このお話は2014年の2月にUPしたものです。
ずっと書きたかった、ちょっと昔のニノ潤のお話です。
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
ずっと書きたかった、ちょっと昔のニノ潤のお話です。
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それは、まだ俺が潤くんに片想いをしていた頃。
たまたまある映画の話になった。
「あれ、面白そうだよな」
潤くんの言葉に、俺も頷く。
「うん。見に行きたいね」
「あ、じゃあ、一緒に行く?今度」
ドキッとした。
キラキラと輝く目で俺を見つめて、そんなことを言うから。
「あー・・・・うん、そうだね」
期待しちゃダメだ。
潤くんは俺と違って友達も多い。
誘えば一緒に映画に行くやつなんていくらでもいるだろう。
きっと、話の流れで言ってみただけで、本当に俺と行くつもりなんてないんだ。
俺は勝手にそう決めつけていた。
数日後、俺はたまたま休みの日が重なった相葉くんと、あの映画を見に行った。
「ニノ、今日この後オフでしょ?何か予定ある?」
楽屋で、ゲームをしていた俺の前に潤くんが立った。
「え・・・・別に、ないけど・・・・」
「ほんと?じゃあ、この間言ってた映画見に行かない?俺もこの後オフだから」
「あー・・・・ごめん、それ、こないだ相葉くんと見に行っちゃった」
「え・・・・あ、そうなんだ」
一瞬、潤くんの瞳が揺れたように見えた。
「ごめんね」
「ううん、いいよ。そっか。面白かった?」
「うん、おもしろかったよ。潤くん好きそう。誰か、友達誘って見てくれば?」
そう言うしかなかった。
潤くんは、「うん、そうする」と言って楽屋から出ていった。
「―――ニノ」
ちょっと離れて座っていたリーダーが、俺の横に来て座った。
「んー?」
「なんで、相葉ちゃんと見に行っちゃったの?松潤と約束してたんじゃないの?」
「約束なんて・・・・ただ、話の流れで一緒に見に行こうかって言ってただけだし。潤くん忙しいし、友達もいっぱいいるじゃん。俺と一緒じゃなくたって・・・」
「ふーん」
なぜか、リーダーはちょっと怒ったような顔をしていた。
「・・・何?」
「その映画、俺も気になってて・・・・今朝、松潤に一緒に行こうって言った」
「え・・・・」
俺は、驚いてリーダーを見た。
「けど、断られた。その映画は、ニノと見に行く約束してるからって。超嬉しそうに・・・・超恥ずかしそうに、言ってた。ニノと映画行くの初めてだって。楽しみなんだって」
「―――!」
俺は思わずゲームを持っていることも忘れ、立ち上がった。
ゲームが手から落ちて、ガシャンと音をたてた。
「俺も、松潤と行けるの楽しみにしてたけど―――でも、松潤が楽しいならそれでいいやって思った。あんな嬉しそうな松潤の笑顔見るの、久しぶりだったから。さっき、ニノが断ってんの聞いてもう1回誘ってみようかと思ったけど―――」
リーダーが、じろりと俺を見上げる。
「出てくとき―――松潤、寂しそうな顔してた。松潤は、俺とか他の友達じゃなくて―――ニノと一緒に行きたかったんだよ」
「でも・・・・だって・・・・潤くん、友達いっぱいいるし―――」
「そりゃ、松潤いい子だもん。誰だって好きになる。でも、松潤が本当に好きなのは、1人なんだよ。―――俺のことだって、メンバーとして大好きだと思うけど、それとは違う。たくさんの友達とも、違う」
心臓が、ドキドキ言ってる。
潤くん・・・・・
潤くんの、ちょっと照れくさそうな、はにかむような笑顔が頭に浮かぶ。
「松潤・・・いつもちょっと寂しそうなんだよ。お前らってジュニアの頃から一緒にいるけど、ニノと相葉ちゃんはいつも2人でつるんでてさ、すごい楽しそうに見えるんじゃない?いつも羨ましそうに見てる。がんばって話しかけようとしても、2人で盛り上がってて気づいてもらえなかったりすると、話しかけるのやめて少し離れたところでぽつんといたりすんの。―――俺、よく見てらんなくて、松潤の傍言って話しかけるんだよ。そうすっと嬉しそうに笑ってくれてさ。その笑顔が超可愛くって・・・・俺、松潤が大好きだよ」
「リーダー・・・・」
「でも、松潤の1番は、俺じゃない」
そう言って、リーダーが俺から目をそらせた。
「悔しいけど・・・・今俺が松潤の傍に行っても、俺の大好きな松潤の笑顔は見れない。それでも、ニノが行かないなら、俺が行く。そんで・・・・諦めない。絶対に」
初めて見る、リーダーの顔だった。
強い眼差しと、真剣な口調。
俺は、拳を握りしめた。
「俺も・・・・潤くんが好きだよ」
口にするのは初めてだった。
だって、無駄だと思ってたから。
どんなに潤くんを想ってたって、潤くんの周りはいつだって華やかで。
俺とは違い過ぎるって思ってた。
でも、諦められなかったんだ。
ずっと想いが叶わなくてもいい。
潤くんの笑顔を傍で見ていたいって、そう思ってたんだ。
なのに、俺のせいでそんな潤くんの笑顔が見れなくなるなんて―――
「ごめん、リーダー。リーダーのこと好きだけど、これだけは譲れない」
俺の言葉に、リーダーがふんと鼻を鳴らした。
「譲ってもらうつもりなんかない。俺だって、まだ諦めたりしねえから」
強気なリーダーの言葉に、俺はなんだか力が湧いてくるような気がした。
「・・・ありがと、リーダー。俺、行ってくるわ」
そう言って楽屋を飛び出す。
残されたリーダーが、床に落ちたゲーム機を拾い上げ、「―――死んじゃったか?」と呟いていた・・・・。
自販機の前で、ぼんやりと突っ立っている潤くんを見つけ、俺はそばに寄った。
「―――買わないの?」
突然声を掛けられ、潤くんが驚いて俺を見た。
「あ・・・ごめん、買う・・・・。ニノは?なに飲む?」
潤くんはコーラのボタンを押しつつ、俺に聞いた。
「俺は、コーヒー。いいよ、自分で買う」
そう言って財布を出そうとして、財布を忘れたことに気付く。
「ふは、いいよ、奢る」
「わ、わざとじゃないから!俺だってそんな、いつもおごってもらおうとか思ってないし!」
「ふふ、そうだね。どうしたの?急に」
「―――さっきは、ごめん」
俺の言葉に、潤くんが驚いて俺を見る。
「え・・・・別に、それはもう・・・・・」
「俺、潤くんが本当に俺と見に行こうと思ってたと思ってなくて!」
「・・・・・」
「潤くんが、楽しみにしてくれてるとか、全然思ってなくて・・・・」
「・・・・楽しみにしてたけど、もういいよ。だって、俺だけが思ってたって意味ないし。ニノは・・・・相葉くんと一緒に行った方が楽しんだろうし」
「ちが!」
「あ、嫌味じゃないよ。ニノと相葉くんて昔から仲いいし、2人でいると楽しそうじゃん。だから―――俺は、また誰か誘うからさ、気にしないで―――」
「誰と?」
「え?」
「誰と行くの?リーダー?」
「え?なんでリーダー・・・・あ、リーダーに聞いたの?そういえば、リーダーもあの映画見たいって言ってたっけ。じゃ、リーダーと・・・・」
「だめ!」
俺は、潤くんの手をぎゅっと握った。
「へ?」
「リーダーと・・・・他のやつと、一緒に行っちゃダメ!俺と行ってよ!」
「ええ?だって、ニノ見たんでしょ?同じ映画―――」
「見る。潤くんとなら、何度でも見る」
「え・・・・・それ、どういう・・・・・」
「・・・・好きだよ、潤くんが」
「・・・・嘘、だよ」
「なんで?俺嘘なんかつかないよ」
「だって・・・ニノは、相葉ちゃんが好きなんだと思ってた・・・」
「やめてよ。あの人は親友だけど、そんな風に思ったことない。相葉くんも同じ気持ちだと思うよ」
「ほんと?だって、すげえ仲いいし・・・・俺、いつも2人の間には入れないなって・・・」
「そりゃあ、遠慮がいらない相手だから・・・・潤くんとは違うよ」
「違うって・・・・?」
「潤くんは・・・・なんか、意識しちゃうから、相葉くんといる時みたいには、はしゃげない。いつも、嫌われたらどうしようって思ってたもん」
「嫌うわけ、ないじゃん」
「でも、不安だった。潤くんは、友達も多いし・・・・リーダーとか翔くんも、潤くんが好きだし・・・・」
「リーダーと翔くんは、メンバーだから―――」
「それだけじゃないよ」
俺は潤くんから目をそらし、ぷいっと横を向いた。
潤くんはなんにもわかってない。
リーダーだけじゃない。
翔くんだって潤くんのことが好きなんだ。
「・・・・潤くんだって・・・・翔くんのこと、大好きでしょ?いつも一緒にいるもん」
俺の言葉に、潤くんはきょとんと首を傾げた。
「翔くんは、面倒見がいいから・・・・頭いいし、俺も頼りにしてるよ。兄貴みたいな感じ?」
兄貴。
じゃあ俺は?
潤くんにとって俺は?
映画を一緒に見に行きたかっただけ?それとも―――
聞きたいのに、怖くって聞けなくて、じっと黙っていたら―――
「―――好きだよ、ニノ」
潤くんの言葉に、俺は驚いてはじかれたように顔を上げた。
その瞬間―――
ちゅっ
潤くんの柔らかな唇が俺の薄い唇に触れ、潤くんの長い睫毛が目の前に見えた。
「―――――」
「えへへ・・・・。映画、見にいこ」
恥ずかしそうに笑いながら、潤くんに手を引かれる。
まるで夢の中みたいに、足元がふわふわしていたけれど―――
楽屋に着く直前、俺はパッと手を離した。
潤くんが振り向き、悲しそうに目を伏せる。
「・・・・知られたく、ない?」
「―――違うっ、こっちが、いい」
そう言って、俺は潤くんの手を握り、引き寄せた。
「―――俺が、引っ張っていきたいから」
手を引かれるんじゃなくて、俺が潤くんの手を引きたい。
潤くんを、引っ張って行けるような男でいたいんだ。
俺の言葉に、潤くんは一瞬驚いたような顔をして―――
それから、嬉しそうに笑った。
とても、嬉しそうに・・・・・
それから。
リーダーは相変わらず潤くんが大好きで、俺の目を盗んでは潤くんにくっつこうとする。
相葉くんは、わざとらしく俺の前で潤くんと肩を組んでみたりする。
翔くんは、俺の知らない潤くんのエピソードをどや顔で披露したりする。
まったく油断できない人たちばっかりだけど。
でも、もうこの手は離さないよ。
一番大事な存在を、絶対に離したりしないんだ・・・・・。
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たまたまある映画の話になった。
「あれ、面白そうだよな」
潤くんの言葉に、俺も頷く。
「うん。見に行きたいね」
「あ、じゃあ、一緒に行く?今度」
ドキッとした。
キラキラと輝く目で俺を見つめて、そんなことを言うから。
「あー・・・・うん、そうだね」
期待しちゃダメだ。
潤くんは俺と違って友達も多い。
誘えば一緒に映画に行くやつなんていくらでもいるだろう。
きっと、話の流れで言ってみただけで、本当に俺と行くつもりなんてないんだ。
俺は勝手にそう決めつけていた。
数日後、俺はたまたま休みの日が重なった相葉くんと、あの映画を見に行った。
「ニノ、今日この後オフでしょ?何か予定ある?」
楽屋で、ゲームをしていた俺の前に潤くんが立った。
「え・・・・別に、ないけど・・・・」
「ほんと?じゃあ、この間言ってた映画見に行かない?俺もこの後オフだから」
「あー・・・・ごめん、それ、こないだ相葉くんと見に行っちゃった」
「え・・・・あ、そうなんだ」
一瞬、潤くんの瞳が揺れたように見えた。
「ごめんね」
「ううん、いいよ。そっか。面白かった?」
「うん、おもしろかったよ。潤くん好きそう。誰か、友達誘って見てくれば?」
そう言うしかなかった。
潤くんは、「うん、そうする」と言って楽屋から出ていった。
「―――ニノ」
ちょっと離れて座っていたリーダーが、俺の横に来て座った。
「んー?」
「なんで、相葉ちゃんと見に行っちゃったの?松潤と約束してたんじゃないの?」
「約束なんて・・・・ただ、話の流れで一緒に見に行こうかって言ってただけだし。潤くん忙しいし、友達もいっぱいいるじゃん。俺と一緒じゃなくたって・・・」
「ふーん」
なぜか、リーダーはちょっと怒ったような顔をしていた。
「・・・何?」
「その映画、俺も気になってて・・・・今朝、松潤に一緒に行こうって言った」
「え・・・・」
俺は、驚いてリーダーを見た。
「けど、断られた。その映画は、ニノと見に行く約束してるからって。超嬉しそうに・・・・超恥ずかしそうに、言ってた。ニノと映画行くの初めてだって。楽しみなんだって」
「―――!」
俺は思わずゲームを持っていることも忘れ、立ち上がった。
ゲームが手から落ちて、ガシャンと音をたてた。
「俺も、松潤と行けるの楽しみにしてたけど―――でも、松潤が楽しいならそれでいいやって思った。あんな嬉しそうな松潤の笑顔見るの、久しぶりだったから。さっき、ニノが断ってんの聞いてもう1回誘ってみようかと思ったけど―――」
リーダーが、じろりと俺を見上げる。
「出てくとき―――松潤、寂しそうな顔してた。松潤は、俺とか他の友達じゃなくて―――ニノと一緒に行きたかったんだよ」
「でも・・・・だって・・・・潤くん、友達いっぱいいるし―――」
「そりゃ、松潤いい子だもん。誰だって好きになる。でも、松潤が本当に好きなのは、1人なんだよ。―――俺のことだって、メンバーとして大好きだと思うけど、それとは違う。たくさんの友達とも、違う」
心臓が、ドキドキ言ってる。
潤くん・・・・・
潤くんの、ちょっと照れくさそうな、はにかむような笑顔が頭に浮かぶ。
「松潤・・・いつもちょっと寂しそうなんだよ。お前らってジュニアの頃から一緒にいるけど、ニノと相葉ちゃんはいつも2人でつるんでてさ、すごい楽しそうに見えるんじゃない?いつも羨ましそうに見てる。がんばって話しかけようとしても、2人で盛り上がってて気づいてもらえなかったりすると、話しかけるのやめて少し離れたところでぽつんといたりすんの。―――俺、よく見てらんなくて、松潤の傍言って話しかけるんだよ。そうすっと嬉しそうに笑ってくれてさ。その笑顔が超可愛くって・・・・俺、松潤が大好きだよ」
「リーダー・・・・」
「でも、松潤の1番は、俺じゃない」
そう言って、リーダーが俺から目をそらせた。
「悔しいけど・・・・今俺が松潤の傍に行っても、俺の大好きな松潤の笑顔は見れない。それでも、ニノが行かないなら、俺が行く。そんで・・・・諦めない。絶対に」
初めて見る、リーダーの顔だった。
強い眼差しと、真剣な口調。
俺は、拳を握りしめた。
「俺も・・・・潤くんが好きだよ」
口にするのは初めてだった。
だって、無駄だと思ってたから。
どんなに潤くんを想ってたって、潤くんの周りはいつだって華やかで。
俺とは違い過ぎるって思ってた。
でも、諦められなかったんだ。
ずっと想いが叶わなくてもいい。
潤くんの笑顔を傍で見ていたいって、そう思ってたんだ。
なのに、俺のせいでそんな潤くんの笑顔が見れなくなるなんて―――
「ごめん、リーダー。リーダーのこと好きだけど、これだけは譲れない」
俺の言葉に、リーダーがふんと鼻を鳴らした。
「譲ってもらうつもりなんかない。俺だって、まだ諦めたりしねえから」
強気なリーダーの言葉に、俺はなんだか力が湧いてくるような気がした。
「・・・ありがと、リーダー。俺、行ってくるわ」
そう言って楽屋を飛び出す。
残されたリーダーが、床に落ちたゲーム機を拾い上げ、「―――死んじゃったか?」と呟いていた・・・・。
自販機の前で、ぼんやりと突っ立っている潤くんを見つけ、俺はそばに寄った。
「―――買わないの?」
突然声を掛けられ、潤くんが驚いて俺を見た。
「あ・・・ごめん、買う・・・・。ニノは?なに飲む?」
潤くんはコーラのボタンを押しつつ、俺に聞いた。
「俺は、コーヒー。いいよ、自分で買う」
そう言って財布を出そうとして、財布を忘れたことに気付く。
「ふは、いいよ、奢る」
「わ、わざとじゃないから!俺だってそんな、いつもおごってもらおうとか思ってないし!」
「ふふ、そうだね。どうしたの?急に」
「―――さっきは、ごめん」
俺の言葉に、潤くんが驚いて俺を見る。
「え・・・・別に、それはもう・・・・・」
「俺、潤くんが本当に俺と見に行こうと思ってたと思ってなくて!」
「・・・・・」
「潤くんが、楽しみにしてくれてるとか、全然思ってなくて・・・・」
「・・・・楽しみにしてたけど、もういいよ。だって、俺だけが思ってたって意味ないし。ニノは・・・・相葉くんと一緒に行った方が楽しんだろうし」
「ちが!」
「あ、嫌味じゃないよ。ニノと相葉くんて昔から仲いいし、2人でいると楽しそうじゃん。だから―――俺は、また誰か誘うからさ、気にしないで―――」
「誰と?」
「え?」
「誰と行くの?リーダー?」
「え?なんでリーダー・・・・あ、リーダーに聞いたの?そういえば、リーダーもあの映画見たいって言ってたっけ。じゃ、リーダーと・・・・」
「だめ!」
俺は、潤くんの手をぎゅっと握った。
「へ?」
「リーダーと・・・・他のやつと、一緒に行っちゃダメ!俺と行ってよ!」
「ええ?だって、ニノ見たんでしょ?同じ映画―――」
「見る。潤くんとなら、何度でも見る」
「え・・・・・それ、どういう・・・・・」
「・・・・好きだよ、潤くんが」
「・・・・嘘、だよ」
「なんで?俺嘘なんかつかないよ」
「だって・・・ニノは、相葉ちゃんが好きなんだと思ってた・・・」
「やめてよ。あの人は親友だけど、そんな風に思ったことない。相葉くんも同じ気持ちだと思うよ」
「ほんと?だって、すげえ仲いいし・・・・俺、いつも2人の間には入れないなって・・・」
「そりゃあ、遠慮がいらない相手だから・・・・潤くんとは違うよ」
「違うって・・・・?」
「潤くんは・・・・なんか、意識しちゃうから、相葉くんといる時みたいには、はしゃげない。いつも、嫌われたらどうしようって思ってたもん」
「嫌うわけ、ないじゃん」
「でも、不安だった。潤くんは、友達も多いし・・・・リーダーとか翔くんも、潤くんが好きだし・・・・」
「リーダーと翔くんは、メンバーだから―――」
「それだけじゃないよ」
俺は潤くんから目をそらし、ぷいっと横を向いた。
潤くんはなんにもわかってない。
リーダーだけじゃない。
翔くんだって潤くんのことが好きなんだ。
「・・・・潤くんだって・・・・翔くんのこと、大好きでしょ?いつも一緒にいるもん」
俺の言葉に、潤くんはきょとんと首を傾げた。
「翔くんは、面倒見がいいから・・・・頭いいし、俺も頼りにしてるよ。兄貴みたいな感じ?」
兄貴。
じゃあ俺は?
潤くんにとって俺は?
映画を一緒に見に行きたかっただけ?それとも―――
聞きたいのに、怖くって聞けなくて、じっと黙っていたら―――
「―――好きだよ、ニノ」
潤くんの言葉に、俺は驚いてはじかれたように顔を上げた。
その瞬間―――
ちゅっ
潤くんの柔らかな唇が俺の薄い唇に触れ、潤くんの長い睫毛が目の前に見えた。
「―――――」
「えへへ・・・・。映画、見にいこ」
恥ずかしそうに笑いながら、潤くんに手を引かれる。
まるで夢の中みたいに、足元がふわふわしていたけれど―――
楽屋に着く直前、俺はパッと手を離した。
潤くんが振り向き、悲しそうに目を伏せる。
「・・・・知られたく、ない?」
「―――違うっ、こっちが、いい」
そう言って、俺は潤くんの手を握り、引き寄せた。
「―――俺が、引っ張っていきたいから」
手を引かれるんじゃなくて、俺が潤くんの手を引きたい。
潤くんを、引っ張って行けるような男でいたいんだ。
俺の言葉に、潤くんは一瞬驚いたような顔をして―――
それから、嬉しそうに笑った。
とても、嬉しそうに・・・・・
それから。
リーダーは相変わらず潤くんが大好きで、俺の目を盗んでは潤くんにくっつこうとする。
相葉くんは、わざとらしく俺の前で潤くんと肩を組んでみたりする。
翔くんは、俺の知らない潤くんのエピソードをどや顔で披露したりする。
まったく油断できない人たちばっかりだけど。
でも、もうこの手は離さないよ。
一番大事な存在を、絶対に離したりしないんだ・・・・・。
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