2014年11月25日(火) 00:00UP♪

2人の気持ちをそれぞれ書きたくて、2部構成にしてしまいましたので、前日は潤くんのお話になります。
大好きな2人のお話を書けるのが、本当に楽しいビックリマーク
そして読んでくださる方がいるのが本当に嬉しいですラブラブ
そんな皆様に楽しんでいただければ幸いです音譜


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
 
 
潤side

「リーダーのうち、行ってみたいなあ」
「ダメ」

そんなやり取りが、お約束だった。

5人のメンバーはみんな仲が良くて、ジュニアの頃からお互いの家に遊びに行ったりしていたけれど、リーダーの家にだけは行ったことがなかった。
それは、リーダーだけが京都に行ってる期間があったりと、あまりジュニアの頃に交流が無かったこともあるかもしれないけれど―――

「母ちゃんが、嫌がる」

リーダーはそう言って、俺たちはもちろん、他のジャニーズも家には呼んでなかったから、もうそれはネタみたいになってたんだ。

その様子が変わってきたのは、リーダーが実家を出て1人暮らしを始めたころからだった。

「え、シゲって、リーダーの家行ったことあるの?」

音楽番組で一緒になったシゲの口から、意外な話を聞いて驚く。

「あ、はい。たまたま一緒に釣りに行ったんすよ。そしたらその帰りに、釣った魚さばいて食べようって話になって、そしたら大野くんが『こっからなら俺んちが近いから、こいよ』って言ってくれて・・・」
「へえ・・・・」

1人暮らしするようになって、ちょっとは気持ちに変化があったってことかな?

「あ、リーダー、こないだリーダーんちにシゲ行ったんだって?今度俺も行きたいな」

俺の言葉に、リーダーは表情を変えずに即答した。

「だめ」
「なんで?シゲは行ったんでしょ?」
「あれは、たまたま。魚、食いたかったし」
「・・・・じゃあ、今度は俺がうまい酒持ってくよ。ならいいでしょ?」
「無理」
「なんでだよ?」
「俺が描いた絵とか、いっぱいあるから、恥ずかしいし」
「今さら、そんなの・・・・」
「とにかく、だめなもんはダメ」

頑な。
この人は、本当にこういうとこ頑固だ。



「潤くん、とうとう車買ったんだって?」
「うん、中古だけどね」
「いいじゃん、今度乗っけてよ」
「いいよ」
「えー、松潤の運転荒らそうだなぁ。俺、もうちょっと運転上達したら乗せて」
「なんだよお前ぇ~」

車を買い、その話でニノと相葉くんと楽屋で盛り上がる。
そのとき、携帯をいじっていたリーダーがふと顔を上げた。

「松潤、車買ったの?」
「うん。リーダーも乗ってみる?」

リーダーは、グループ内で唯一車の免許を持っていなかった。

「うん、今度送ってよ。マネージャーがいないときとか」

その言葉に相葉くんが笑う。

「くふふ、松潤マネージャー代わりにするの?」
「なんだよそれ、俺あっしーじゃねえぞ」
「あっしーって、古いな潤くん」
「いいじゃん、タクシーだと金かかるし」
「やっぱりあっしーだ!」

人を便利に使おうとするリーダーに、別に怒ったりはしなかった。
だって仲間だし、もう家族みたいなもんだと思ってたから、困ってるときはお互い様だから別に車で送ってやるくらいどうってことない。
それに・・・・
そうだ、もしかしたら、送ってあげたら家に入れてくれるかもしれないし。

そんな、密かな期待に俺は胸を膨らませていた。

だけど・・・・・



「ありがと、松潤」

この日収録が夜中の1時過ぎまでかかり、マネージャー不在で終電も逃したリーダーを、俺の車で家まで送ってあげたのだけれど。

「ここ?」

着いたのは、おしゃれな平屋の1戸建て。

「借家?」
「んー、1戸建てのマンションみたいな感じ?隣の家とかと離れてるから騒音とか気にしなくていいし、楽なんだ」
「へえ、なんかすげぇ」
「そう?んじゃ、お休み。気をつけて帰ってね」
「え・・・ねえ、ちょっとあがってっちゃダメ?すぐ帰るからさ」

ここまで来たのに・・・・

「ダメ。俺、すぐ寝るし。送ってくれてありがと」

そう言って、さっさと行ってしまうリーダーの背中を、呆気に取られながら見送る。

「―――マジか」

本当に、入れてくれないんだ。

怒りはなかった。

ただ・・・・ショックだった。

―――俺って、そんなに信用されてないのかな。

マネージャーは、当然リーダーの家にも上がったことがあると言っていた。
そしてシゲの他にも、友達を呼んだりすることもあるって。
俺だけじゃなくって、他のメンバーもリーダーの家には行ったことないって言ってたけど、そもそもリーダーの家に行きたいと言ってるのは俺だけだし。
結構しつこいくらい言ってるのに、リーダーは頑として首を縦に振らない。
理由を聞いても、あやふやにごまかされて、ちゃんとした理由は教えてくれない。
でも・・・・
漠然とだけど、リーダーは俺のことをあまり好きじゃないのかもしれないと思った。
もともと、正反対と言ってもいいくらい性格の違う俺たち。
だけど仲が悪いわけじゃない。
一緒にご飯を食べたこともあるし、他愛のない話で笑い合ったりもする。
でも、前にリーダーが言ってたらしい。

『松潤とは、何を話したらいいかわからない』

嫌いなやつに『送ってくれ』とは言わないだろうから、嫌いではないと思う。
でも、『好き』でもない。
同じグループだから一緒にいる。
ただ、それだけなのかな・・・・。



傷ついたのは、俺の気持ちがリーダーをただの同じグループの仲間というふうには思っていないからだ。
正反対のタイプだからこそ、リーダーに惹かれる。
気付いた時には、もう俺の中はリーダーでいっぱいだった。
もちろんそんなこと言うつもりはない。
振られるってわかってて、告れるほど俺はメンタル強くないし。
何より、これからもずっと嵐を続けていくためにはそんなことできるわけないと思ってた・・・・。




それから俺は、リーダーの家に行きたいというのをやめた。
リーダーを困らせるのはもうやめようと思ったんだ。
でもそれ以上に、俺は自分が傷つきたくなかっただけかもしれないけど・・・。

「最近、潤くんリーダーの家行きたいって言わなくなったね」

楽屋で、ニノがふと思い出したように言った。

「うん。リーダー、本当に嫌みたいだから。俺、リーダーに嫌われたくないし」
「嫌わないでしょ、リーダーは潤くんのこと」
「わかんないじゃん。俺、言いたいこと言っちゃう方だし。リーダーは、俺みたいなやつ苦手なんじゃない?本当は」
「そんなことないよ。リーダーは―――」
「おっはよー、なになに、2人でなんの話してんのー」

相葉くんとリーダーが、同時に楽屋に入ってくる。

「なんでもないよ。俺、トイレ行ってくる」

俺は席を立ち、2人と入れ違いに楽屋を出た。
避けようと思ったわけじゃないけど、あんなこと話した後だからどういう顔したらいいかわからなかった。


その日の収録で、いつも無口なリーダーがより無口になってた。
何か嫌なことがあったのか、終始口を尖らせ、むっとしているように見えたのだ。
隣にいるニノは、そんなリーダーをちらちら見てはにやにやしていた。
この2人は昔から仲がいいから、2人の間に何かあったのかな・・・・。
まぁ、俺には関係ないか・・・・・。

なんとなく話しかけづらくて、俺はリーダーと目も合わせずにいた。



「松潤」

収録が終わり、着替えて帰ろうとするとなぜかリーダーに呼び止められた。

「この後、用事ある?」

なぜか、ちょっと怒ったような声。
俺、何かしたっけ?

「このあとは・・・斗真と、ごはん食べに行く約束してるけど・・・」
「じゃ、そのあとでいいから、家に来て」
「・・・・え?」

聞き間違い?
今、家に来てって言った?

「家って・・・リーダーのうち?」
「そう」
「え・・・何で?俺―――」
「何時でもいい、待ってるから」

そう言って、リーダーはさっさと楽屋から出て行ってしまった。

家に来てって・・・・俺を入れてくれるってこと?
なわけないよな。
どっか行くのに、足が必要ってことかな・・・・?
まぁいいか。
どんな理由でも、リーダーに誘われたことが嬉しかった。


俺は斗真との食事も早々に、車でリーダーの家に向かった。
時間は11時。
ちょっと遅かったかな・・・・。
本当は、翌日にも俺はリーダーに会いに来ようと思っていた。
だって、明日はリーダーの誕生日だ。
喜んでくれるかわからないけど、プレゼントも用意してる。
だから、なんでかわからないけど今日呼ばれたことは嬉しかった。
もしかしたら、そのまま一緒にリーダーの誕生日を迎えられるかも、なんて・・・・
甘い期待は、しない方がいいかな。


リーダーの家に着く少し手前でメールすると、リーダーの家の前に着いた時すでにリーダーは玄関前に出て来ていた。
出てきてるってことは・・・・やっぱり中には入れてくれないのかな。
小さく溜息をつき、痛む胸を抑える。
それを気付かれないように、笑顔で車から出る。

「お待たせ、リーダー。どっかに送ってく?」

俺の言葉に、リーダーは怪訝そうな顔をする。

「送る?どこに?」
「え・・・それで呼んだんじゃないの?」
「んなわけないじゃん。松潤、パシリじゃないんだからさ」
「え、でも・・・・」

じゃあなんで?

不思議に思って首を傾げると、リーダーが俺の手を掴んだ。

「―――入って」
「え・・・リーダーの家に?いいの?」
「いいよ。その代わり―――覚悟してね」
「え?何を?」

リーダーはそれには答えず、俺の手を引っ張り玄関の扉を開けた。
靴を脱ぎ、そのままずんずんと中に入っていくリーダー。
俺は初めて入るリーダーの家に、ドキドキしながら周りを見回していた。

―――へえ、結構きれいにしてる・・・・。

余計な物が置かれていない感じの、シンプルな部屋。

「・・・斗真も、送ってあげたの?」
「へ?あ、うん」
「ふーん。松潤は、優しいね」
「そんなこと、ないけど・・・」

やっぱり、何か怒ってるみたいな顔をしている。

「ねぇ、リーダー、俺何か―――」
「助手席?」
「え?」
「斗真も、助手席に乗せたの?」
「そうだけど・・・・」
「なんで?」
「なんでって・・・え?」

なんのことを言っているのかわからなかった。
誰か乗せるとき、それが1人だけなら俺は大抵助手席に乗せている。
リーダーのときだってそうだったし。
一体何を怒ってるんだろう?

「なに、怒ってるの?意味わかんないんだけど」
「なに?そっちこそ、なんでわかんないの?俺以外のやつ、なんで助手席に乗せるんだよ?」
「―――は?」

今、なんて・・・・

「俺以外のやつ、助手席に乗せるなよ!」
「ちょ・・・ちょっと待って。何でそんな・・・・」
「なんでって、だって松潤は俺が好きなんだろ!?」

―――――――はい?

眉間にしわを寄せ俺を睨みつけるリーダーに、俺の頭の中はパニック状態だ。

え、なんで?なんでばれてんの?
てか、なんで怒ってるの?
リーダーって・・・・

「なんで俺のこと好きなのに、俺以外のやつ助手席に乗せるんだよ?意味わかんねえ」
「え・・・なんでって・・・・リーダーは、なんで怒ってるの?リーダー、俺のこと―――」
「好きだよ!」

・・・・・・・・

「こないだも、ニノを助手席に乗せただろ?ニノがすげえ自慢してた。助手席で、ずっと潤くんの横顔見てて、特等席だとか言って―――何でそういうことするんだよ?」
「なんでって・・・・じゃあ、リーダーはなんで今まで俺を家に入れてくれなかったんだよ?俺のこと好きなら、なんで―――」
「好きだからだよ!」
「は?それこそ意味わかんねえ―――」
「だって、家に松潤と2人きりになっちゃったらキスしたくなるじゃん!抱きたくなるじゃん!」
「え・・・・・」
「俺、我慢できねえもん!でも潤のことは大切にしたかったから・・・だから、待とうと思ってたんだよ!」
「待つって・・・・何を・・・・」
「潤が、告白してくれるのを。潤が自分から俺に好きって言ってくれるまでは―――俺と付き合う覚悟ができてないから、ダメだと思ったんだ。だから、告ってくれるまで待とうって・・・・でも、もう限界。俺以外のやつに、甘い顔すんなよ!」

気付いたら、俺の体はリーダーに抱きしめられていた。

「―――好きだよ、潤・・・・」
「リーダー・・・・」
「リーダーって、言わないで。2人のときは、名前で呼んで」
「・・・智・・・・?」
「そう。ずっと、待ってたんだ・・・・。結局、俺のが我慢できなくなるなんて、カッコわりぃ・・・」
「そんなこと、ない・・・・智は、かっこいいよ」

智が、下から俺の顔を覗きこむ。

「潤・・・泣いてる?」
「泣いて、ない!」

俺は慌てて顔をそむけたけれど、すぐにリーダーの両手が俺の顔を挟み込み、さっきよりも間近にリーダーの顔が迫る。

「こっち、向いて。ちゃんと・・・潤の気持ち、聞かせて。今更だけど・・・俺の勘違いだったら超恥ずかしい」

唇を尖らせる智に、俺は思わず噴き出す。

「今さら・・・・」
「でも、ちゃんと聞かせて!潤・・・・俺のこと、好き?」
「・・・・好き、だよ。俺だってずっと、智が好きだった。でも、智が家に入れてくれないから・・・・信用されてないのかなって」
「そんなわけ、ないじゃん。こんなに好きなのに・・・」

ゆっくり唇が重なる。

静かに、ゆっくりと暖かいものに包まれて行くような感覚。

それが智なんだと気付き、また涙が溢れてくる。

もうすぐ智の誕生日。

2人でその日を迎えられることが、今まで生きてきた中で一番幸せに感じられた・・・・。




これが、俺たちの始まり―――



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