このお話が大好きといってくださる方が結構いて、本当に嬉しいです。
ゆずりんも大好きなお話のシリーズの、始めのお話です。
潤=探偵
智=刑事
翔=探偵
ニノ=刑事
相葉=喫茶店のマスター
ゆずりんも大好きなお話のシリーズの、始めのお話です。
潤=探偵
智=刑事
翔=探偵
ニノ=刑事
相葉=喫茶店のマスター
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
「うわ、こりゃあひでえな」
俺はその仏さんの姿を見て、顔を顰めた。
若い男だった。
顔は無傷だったが、体には無数の刺し傷があり、かなりの量の出血の跡が見られた。
「―――かなりのイケメンですね」
仏さんの横にしゃがみ、その顔を冷静に観察しながら、ニノが言った。
「年は20代半ば―――ってとこですかね。身元の分かるものは持ってなかったんですかね」
ニノの声に答えるように、近くにいた鑑識の人が顔を上げた。
「―――ガイシャの持っていた携帯です」
と、色の違う携帯を2つ、渡される。
「2つ?」
白い携帯と黒い携帯。
俺は、白い携帯の方を手に取って眺めた。
「仕事用とプライベート用、あるいは本命用と浮気相手用・・・・とか?大野さん、どう思う?」
ニノの言葉に、俺は首を傾げた。
「わかんねえけど・・・・どっちにしろめんどくせえことするなぁ」
「―――こっちの黒い方は、最後に通話した時間が昨日の夜8時になってる。そっちは?」
「えーと・・・・・夜中の2時、だな」
「相手は?」
「『潤』ってなってる」
「こっちは、『嵐』だって。ちょっとかけてみるか」
そう言ってニノは携帯を耳にあてた。
「―――――もしもし。わたくし二宮と申しますが――――世田谷署のものです。―――は?探偵・・・・・?」
やってきたのは、被害者の小栗旬と同じ年の頃の若い男2人だった。
「櫻井翔と申します」
そう言って頭を下げたのは、イケメンだがまじめそうで、スーツをピシッと着こなしたちょっと頭の固そうな男だった。
育ちがいいのだろう、高そうなスーツをさりげなく着こなしている姿はスタイルも良く、人目を引いた。
そしてその櫻井の一歩後ろに下がってついてきた男。
「松本潤です」
彼が入ってきた途端、その場の空気が変わった気がした。
肌の色が透けるように白く、唇は紅を引いたように赤い。
長い前髪がかかったその大きな瞳はまるでつけ睫毛でもつけているかのように長くカールした睫毛に縁どられ、伏せ目がちなのにとても目力のある瞳だった。
小さな顔に柔らかそうなちょっとくせのある黒髪。
長い首は白くとてもきれいで―――
黒いカットソーの上に羽織ったグレーのカーディガンと、ぴったりした黒い革のパンツに黒いブーツ。
とてもラフな格好なのに、細い腰に沿ったそのスタイルはとても艶めかしく感じた・・・・・。
出迎えた俺とニノは、一瞬言葉を失った。
松本潤に見惚れていた俺たちを、櫻井がじろりと睨む。
「あの、小栗は?」
「あ・・・・ああ、すいません。こちらへどうぞ」
ニノが慌てて、2人を遺体安置室へ案内する。
「―――間違いありません。小栗旬です。彼は、僕の探偵社の探偵でした」
『嵐探偵社』
それが櫻井が社長を務める探偵社の名前で、小栗旬の8時の通話記録はその探偵社へかけたものだった。
櫻井の言葉はしっかりしていたが、その顔色は青ざめていた。
松本もじっと小栗の顔を見つめていたが、その表情から真意を読みとることはできなかった。
「すいません、あちらでお話を聞かせていただけますか?」
そう言ってニノが櫻井を促したが、松本は動こうとしなかった。
「―――潤」
櫻井の声に、ちらりと眼だけをそちらへ向ける。
「―――先、行ってて。すぐに行くから」
「じゃあ、僕が外で待ってますので、櫻井さんは二宮と先に行っていてください」
俺はそう言って、2人を促し部屋の外に出た。
櫻井はそれでも松本のことが気になるようだったが、ニノに促されると、仕方なく歩き出した。
2人の姿が見えなくなると、俺は遺体安置室の扉を細く開け、中をそっと覗いた。
松本は、じっと小栗の死体を見つめていた。
そして
細く白いその指で、小栗の頬を撫でた。
「―――旬。ばいばい」
そう呟いた松本は、体をかがめ―――
小栗にそっと口付けたのだった・・・・・。
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俺はその仏さんの姿を見て、顔を顰めた。
若い男だった。
顔は無傷だったが、体には無数の刺し傷があり、かなりの量の出血の跡が見られた。
「―――かなりのイケメンですね」
仏さんの横にしゃがみ、その顔を冷静に観察しながら、ニノが言った。
「年は20代半ば―――ってとこですかね。身元の分かるものは持ってなかったんですかね」
ニノの声に答えるように、近くにいた鑑識の人が顔を上げた。
「―――ガイシャの持っていた携帯です」
と、色の違う携帯を2つ、渡される。
「2つ?」
白い携帯と黒い携帯。
俺は、白い携帯の方を手に取って眺めた。
「仕事用とプライベート用、あるいは本命用と浮気相手用・・・・とか?大野さん、どう思う?」
ニノの言葉に、俺は首を傾げた。
「わかんねえけど・・・・どっちにしろめんどくせえことするなぁ」
「―――こっちの黒い方は、最後に通話した時間が昨日の夜8時になってる。そっちは?」
「えーと・・・・・夜中の2時、だな」
「相手は?」
「『潤』ってなってる」
「こっちは、『嵐』だって。ちょっとかけてみるか」
そう言ってニノは携帯を耳にあてた。
「―――――もしもし。わたくし二宮と申しますが――――世田谷署のものです。―――は?探偵・・・・・?」
やってきたのは、被害者の小栗旬と同じ年の頃の若い男2人だった。
「櫻井翔と申します」
そう言って頭を下げたのは、イケメンだがまじめそうで、スーツをピシッと着こなしたちょっと頭の固そうな男だった。
育ちがいいのだろう、高そうなスーツをさりげなく着こなしている姿はスタイルも良く、人目を引いた。
そしてその櫻井の一歩後ろに下がってついてきた男。
「松本潤です」
彼が入ってきた途端、その場の空気が変わった気がした。
肌の色が透けるように白く、唇は紅を引いたように赤い。
長い前髪がかかったその大きな瞳はまるでつけ睫毛でもつけているかのように長くカールした睫毛に縁どられ、伏せ目がちなのにとても目力のある瞳だった。
小さな顔に柔らかそうなちょっとくせのある黒髪。
長い首は白くとてもきれいで―――
黒いカットソーの上に羽織ったグレーのカーディガンと、ぴったりした黒い革のパンツに黒いブーツ。
とてもラフな格好なのに、細い腰に沿ったそのスタイルはとても艶めかしく感じた・・・・・。
出迎えた俺とニノは、一瞬言葉を失った。
松本潤に見惚れていた俺たちを、櫻井がじろりと睨む。
「あの、小栗は?」
「あ・・・・ああ、すいません。こちらへどうぞ」
ニノが慌てて、2人を遺体安置室へ案内する。
「―――間違いありません。小栗旬です。彼は、僕の探偵社の探偵でした」
『嵐探偵社』
それが櫻井が社長を務める探偵社の名前で、小栗旬の8時の通話記録はその探偵社へかけたものだった。
櫻井の言葉はしっかりしていたが、その顔色は青ざめていた。
松本もじっと小栗の顔を見つめていたが、その表情から真意を読みとることはできなかった。
「すいません、あちらでお話を聞かせていただけますか?」
そう言ってニノが櫻井を促したが、松本は動こうとしなかった。
「―――潤」
櫻井の声に、ちらりと眼だけをそちらへ向ける。
「―――先、行ってて。すぐに行くから」
「じゃあ、僕が外で待ってますので、櫻井さんは二宮と先に行っていてください」
俺はそう言って、2人を促し部屋の外に出た。
櫻井はそれでも松本のことが気になるようだったが、ニノに促されると、仕方なく歩き出した。
2人の姿が見えなくなると、俺は遺体安置室の扉を細く開け、中をそっと覗いた。
松本は、じっと小栗の死体を見つめていた。
そして
細く白いその指で、小栗の頬を撫でた。
「―――旬。ばいばい」
そう呟いた松本は、体をかがめ―――
小栗にそっと口付けたのだった・・・・・。
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