったら友達にもなってねえし、絶対関わってねぇもん。そんなこと、わかってる。だからもう・・・・いいんだ」
「何が・・・・いいの・・・・」
「もう、忘れる・・・・諦める・・・・。もう・・・・疲れた・・・」
「そんなこと・・・言うなよ」
「・・・・この旅行だけは、リーダーに楽しんで欲しかった・・・・2人で旅行なんて、今度はいつできるかわからない。だから・・・・リーダーが喜んでくれたら・・・もう、諦めようって思ってた。ずっと片想いは・・・・辛すぎる」

潤の肩が震えていた。
胸が、締め付けられる。

潤は、もうとっくに俺のことなんて好きじゃないと思ってた。
同じグループのメンバーとしてしか見てないと思ってた。
もう他に、好きなやつができたんだと思ってた。
ずっと・・・・

俺はそっと潤にかけられた布団をめくると、その横へ滑り込み後ろから潤の体を抱きしめた。
びくりと体を震わせ、潤が驚いているのが分かった。

「なに・・・・」
「ごめん」
「・・・・」
「今更だけど、俺、初めて気付いた」
「な・・・にが・・・・」
「俺、潤が好きだ」



「―――は?」

かなりの間をおいて、潤がくるりと体の向きを変えて俺を見た。

「何言ってんの・・・・?」
「だから、好きだって」
「誰が?」
「俺が」
「誰を?」
「潤を」
「・・・・・・嘘だ」
「嘘じゃねえよ」
「・・・・」
「ずっと、好きだったよ。ずっと前から」
「それこそ・・・嘘、だよ。そんな様子、全然なかったじゃん」
「それは、俺も気付いてなかったから」
「・・・何だよ、それ」

呆れたように溜息をつく潤。
その溜息が、まだ熱かった。

「わけわかんねえ・・・・頭ん中・・・ぐちゃぐちゃ・・・・」
「あ・・・・潤?」

潤の瞼が、ふいに閉じられた。
微かに開いた口からは、熱い息が漏れている。

「寝ちゃったのか・・・・」

熱のせいでぼーっとしてたし・・・・きっと信じてないな。
でも・・・・
やっとわかった。
どうしてあのときの潤のことが、忘れられなかったのか。
告白されて、でも応えられなくて、傷つけてしまった。
傷ついてる潤の、あの笑顔が頭にこびりついてた。
それは罪悪感だと思ってた。
でも違う。
あれは、後悔だ。
潤の気持ちに応えなかった・・・・いや、潤の気持ちにも、自分の気持ちにも気付けなかったことへの、後悔なんだ。
潤だから、後悔したんだ。
潤が好きだから・・・・。
そしてそのあと、潤が他の男と付き合いだしたと聞いて、ますます後悔したんだ。
なんで、そんなことに気付かなかったんだろう。
他の男たちにも、その話を潤から聞いてたニノにも、ずっと嫉妬してたのに・・・・。




『・・・あなたね、いい加減にしなさいよ』

ニノのうんざりした声に、俺は苦笑する。

「いや、一応報告しとこうかと―――」
『今さら、潤が好きとか、知ってたっつうの。気付いてなかったのは潤くんとあなたくらいのもんでしょうよ』
「え、マジ?」
『マジですよ!ったく・・・・何の用かと思えば・・・。それで、潤くんは?熱、どうなんですか?』
「昨日よりは下がってると思うよ。呼吸もだいぶ楽そうになったし」
『それはよかった。・・・で、あなた今どこからかけてるんですか?潤くんの部屋?』
「うん、そう。今ベッドにいる。潤の隣」

目の前に、安らかな潤の寝顔。
ようやく顔色もよくなって来て、その寝顔はまるで天使みたいだ。

『・・・まさか、具合の悪い潤くんに手ぇ出してないでしょうね?』
「出してねえわ。・・・ニノ、ごめん。ありがとうな」

昨日、ニノに言われなかったら、俺は自分の気持ちに気付けなかったかもしれない。

『・・・ありがとうってのはわかりますけど。俺のおかげで気付いたんでしょうからね。でもごめんって?』
「これからのこと。もう、潤をお前のとこには飲みに行かせないから」
『はぁ?』
「外で飲むのはいいけど、宅飲みはダメ。俺のいないとこで、潤と2人きりになっちゃダメ」
『うわぁ、出たよ。ザ・自分勝手!』
「だから、ごめんて。今度おごるから」
『・・・結構です。潤くんに、あんまり無理しないように言っといて』
「ん」
『それから・・・この男が嫌になったら、いつでも引き受ける準備はできてるから安心してって』
「・・・それはさせねぇ」
『安心しました。じゃ』

ほんとにごめん。
自分の気持ちに気付いた時に、同時に気付いたんだ。
ニノも、潤のことが好きだってことに。
いつだって潤の傍にいて、潤の気持ちにも俺の気持ちにも気付いてたニノ。

『潤くんを傷つけないで』

そう言ってたニノ。
あれは、ただメンバーのことを思いやっての言葉じゃない。
潤のことが好きだから・・・・。

「ん・・・・」
「潤、おはよ」
「・・・はよ・・・・まだいたの?」
「ん。何か食べる?薬飲む前に」
「ん・・・・そだね・・・・」

ゆっくりベッドに起き上る潤の背中を支える。

「・・・ずっとそばにいてくれたの・・・?」
「ん?うん。やっぱり心配だし」
「・・・心配なだけ・・・・でしょ?」
「え?」

潤の瞳が、不安気に揺れていた。

「俺のこと好きだなんて・・・・嘘だよね?」

俺は潤の真正面に座り、その頬に手を添えた。

「嘘じゃない。俺は潤が好き。本当は、15年前にそう言ってればよかったんだ。遅くなって、ごめん」
「・・・今まで、気付かなかったの・・・?」
「うん」
「15年も・・・かかったの?」
「うん」
「・・・遅すぎだよ、バカ」

大きなその瞳から、きれいな涙が零れ落ちた。

「うん。遅すぎだと思ってる、俺も。でも・・・・潤の気持ちは、変わってないんでしょ?」
「・・・・何なの、その自信」
「自信なんてないよ。昨日、潤がそう言ってくれたから・・・・。そうじゃなかったら、もうとっくに見限られてると思ってた。いっぱい付き合ってるやついたみたいだし」
「・・・忘れようと思ったんだ・・・・でも、できなくて・・・・」

ぽろぽろと流れる涙を指で掬い、それでも止まらない涙が伝う頬にキスをした。

「・・・もう、誰にも渡さない。だから・・・俺と付き合って」

俺だけのものになって。
その心も、体も。

「15年分・・・・愛してくれる?」
「ふふ、すげえ重みだな、それ」
「だって―――んッ」

文句を言う前に、潤の唇を塞ぐ。
柔らかく、まだ熱い唇を味わうように口づける。
息苦しさに呼吸しようと開けられたところへすかさず舌を滑り込ませ、熱い舌を絡め取る。

「ふ・・・・んッ、・・・・・はぁ・・・・・ッ」

深く長いキスに、潤の体からは力が抜けベッドの上に倒れ込む。

「潤?ごめん、大丈夫か?」

頬は上気し、荒い呼吸を繰り返す潤はとても苦しそうだ。
また熱が上がってしまったかもしれない。

「・・・・前言撤回・・・・15年分は、もう反故にしてあげる」
「ほんと?優しいな」
「うん・・・その代わり・・・これからずっと、俺だけを愛してくれる・・・?」

そっと伸ばされた手を掴み、指を絡める。

「ずっと、俺だけ・・・・。俺も、智だけをずっと、ずっと・・・」
「うん?」
「好き・・・・大好き・・・・じゃなくて、もっと・・・・なんて言うんだっけ」
「なに?」
「あー・・・智は俺の・・・」
「潤の・・・・?」
「最愛の人、だから」

恥ずかしそうに、赤くなった顔を隠すように横を向いてしまった潤を、思い切り抱きしめる。

「俺も・・・潤は、俺の最愛だよ」

そんな言葉を潤に使う時を、本当はずっと待ってたのかもしれない。
だって、こんなにも愛しいと思えるなんて。
そんな存在が、こんな近くにいたなんて。
こんなに嬉しいことはない。

ずっとずっと愛してる。
今まで言えなかった分、何度でも言いたい気分だった。
何度もキスをして。
何度も好きと囁いて。
そしてそろそろお腹が空いてきたなあと思い始めた頃―――


「あのぉ・・・・いつになったら俺の存在に気付いてくれるんですかね・・・・?」

というマネージャーの声に、俺たち2人はベッドから飛び起きたのだった・・・・・。



                    fin.




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